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けいりう堂日記

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2025-05-08 [長年日記]

_ 久しぶりに中央図書館へ。

野暮用があって早く勤務を終え、その野暮用を終えた後まだ中央図書館が開いている時間だったので、久しぶりに訪問。ヨコハマ資料のある3階に陣取って、下田街道・東浦路に関連する資料を閲覧。かの有名な児玉幸多先生の監修になる『根府川通見取絵図』全二巻が普通に閲覧できるという素晴らしさよ。東浦路というのは伊豆半島東岸にほぼ沿った道である。先日の松阪のマニア先人ショック(←本居宣長と松浦武四郎のことね)から、これまでの街道行脚の記録をおさらいしておきたい衝動に駆られ、書きっぱなしの野帳セY-3から一冊取り出してみたらそれが東浦路の宿場・伊東を訪ねた頃の記録だったのである。
 ただ、この頃はある理由があってこの時の記録も詳細には書き付けておらず、しかもあろうことか、旅の前にあらかじめ道筋を描きつけていくのが常である当時使用した地形図には道筋の描き込みが全く無いのである。どういうことかと言うと、この時の道の確定に用いたのは『伊豆東浦路の下田街道』(加藤精志・田畑みなお、サガミヤ、2004)という本だが、行程の地図は載っておらず、代わりに著者らが実際にたどった道筋に沿って目印を文章で書いていくという記録であるため、地形図にあらかじめ道筋を描き込むことは困難だったのだと思われる。「思われる」と書くのは、僕が実際に訪れたのが2010年・2011年でこぼこの頃であったため当時の気分を覚えていないからである。たとえば「坂町バス停から、奈良本への旧道を二百歩ほども登ると、正面行く手に秩父坂東供養塔が見えてくる」と書かれていても、そのような分解能で地形図を読むことはできない。しかし実際に現地に行ってみれば、親切な地元民に道を教えていただく時のように行き先が良くわかる訳である。その当時もこの記述の恐らくコピーを携えて首っ引きで歩いたはずだ。その本を冒頭から読み返そうとしてみると、二つの発見があった。一つは、今上天皇陛下は皇太子時代にロンドンに留学した際テムズ川の海運に関する研究をおこなっており、国内外に関わらず交通史にご興味を持たれているということ。こちらはいくつかの著作が手に入るようなので、古書で求めることにした。もう一つは、『伊豆東浦路の下田街道』の著者は静岡在住であり東浦路の道筋も神奈川側については詳述していないが、そのあたりの道筋は「根府川通」と呼ばれる道と重なる、と書かれていたことである。そこで「根府川」というキーワードで横浜市立図書館の蔵書を検索して、『根府川通見取絵図』に行きついた、という訳である。そういう訳だから、14・15年振りに東浦路の旅を補完することになりそうという予感がある。

_ 横浜銭湯のトレーディングカード。

この春からスタンプラリー風のイベントが横浜銭湯のネットワーク内で行われている。2通りあるのだが、うち一つは3か所のスタンプを集めるたびに3つめの銭湯+ランダムにもう一か所のトレーディングカード計2枚をいただける、というイベントである。いつもなら水曜夜はジムで筋トレをしているが調べ物で遅くなったので、ウォーキングを兼ねて図書館から最も近い銭湯に行くことにした。それが、藤棚という場所にある中乃湯さんだったのである。ここで入手した2枚で6枚目の入手となった。図書館から藤棚に向かう道は野毛山動物園脇を経由する上り坂だったので結構息が切れた。風呂前にひと汗流すという意味では悪くはない。湯を出た頃丁度雨となったが、おそらくは忘れもののビニール傘を、返さなくて良いからと呉れた。ありがたく頂戴して、これは会社に置き傘として置くことに決めた。ヒトの情けは有効に使わねば。その時ふと思った。こんな風に使われない傘は世の中にたくさんある。そこでいたる所に置き場を設置しておいて誰でも使って良いようにその傘を置いておく、という習慣が一般に流布したなら、世の中のビニール傘は有効に使われはしないか、ということである。拾った硬貨を何かに使って経済活動の中に戻してやるようなことだ。尤も、良き市民にとって役に立つ仕組みは、良からぬ市民の悪行の種になることも世の常で、こんな仕組みを上手く回すにはよほど工夫が必要だろう。けれども、要らない傘を誰でも有効に使ってまた別の誰かに使わせてあげようと思う人々が暮らしている世の中は、少なくとも自分にとっては住みやすい世の中のように思われるのである。


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