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2007-10-01 『アースダイバー』(続) [長年日記]
_ [読書] 『アースダイバー』(続)
読み始めて二日目。もうなんだか終わりが近い。いろいろとインスパイアされる本だ。
青山の霊性について書かれているあたりを読んでふと気づいた。「青」という色は確かに葬送の地にふさわしい色だったのだ。小栗判官・照手姫の恋の噂の伝わる青墓の地や南東の海の洞窟。そんなことが谷川健一『常世論』に書かれていたはずだ。それに何より、「人生到るところ青山あり」の青山こそ墓そのものの意味だった(青山の地名の由来はこれなの?)
この本は、民俗学や郷土史や史学・考古学・地理学という知識をどのように「今」を読み解くために活用するのか、その一つのあり方を示してくれている。
本書はダイビングの場所を東京都心部に限っているのだが、これをたとえば神奈川、そう、私の住まう鶴見川沿いや、今は多くの橋が消えてしまった横浜に適用するとどうなるのだろうか。縄文の海岸という共通性も多く見出せるのだろうが、やはり東京特有の神秘が残るのではないのだろうか?全国版アースダイビングがもしもなされたならば、古めかしい軟体動物のような、文字通り埋没した日本の異形の歴史が浮かび上がるのかもしれない。
最後まで面白く読めそうで、幸せ。読書の秋にふさわしい。
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