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2009-01-29 『中春こまわり君』『かむろば村へ4』 [長年日記]
_ [漫画・アニメ] 『中春こまわり君』『かむろば村へ4』
『中春こまわり君』はときどき雑誌に載っていたのを知っていたのでいつか単行本になると思ってた。
こまわり君は中年となってもいまだに過去の忌まわしい能力を発揮しようと思えばできるのだが、『劇画オバQ』なんかとは違って、自分だけ子供で周りの正ちゃんたちはみんな大人になっちゃった、とはならない。
西条君と同じ会社に勤めて、普通の奥さんとちょっと老け顔のやはり普通の子供のいるサラリーマンとなっている。
”無理のない意外な結末”に向かうストーリの中でこまわり君はワキ役のようにある。主役は老後のあべ先生だったり、老人介護に追われるジュンちゃんだったり。だから、山頭火の恰好で一人旅に出たこまわり君の話は、漫画の中であってもさらに虚構のセレモニーだったということだ。
『かむろば村へ 4』これで最終巻。もっと読んでいたい世界だったんだがなあ。去年の奥州街道行脚で東北弁にも親近感がわいていたし。
作自体も面白かったけど、あとがきがなかなか読ませる。「すべては解決する。思った通りにはならないけれど」というかむろば村。しかしそれはかむろば村の特徴であると言えるのでしょうか?という著者。異界をふいに日常に変貌させるこのあとがきをもってこの物語が本当に終わってしまったのだと感じさせられた。