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けいりう堂日記

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2007-09-01 [長年日記]

_ [食べ物・飲み物] 久しぶりに家で軽く料理

涼しくなってきたので煮炊きが苦にならないというのはうれしい事だ。

というわけでコーヒーもホットがうまいしあったかい米の飯に味噌汁、煮物や焼き魚といった本来の食生活に戻ることができる。

この夏で体重が常態の4kg増しになってしまっている。飯の前にところてんを取るようにした。

ニシンの山椒漬けの炙り焼きが今日のおかず。凍結させておいたとは言えだいぶ前につけたものだから実はちょっと心配。味は大丈夫そうだったけど明日には苦しんでいるかもしれないなー。


2007-09-02 日曜日 [長年日記]

_ 朝は暫くぶりのジョギング&&ウォーキング。

昼から夜に掛けて、予約録画をDVDに落としまくる作業。

夜、ファミリー劇場でウルトラセブン見ながら食事。バド星人の回はバド星人のルックスが嫌いだったせいかちゃんと見ていなかったようだが、今見るとものすごくツボ。被害者の博士の奥さんはものすごくグラマラスな白人女性で、電話機から聞こえる宇宙人の笑い声を旦那のいたずらだと思いこんで”いつもそうやって私を怖がらせて…”みたいなこと言ってる。この夫婦は毎日どんなプレイをしてるんだか。

鏡の中に入っていくセブンについていこうとしてデコを鏡にぶつけるアンヌ姐さんもキュートだった。

一方(どこ?)、アニマックスでは「装甲騎兵ボトムズ」なんてやってるわけで、先週の録画を見てたらクールな主人公キリコがいつもの無表情でいうのです:

 ウドの街が消えていく。

 バニラ、

 ゴウト、

 ココナ、

 フィアナ。

 独りに、

 独りにしないでくれ…

オレは泣きそうになった。キリコが泣かないから余計に泣きそうになった。

けど泣かなかった。

男はみんなどこかキリコ・キュービィなのだった。初放映1983年。オレの年から24歳引くと、その年は…なるほどやはりオレの周りはウドの街そのものだったし、オレはオレのフィアナと結ばれるつもりがいつのまにか独りぼっちになっていたのだった。"ファム・ファタル"、なんて、死語になる前から死語だったんだな。

そんなこと思いだしてるうちに、また泣きそうになった。

けど泣かなかった。

_ 独りにしないでくれ。


2007-09-03 [長年日記]

_ [食べ物・飲み物] 食べたことの無い魚を食べるシリーズ1:わかし

なるべく肉を控えて魚と野菜で食事を取ることに決めた。が、鰯と秋刀魚と鯵と鰊の他になんか無いのか?

そう思って、スーパーで目に付いた今までに食べたことの無い魚を試し続けようというわけですな。飽くなき挑戦者魂。というか、普通に飯が食えないのか俺は。

今日は「わかし」です。わかしというのは鰤のちっちゃいやつで、体長250ミリほどのを250円で売っていた(わざわざ"ミリ"で言うとなんか大物っぽい感じがする…しないか)。ミリ単位1円ということか。そう思うと安くないな。

「刺身用」と書いてあったから馴れない包丁さばきで三枚におろす(こういうときだけ、刺身包丁がほしいなーと思うのですね)。今ひとつ美しくない刺身にして、中骨と頭は軽く炙って味噌汁に入れた。久々に味噌汁作るなー。アサリも入れた。内臓とアラの一部はさらにアルミホイルで包み、醤油をたらして蒸し焼きにする。その醤油は三島のゆかりをふりかけたご飯にたらしてお茶漬けにする。こうして丸ごと一匹をすべて食べる。メインのはずの刺身が一番つまらない食べ方になっちゃう、みたいな。お刺身食べきれない。半身は残しとけば良かったな。

次回に続く。いつになるか不明。


2007-09-04 [長年日記]

_ [食べ物・飲み物] 食べたことの無い魚を食べるシリーズ2:すずき

シリーズとか書いてるけど、食べたことある人にとっては面白くもなんとも無いんだろうけどね。今晩はスズキの切り身を買ってきて、シンプルに塩焼きで食べた。

スズキって皮が黒いしうろこが大きそうで、鯉のような生臭さを想像していてずっと敬遠していたのだが、このシンプルな塩焼きは思いのほか旨かった。淡白で、でもほのかに香ばしい独特の味。凝った料理がいらないというのは良い。

昨日の赤出汁のあら汁が少し残っていたので、なめこと長ネギを投入して水を足して仙台赤味噌を加えて食した。


2007-09-05 [長年日記]

_ [食べ物・飲み物] 今日はお魚はお休み

またまたデリーのカレーが食べたくなってレトルトのルーを買ってきたわけですが、どうせだから肉なしで行こうと思い、海老とホタテとヒヨコマメ。久しぶりに辛かったなー。

食べたらすぐ眠くなり、ちょっと寝るつもりが朝までぐっすり。8時間以上寝た。


2007-09-06 TAIFU [長年日記]

_ 台風が来てるので早帰り。夕食は昨日の残りのカレー。

明日は午後出社にしてきた。


2007-09-07 [長年日記]

_ [食べ物・飲み物] 食べたことのない魚を食べるシリーズ3:めかじき

これは本当に、切り身を見る限り食欲がわかなくてずっと避けてたんだが、2切れ300円ちょっとのやつを買ってきて一切れづつ別々の調理をしてみた。

トウガラシ焼き その1:唐辛子焼き。 レシピには七味唐辛子と味醂を使うように書かれていたけど家にはどっちも無くて、鷹の爪を細切れにしたのと酒を少々醤油に混ぜて10数分漬けてから焼いた。和風ステーキといった風情。肉のステーキよりしつこくないのが良い。
ハーブ焼きその2:ハーブ焼き。 これはその1よりもさらにお手軽。ローズマリー・パセリ・タイム・コショウ少々と塩をまぶしてオリーブ油で焼くのみ。淡白な肉の味にハーブの味で思ったより上品な仕上がりになったように思う。まあお皿が全然おしゃれじゃないんだけどなっ。 こんな旨いものを知らずに寿命が尽きるところだった。お手軽レシピが増えて何よりだ。

2007-09-08 北海道の歴史の道が見えてくる。 [長年日記]

_ [読書] 北海道の歴史の道が見えてくる。

吉川弘文館「街道の日本史1アイヌの道」を読んでいる。そろそろ読み終わる。以前同じシリーズの「2蝦夷地から北海道へ」と、古書で見つけた「北海道交通史」などを読んでいたが、今読んでる本の地図に描かれた道筋を見ているうちに、だんだんと奥州街道の終点・松前から先をどう進んでいけばよいかが見えてきたような気がしている。

まずは松前から函館、森に出て、噴火湾沿いに太平洋岸を歩いていき室蘭の辺りまでは行く。

そのあとは苫小牧から黒松内越えの道を日本海目指していく。難所といわれた積丹半島をなんとか越えて石狩川河口に出たなら、ほぼ石狩川沿いにまずは故郷を目指し、やがてはその故郷を越えはるか宗谷を目指す。そしてオホーツク海に面する海岸沿いに南下し、知床を横断したら父が生を受けた釧路に向かって…。

おおむねアイヌの生活道に沿って現在の国道・道道が拓かれている、という解釈の元にこのような道筋を描くことができそうだ。途中何も無いところが多いから、体力に任せて明けから暮れまで一日無心に歩き続けることができるだろう。ただし一里塚も本陣も無いのだが…。


2007-09-09 [長年日記]

_ [綱島街道] 綱島街道を最初から最後まで歩く。

これはいつかやりたいやりたいと思っていたウォーキングなのです。私は横浜の住人でして、今綱島街道と呼ばれる道を通って会社から歩いて帰ってきたのも一度や二度じゃない。綱島から歩いて帰宅したのも数え切れないわけでして、いつかは旧道に沿ってこの道を歩きとおしたいと思っていたのですね。

綱島街道は稲毛道とも呼ばれていて、東海道神奈川宿の辺りから今に言う横浜の白楽・妙蓮寺・菊名・綱島を通って、そこから北西に向かい川崎市高津区蟹ヶ谷を横ばいに進んで溝口にいたる全長20キロ余りの道です。溝口とは、ついこのあいだ踏破した矢倉沢往還(大山街道)の宿場でして、先日の三島・沼津へのウォーキングと並んで、矢倉沢往還(この道の足柄峠越えは古代〜中世の東海道)と東海道という、"二つの東海道"を結ぶもう一つのルートとなるわけです。

ゲキレンジャー見ないで(ホントはちょっとだけ横目で見て)東横線で横浜に出ると午前8時。ここから本覚寺を見てから青木橋を渡り、神奈川警察署の脇がスタート地点となります。二ツ谷から簡易裁判所の辺りを通って東白楽駅の裏道を白楽へ。ここからは今も「旧綱島街道」として知られる道を歩きます。

10時過ぎ、菊名池で休憩。この池にはたくさんの大輪の蓮が咲いていました。何度も通っているのにこんなに蓮が生えているというのは始めて知りました。夏の頃にはおとづれたことが無かったのかな?

菊名駅前を過ぎると菊名神社の手前を通る道を、現在の綱島街道にほぼ平行して歩きます。この道の脇には滝不動があるのですが、不動の滝も水こそ枯れてはいないものの周りは草だらけで、ここに滝があることなどもうすぐ忘れられてしまいそうです。数年前まであった不動堂の建物も撤去されていました。民俗的記憶の一部が廃絶されるまさにその時を目撃したような気持ちになります。

大倉山駅入り口を越えると上り坂となり、師岡熊野神社が近いので訪ねることにしたものの、人家の間の道は複雑で、たどり着いたらお昼を過ぎました。

午後1時頃綱島駅のそばの蕎麦屋で昼食。東照寺・来迎寺などを過ぎて高田・下田などと言う土地を過ぎると道はまた上り坂。上りきれば川崎市高津区蟹ヶ谷でした。この辺で道は一部廃絶されますが、子母口を過ぎるとあとはほぼ道なりに溝口まで。

ついたら午後5時少し前でした。予定通り一日のうちにこの街道全行程を歩き通すことができて満足。金運つくねで有名な居酒屋で少々飲んで帰途に着きました。

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途中歩きながら思いついた歌。「となりのトトロ」の「さんぽ」のメロディをマイナー調に変えて歌おうね。熊倉一雄のグルーヴで歌うと最高(に陰気)だよ!

歩こう 歩こう オレ陰気

友達いない 1人で歩こう

細道 泥道 水溜り

一本道でどうして迷うの… ハァッ!(←和田アキ子風掛け声)

靴下破れ マメだらけ


2007-09-10 [長年日記]

_ [食べ物・飲み物] 食べたことのない魚を食べるシリーズ3:ち鯛。

真鯛は食べたことがあるけど「ち鯛」はまだだと思う。シンプルに塩焼きにしたが、塩をまぶして10分ほどおいて、出た水分をまたキッチンペーパーで吸い取ってから焼いた。

まあ普通に旨かった。骨と頭と尻尾、つまり「尾頭付き」ならぬ「尾頭のみ」は取っておいて明日にでもこんがり焼いて骨湯でいただくつもり。

PCのフォルダをあさってたら、昨日見に行った菊名の不動堂を撮った画像が出てきた。プロパティを見ると2002年1月13日の日曜、午後4時半頃に撮ったとある。改めて史跡の儚さを思う。昨日見た草ぼうぼうの不動滝もこのときはおそらく近在の人によって草が刈られていたようで、画像には滝の水を吐く竜頭とその頭上の不動尊がはっきり写っていた。堂を再建しようという篤信家がこの先現れないとは限らないのだが、難しいことだろう。

綱島街道の歴史街道としての価値が認知されればあるいは、と思うが、いかんせん見所が少ないし、この道を舞台とした歴史的の事件も知る限りは見るべきものがなさそうで、こちらもまた難しいことだろう。

とまれ今回の1日の極短い歩き旅は、非常に教訓的だったと思う。いかに旧街道が廃れていったかの実例のようなものだったからだ。


2007-09-11 [長年日記]

_ [食べ物・飲み物] 食べたことのない魚を食べるシリーズ4:さわら

さすがに"さわら"はどこかで一度くらいは食べたことがあるかもしれないけど、意識的に「さわらを食おう!」という意気込みで食べたことは無いのでまあ”食べたことが無い”部類に入れておこう。シンプルに塩焼き。うん、うまい。

しまった、昨日のち鯛の骨湯を作るの忘れた。

放送大学から前期の試験結果が届く。3科目受けて3科目とも○Aだったので満足満足。後期はゆとりの受験を目指したい。語学は再来期だな。歴史系博物館エキスパートを取得するための必須科目は今回の「著作権法概論」でクリア。人文系の単位をあと4単位とればエキスパートだが、残念ながら来期は科目群の中から1科目だけ取得予定なので、これも最短でも再来期。


2007-09-12 [長年日記]

_ [漫画・アニメ] 『太陽の王子ホルスの大冒険』

今日は「あいなめ」を買ってきたのでWebでレシピを調べようとしたがPCがなかなか立ち上がらない。うーん、2台目もやばいのかな。。。

何度も再起動掛けているうちに東映チャンネルで『太陽の王子ホルスの大冒険』が始まって、今ラスト。動きも構成もキャラクターもすばらしいなあ、つくづく思う。1968年の作品だというのに日本のアニメーションはこのときに相当な完成度を達成していたのだった。

で、なんといってもヒロイン・ヒルダなのだが、このキャラクターは森康二の手になるもので、監督高畑勲の「『ホルス』の映像表現」(アニメージュ文庫、1983)にこんなコラムがある:

「少年猿飛佐助」の忍術で宙に浮かんだ佐助が岩壁に叩きつけられるのを「痛々しくてみていられない」といわれた森さん。「安寿と厨子王丸」の奴頭の権六を描いてぜんぜんこわくならなかった森さん。その森さんが、ヒルダがトトを斬り雪狼に襲われ突き倒される姿をおそらくだれよりも鋭く非情に描ききって、張りつめた哀切感と悲壮美とでもいうべきものをこの作品に与えてくれたのである。

おなかすいた〜。あいなめはこれから煮付けにします。

_ [食べ物・飲み物] 食べたことのない魚を食べるシリーズ5:あいなめ

今日は何ヶ月か振りの煮魚にしてみました。 調理前調理後 煮魚のコツは、まず煮汁を沸かしておいて、それから魚を煮る、ということらしいですね。お酒少々としょうが、醤油、塩で味付けて鷹の爪と共に煮立ててから10分少々煮ました。 淡白な味ですな。でも結構油は出てる。なんとなく懐かしい味。。。 ところで"あいなめ"というのは北海道では"あぶらこ"と呼ぶらしいですな。 "あぶらこ"なら子供の頃良く食卓に出てたよ。知らなかったなあ。というわけで"食べたことの無いと思っていた魚を食べるシリーズ"になっちゃうかも。でも料理のレパートリーが増えればそれでいいや。

2007-09-13 マンデルの回帰計算。 [長年日記]

_ マンデルの回帰計算は気になっていてやってみようやってみようとずっと思っていた。今日はじめて試してみたら、なるほど、という感じで。Rでスクリプト書いた。

_ 今日の晩飯のおかずはマグロの頭骨。三切れ100円で買ったものを一つ解凍して塩コショウまぶしてホイル焼き。食べる直前に醤油をさっとかけてちょっと焼いて食す。骨、硬いなあ。旨かった。特に目玉の周り。


2007-09-14 明日から三連休。 [長年日記]

_ こんなタイトルつけて、明日になったらまた「今日から三連休」とかいうタイトルでうだうだ書くのかなあなんて思うのですが。

_ スクールオブロックを聴きながらさわらのハーブ焼きで夕食にしました。栗山千明ちゃんは劇場版エヴァンゲリオンを観てオタクトーク炸裂、なのでした:

「こんばんわ … 栗山千明です。 好きな号機はぁ〜、初号機ぃ〜」なんて感じで、実に好ましいですな。


2007-09-15 今日から三連休。 [長年日記]

_ タイトルは昨日のお約束だよ

今日は夕方近くなってから神保町に行きました。神田伯剌西爾でフレンチを200g買い、店でも飲みました。北海道に住んでいた学生時代に、東京で学会があって上京したときにこの店に出会ってからもう20年近くたっていることに今日気がついたのでした。コーヒーの味も店の雰囲気もほとんど変わっていません。囲炉裏のある、読書の妨げにならない程度にほの暗い店の中はとても落ち着きます。

そんなわけで明日は下田街道に出かけようと思ったのだけど、なんか台風が近づいてるんだって?日中ずっと弱い雨の予報ですね。どうしよう、デジカメいよいよ壊れてしまいそうな。

朝起きてから考えよう。準備だけはしておいて。


2007-09-16 フォースト・ビバーク! [長年日記]

_ [下田街道] 湯ヶ島から天城峠越え

日曜。三連休とあって車の通行量が多い。

修善寺から湯ヶ島までバスに乗り、街道を進む前に、井上靖の墓のある熊野山をうろつく。ここは西国三十三観音の霊場でもある。

街道を進み、浄蓮の滝。人が多い。わさびソフトクリームを食べる。

国道414に並行する林道を歩き、道の駅「天城越え」に。ここで不穏な情報を得る。旧国道・旧天城隧道は先日の台風9号の被害で通行止めとなっているというのだった。わたしが行こうとしていたのは西側の旧街道であり、そこはどうかと尋ねたが不明。行ける所まで行ってみるより無い。

で、行ってみると、峠を南側から越えてきた人に出会う。道は滑りやすいが通れるということだったので先を行く。このときすでに午後3時半。

ところが道を間違えて(しまった、また…)戻り急坂をひいひい登って峠に着くと五時。あわてて降りていくが、途中これも台風の被害だろう、倒木が多く道を失いかけること数度。とうとう午後6時を過ぎる。森の中の道とて漆黒に近い。旧街道は小川に遮られたように見えた。ヘッドランプを点けて先を行こうと試みるが完全に道を失った。

やむを得ずここに一泊することにしたのだった。野宿は9年ぶりですよ、全く。雨も降ったり止んだりして総じて雨降り。川の音はせせらぎというよりも、ごおごお、というように聞こえる。風が無いのが幸い、サバイバルシートに身を包んでNHKラジオを友に夜明けを待つ。。。

続く。


2007-09-17 恥ずかしい野宿者。 [長年日記]

_ [下田街道] 河津七滝。


サバイバルシートは実に優れものだった。一方の面が金色・他方が銀色に蒸着された薄い樹脂のシートで、銀は光熱を反射して金は吸収する。金色の側を表にして頭まですっぽりかぶると雨にもかかわらず体温がずっと維持できた。が、ろくな食べ物が無く、味噌汁を川の水に溶かして飲む。川の水は澄んでおり、これは救いだった。さらにレギュラーコーヒーのパックを破り、水を入れた空のペットボトルに入れて振って放置する。
雨と川の音にうとうとしては目覚め、ラジオに耳を澄まし…こんなことを繰り返しているうちに待ちわびた夜明けが来た。明るくなってみると川の流れもさほど激しいものではなかった。そして、道の続きはこの川の向こうに続いていることを発見した。夕べのうちに暗がりをうかつに進んでいたらどうなっていたかわからない。気力を奮い立たせようと、昨日仕込んでおいたコーヒーを飲む。十分コーヒーの味だった。 道を進むうち明るさは増していく。が、雨は続いている。そうしているうちに宗太郎林道を過ぎ、河津川のいくつものみどころを眺めつつ歩くことができた。猿田淵の急流と、河津七滝。最後の大滝の辺りで携帯電話のバッテリーが切れた。二台持っていったデジカメは昨日のうちにどちらも起動しなくなっている。完全に画像を記録する媒体を失ってしまったので、ここで旅を終えた。バスで河津駅に出て踊り子号で帰宅。横浜駅近辺で川端康成「伊豆の踊り子」を収録した岩波文庫を購入。
なんだか野宿もあまり苦にならないという感じだった。しかし野宿せねばならなかったのは計画が甘かったということだし、体はすこぶる汗臭くなった。野宿が平気になってしまうということは、とても下品なことのように思えてなんだかとても恥ずかしかった。誰が見ていたというわけでもないのに。

まあこんなこともあるさ。そしてたぶん今後も場合によっては…。ああ、わたしは恥ずかしい野宿者だ。


2007-09-18 ひとでなしの旅。 [長年日記]


河津川に置き去りにした心を取り戻さんとまじめに会社に出た。が、思うのは、野宿のこととかビバークのためのツェルトのことばかり。ツェルトは購入することを決めた。選んでるところ。500gくらいでおとといよりも快適な野宿ができるなら、行動の範囲と自由度はさらに広がることだろう。こうしてどんどん人でなしになっていくのだ。宿の要らない街道歩きになってしまうのだ。風情も何もあったもんじゃないし、野生動物に襲われる心配という余計な心配をしなくてはならない。街道歩きの危険が増えてしまった。衛生管理者の資格を持った人間としてはあるまじき不安全行動だと思う。


2007-09-19 ひさしぶりに横浜中央図書館へ。 [長年日記]

_ [読書] 会社帰りに図書館。

今日の興味は大きく3つ。一つ目は地元の綱島街道に関する地方史。特に「新編武蔵国風土記」(実は図書館に行って閲覧するまで、『新編相模国風土記』だと思っていた。綱島街道の通っていた辺りは相模ではなくて武蔵のようだ)。二つ目はエクセルのアドインの作り方。三つ目はサバイバルの参考書。節操が無い。
我が家の近くには「わたうちだに」と言う名前のバス停がある。その辺りの土地をその名で呼ぶ人はかなり少ないのではないかと思うが、このように由来のわからなくなった地名がバス停の名称として残るというのは面白いことだと思う。それで、『武蔵国風土記』(風土記といっても古代の武蔵国風土記は失われており、江戸期に作られたゆえに"新編")を見ると馬場村の項に「綿内谷 村ノ西ヲ云フ」とあった。まあこれだけでは村名の由来は良くわからないのだったが。
サバイバル関連の本は計4冊借りてきた。知識が増えればどうしてもやってみたくなっちゃうんだろうなあ、ヤバイヤバイ。


2007-09-20 食べたことのない魚を食べるシリーズ6:したびらめ [長年日記]

_ [食べ物・飲み物] 今日は舌平目のムニエル。

ムニエル
ムニエルといおうかメニエルといおうか、多分フランス語ですよね、これ。ムニエルは確か小麦粉のことだったと思う。
缶で炊いたご飯
そんなことより、今日の料理のメインはこっちです。
ナイフでビールの缶の上のほうを切り取って、アルミホイルでふたを作って炊いた玄米ご飯です。無洗米なのでアウトドアで使うときには水の節約になるよね。昨日から読んでいるサバイバル関係の本にこういうものでお米を炊く方法が載ってたので、実験してみたわけです。水加減に失敗してちょっと硬めだったけど普通に食べられました。 こんな感じでいざというときのための練習をやってみるのも楽しいです。あと知っておきたいのは、火のおこし方・水の濾過の仕方・ロープの結び方、なんかでしょうかね。 なんかのめりこんじゃいそうで怖いです。無茶してしくじってもそれが許されるような若さじゃありませんから。とりあえず知識だけ、ね。
ところで、シュンペーターという人は、強い軍隊を持った国家の元首は問題を武力で解決しようとする傾向が強くなる、なんてことを唱えたそうな。
知識が身についたらどうしても実践したくなるというのはしょうがない事なのかもしれないよねえ。。。路上の困難をサバイバル術で解決する傾向が強くなっちゃうかもしれません。今の私は、火のおこし方を練習するのに都合のいい場所を探そうなんて思ってるのです、ヤバイヤバイ。


2007-09-21 辛子が色づく [長年日記]

庭のトウガラシ 庭に植えたトウガラシが色づき始めています。
小ぶりだけど真紅の実はつやつやしています。一つ摘んで先っちょを齧ってみると。。。

ウホッ

辛い。

夏の暑さがトウガラシをこの上なく辛く育てたようです。これを使って激辛のカレーを作る日も近い。鶏肉の代わりにメカジキを使ってみようと思っています。


2007-09-22 引きこもる休み。 [長年日記]


アウトドアへの興味とはマ逆だけど、引きこもってうつうつとヲタクなことをやるのも生きるよすがの一つだったりする。今日は録画した番組をDVDに焼いてインデクスカードを付けて、というのをずっとやり続けてた。
9月も終わるから最終回の番組が多い。「地球へ…」も最終回。サブタイトルは「地球の緑の丘」という。これはSF者にとっては忘れがたい言葉なのだった。ムーアの「ノースウェスト・スミス」にあらわれる歌の名前。これにインスパイアされてハインラインが同名の小説をものした。これに絡んで「SF名文句・迷文句」なるHPをずっと読み続けてしまう。良く見ると初期の書き込みの中にどうやら昔わたしが投稿したと思しき記事があった。

「スポンサーから一言」

フレドリック・ブラウンの短編から。わたしが酔いどれになったのはあずまひでおとブラウンの影響なんじゃないか、と思う。

またしても腐った死体の生活。死体に生活って、変か。

2007-09-23 日曜日はカレー。 [長年日記]

_ [食べ物・飲み物] くだんの「メカジキのカレー」を作ってみた。

タイムサービスでふた切れ200円で売っていたので2パック買った。スパイスを調合して作るカレー。庭の唐辛子はまだ3個しか赤くなっていないのでこれは使わなかったけど、コリアンダーとローレルは庭で育てたものです。コリアンダーは市販のものよりも香りが強いみたい。たまねぎはすりおろしてあめ色になるまでど根性で炒めました。久しぶりだな、気合入れたカレー。近頃は使わないヨーグルトも。 しかし、ヨーグルト使うカレーのコツをすっかり忘れていました。水は少なめにしてルーを具に絡めるようにすべきでしたね。シャバシャバにして煮込むと、案の定メカジキは煮くづれました^^; というわけで味はまあまあかな。クローブがちょっと多かったみたいで、ほろ苦い。トマトピューレーもちょっと少なめだったか。
カレー道は奥深いなあなんて。
次はもっと美味しくなるでしょう。
でもその前に、今日のカレーも明日になれば今より美味しくなるんだろうな。


2007-09-24 影山莉菜の映像を発掘。 [長年日記]

_ 今回の連休はすっかり引きこもりだった。


 HPの編集なんかやりつつ、山積みのビデオテープから気になる内容をHDDレコーダーにダビングして押入れにしまい込む作業を地味にやっている。なんでこんなの録画してるんだろうと思うものもたくさんあるが、なかなかいいセレクションだなと思うものも。
 ちょっと感動してしまったのは、道頓堀劇場(名前に反して渋谷にあるストリップ劇場)のアイドルだった影山莉菜という踊り子さんの映像が1分強くらい入っていたのを見つけたこと。思わず「おおっ」と呻いた。引退間際の頃だと思う。実は実物も見たことがw
 近頃地上波の深夜番組(注:除くアニメ)をあまり見ないのだが、トップレスの女性の映像が堂々と流れているのはもう古い時代のことなのではないのだろうか?以前は「こういうもの」も「ああいうもの」も、視聴者の欲求には全てTVの地上波が答えようとしていたわけで、だからテレビにはありとあるジャンルが存在していた。今はCSやBSなどが専門チャンネルを多数用意していて、個人の嗜好にあわせてそれらからチャンネルそのものを選択して視聴するスタイルになっている。アダルトも含めて。こう考えると、いわゆる「普通のテレビチャンネル」の存在意義というのが今スルドク問われている、ということになっているんだろうと。
 自分の視聴スタイルもその頃と大きく変わってしまっている。暇だからテレビでも見るか、というよりも、選んだ番組を見るために時間をやりくりするようになった。放送大学はその極端な例ということになる。本を選ぶのと似た感覚になっている。そのことを加速しているのは予約録画のできる機器、とりわけHDDレコーダーやラジオサーバーなのだが、読書と全く同じように「積読」というか「積録」?が溜まっていくという暗黒面も…。
 それはそうと、深夜番組ですよ。高校生の頃に親の寝静まるのを待ってボリュームを極端に絞って茶の間で11PMとかトゥナイトなんか見てたのを思い出したりしてちょっと照れ臭い。しかも北海道。足の裏にしみこむ寒さをこらえつつ冬の夜中にそんなことしたりしてたですよ。暗い情熱でも情熱に違いない。若いって素晴らしいな。


2007-09-25 四元奈生美さんも歩き出した。 [長年日記]


月曜からNHKBSで「街道てくてく旅」が始まってます。卓球の四元奈生美さんという人が日光・奥州街道を歩く旅を始めたようです。番組を見ていると、やはり「いいなあ、楽しそうだなあ」なんてうらやましくなりますな。日本橋から浅草、そして千住。
わたしはこの道を2004年の2月、梅のほころぶまだ寒い季節に鹿島立ちしました。越谷についた頃には日が暮れていましたっけ。草加で買った草加せんべいはホントに美味しかったっけ。道の上にあった「ぎょうだい様」と呼ばれる石像は巨大な河童のようだったっけ。


2007-09-29 児玉幸多先生。 [長年日記]

_ 児玉幸多先生がこの七月に逝去なさっていたことを今日知った。



享年97歳。特に近世の交通史の研究者としては大御所中の大御所と言える方。
児玉先生の監修になるいくつかの本で私の五街道行脚踏破の悲願は決定的なものになった。そしてその監修当時でさえご高齢であったことに驚嘆と希望を感じたのだった。

ウォーキング・ピープルにはいつも良いことがある。 ウォーキング・ピープルは長く生きる。

先生の残された業績は、これからも私の行く末を照らすランタンのようなものだ。 冥福をお祈りするより何も無い。

2007-09-30 神保町へ。 [長年日記]

_ 夕方近くなってから神保町に行く。


横浜の本屋でどうにも手に入らなかったもりもと崇『鳴渡雷神於新全伝』の新刊を買いに行くため。しかしそれ一冊だけで買い物が済むはずは無いのでした。
他に買った本:
『完全版 見晴らしガ丘にて』近藤ようこ
『エマ』第9巻 森薫
以上、漫画。
『街道の日本史4 下北・渡島と津軽海峡』吉川弘文館
『アースダイバー』中沢新一
以上、歩くための参考図書。

『於新全伝』は今回若干謂ヱロスが足りなくて…まあいいか。

近藤ようこは読むものに困ったときに一冊、という感じでこれまで買ってたのだけど、今回もたまたま目に付いて「完全版」というのが購買意欲を刺激した。まあ面白いに違いない。

『エマ』本編は終わってしまってサイドストーリーが続いている。ぱらっと見た感じ、もりもと崇よりヱロいように見えたが…。

『街道の日本史』は今までは飛び飛びの巻をそのとき歩いてる街道で選んで読んできた。今第3巻を途中まで読んでいるので、次の巻が手元にあれば続けて読めると思って買った。いずれ全56巻読破するつもりでいるんだけど、いや、どうなんですかね、これまでにまだ7巻しか読んでないんですけど。

中沢新一は恥ずかしながら(?)初めて読む。帰りの電車で40ページほど読んでみたけど、これは楽しい本ですね!

 甲州道中の高井戸とか新宿とか、矢倉沢往還の赤坂・青山・渋谷など歩いたときに何となく感じたいかがわしさとか古めかしさとか谷底と台地の混交、現代に隣り合わせる昔-それも半端な昔ではないような-とか、そういった「あやかし」の世界の匂いが多くの写真と共につづられている。東京という都市が轟かせている大地の歌を文章に変換したもの、と冒頭に書かれている。わたしもまたこの轟く歌を聴きながら歩いていたというわけか、なるほど、などと思う。


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