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2024-05-25 シャレード。 [長年日記]
_ [音楽] "Les Rendez-vous manqués", Maxime le Forestier, 1980.
「シャレード」という映画は見たことが無い。この言葉はなんとなく影と似た意味だと思っていたのだが、謎解き、という意味。シャドウと混同していた。たぶん映画を見れば合点がいくのだろうけどまだ見る気は無い。今問題にしようとしているのはそのCharadeそのもののこと。
この日記でたまに取り上げるマキシム・ル・フォレスチェのアルバムに"Les rendez-vous manqués"というのがあり、その8曲目がCharadeというタイトルなのである。フランス語だから何を歌っているのかは大抵わからないのだが、マキシムの歌詞はフランス語を知っている人にとっても深遠でちょっと難しいんじゃないか、と思う。でそのCharadeというのはフランス語のなぞなぞなのだそうだ。ずいぶん昔にフランス語を習って最近も放送大学で授業をとったのだが、そんなの全く知らなかった。「アストリッドとラファエル」に出てきてもいいくらいの言葉なのに、シーズン4までの中にフランス語のなぞなぞは出てきていなかったのではないだろうか。調べてみると、たとえば名古屋の語学教室さんのページには、こんな例が出ている:
- Mon premier est une note de musique(私の最初の音節は音楽のノートのひとつ)
- Mon deuxième s’achète en boulangerie(私の2番目の音節はパン屋で買える)
- Mon tout est un petit animal.(私は全部合わせると小さい動物)
- Qi suis-je?(私は誰?)
答えはLa(ドレミファのラ)+pain(パン)でLapin(ウサギ)となるということで、単語が簡単には思い浮かばないしそれを組み合わせるとどんな単語ができるかを想像できない我が身には高等過ぎる。きっとご当地では3つの子供さんにもわかるんだろう。これがフランス版シャレード、なのだ。というわけで、マキシムのなぞなぞは
Dans mon premier, vous manquez私の最初の中であなたは逃している
Mon second dort l'hiver et m'faisait d'l'air私の二番目は冬眠して息を吸わせる
Mon troisième: Bien merci et vous même私の3番目:あなたとあなた自身に感謝します
などと続いていき13個のヒントが与えられている。わかるか。フランス語版ウィキペディアにはその解答らしきものが書かれているのだが、どうみても13の音節に収まっているようには見えない。このなぞなぞはだいぶひねくり回されたもののようだ。発表当時はコンサート会場でだけ答えを教えていたとのこと。こういうのが答えられたら語学の才能も本物だろう。そして今のところCopilotには正しい答えを導くことはできないみたい。ただ、先ほどのウサギのシャラードは正しく答えてくれた。それから、古いなぞなぞ「上は洪水、下は大火事、なあんだ?」にも、昔のお風呂の解説付きで答えてくれた。しかし彼の出すなぞなぞは、「緑色の頭、赤い体、黄色い尾。これは何でしょう?」答えは「キュウリ」という難解極まるものだった。彼の解説によれば、キュウリの頭は緑色でここが食べられる部分。赤いのは中央部の長い部分で食べられるが種が多く苦い。尻尾は下の部分で硬くて食べにくいが栄養価が低くはない、とのこと。ピクルスに使われるという。すげえハルシネーション来たな。わかるかw でも、なぞなぞを覚えたての小さい子が、答えを当てられたくなくてめちゃくちゃななぞなぞを作ることがあるけど、そういうなぞなぞに似ているような気もする。というわけで彼の妄想を可視化してみました。一生に一度くらいこういうキュウリを目撃する機会はあるかもしれない。彼自身にも描かせてみた。赤いところが入ると毒々しいなあ。食べにくいどころか絶対毒持ってる。