RSSフィード:http://alpha-ralpha.com/diary/index.rdf
2024-11-17 [長年日記]
_ [放送大学] 二都物語。
社会学関連の講義を、前期に引き続いて受講している。僕は札幌・横浜という二つの都市に住んだ経験を持っている。都市は都市であるというだけでおおごとなのである。僕の愛する札幌と横浜。成立も気候も機能もまるで異なるものとして拓かれたこの二つの都市をどのように説明したら良いのだろう。僕の愛する二つの都市は、その都市の機能ゆえに愛すべきものなのか。或いはその都市としての利便性と同時にそこに含まれている「都市ならざるもの」への容易なアクセスの両立ゆえに愛すべきものなのか。もしもそれが愛すべき都市の要件だというのなら、都市は都市としての共通性にくわえてその都市ならでわの特異性を孕んでいなくてはならないということになるのだ。都市社会学と称される色々な学説に触れるひと時。普遍的なものと特異的なものの共存。何より解析的には導きえない解釈と、そこで用いられる言葉は説明も定義も無しに、多義であることを認めつつ交わされて果たして議論をする気があるのかどうかすらわからない対話。記憶装置としての都市と、記憶を呼び起こす仕掛けとしての香についても考えてみたいと思っているのだが、それにつけても思索に似合わないこの気候よ。ともあれ月に吠えてみるが良い。「この美しい都会を愛することはよいことだ!この美しい都会の建築を愛することはよいことだ!」。だが今宵の月はにじんだ傘をかぶっている。