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けいりう堂日記

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2023-02-25 [長年日記]

_ [] "L'adolescente", Yves Dutail et Jeanne Moreau.

旋律と歌詞の断片しか思い出せないのに忘れられない歌は幾つもある。それが後年になって音源を見つけることができるのは今の時代の良いところだと思う。見つけるためには良い設問をネットに与えて答え合わせをする必要があるけれど。そんな一曲に、男女のデュエットのシャンソンがあった。フランス語を習いたての頃(今でもレベルはそこから進歩してないが)、参考のためと称してNHK FMでシャンソンやフレンチポップスを"エアチェック"していた。そのテープの中に、タイトルも書かずに収めていた一曲。ときどきその一節が蘇るのだが、サウンドハウンドに向かって口ずさんでも出てくることが無く、うろ覚えの歌詞の断片で検索しても見つからない。けれど、記憶にある男声はイヴ・デュテイユのものではなかったろうか。同じ頃に林田先生(フランス語ではHを発音しないので『アヤシダ』になる、というのがこの先生の持ちネタだった)のやっていたNHKの語学番組でイヴ・デュテイユを知った。彼のCDを検索してみると、様々な女性との歌を集めた一枚があった。そのアルバムタイトルをYoutubeで検索してみる。アルバムの再生ができるようになっている。しばしの広告の後、聞き覚えのあるピアノの前奏が流れ出して、アルバムの一曲目がまさにこれだったと分かったのだった。

曲名は『思春期』という意味で、確かにイヴ・デュテイユの歌と確認できた。女声のほうは、なんと今は亡き大女優ジャンヌ・モロー。イヴの方は、パリから東に40キロほどのプレシ=シュル=マルヌというコミューン(これがどういうものかもよくわからないが)の市長(?)さんだったこともあるそうだ。大学で彼を知って、しばらく思い出さず、また思い出したその間にその人は一度市長さんになって退職していた。ジャンヌ・モローの出演作は多分見たことがない。が、その中に邦題『ジャンヌ・モローの思春期』というのがあり、映画の原題はこの曲の名と同じだから、当然関係はあるのだろう。でも映画の方は入手が難しそう。代わりに『エヴァの匂い』という艶かしいタイトルのものを視てみよう、と思ったのだった。曲の歌詞の方は翻訳してもなんだか難しい。「大きな愛はどこ?」とジャンヌが問う。この部分だけはわかっていた。それにイヴが答えるのは「それは夏の暑さの中でジャスミンの下で岐路に立っている」とか「それは旅する異邦人、孤独なメッセンジャー」とかだったり。まあよく分からないが、こうして曲も歌詞も歌い手のことも見つけられたのだから、好きなだけ調べて味わうことができる。それがインターネットリテラシーのその先にある楽しみであり苦しみなのだろう。


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