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2014-06-09 [長年日記]
_ [漫画] ザ・ムーン
文庫版全4巻を入手した。「ぼくらの」を読んでから読んだせいで、最初から物語の悲壮な終劇を予感しながら読むしかなかった。サンスウら9人の子供たちとザ・ムーンの力をもってしても地球の破滅を救うことはできなかった。最後の戦いの前に板チョコを分け合って涙ぐみながら食べるシーンは、俺の大好きだった「ガイコツくん」や「パットマンX」にある善良なジョージ秋山なのだった。久しぶりに泣けた。マンガ読んで泣けてしまうのはこのドラマのせいだけではないかもしれない。梅雨時に入るより少し前から「チャーチルの黒い犬」が姿を現し始めていて、今も俺の尻に喰らい付いて離れようとしないのだ。まあなんというか、こういうときはもう仕方がないのかもしれない。だが、チャーチルに限らず、この黒い犬に喰らい付かれながらも偉大なことを成し遂げることのできたものも多くいるのだ。
_ [読書] 「マテオ・リッチ 記憶の宮殿」ジョナサン・スペンス著吉田訳、平凡社、1995./「ハンニバル・レクター博士の記憶の宮殿」リチャード・マクドナルド著、関訳、夏目書房、2001.
例によって和訳は絶版だが原書のペーパーバックは手ごろな価格で入手が可能だ。上記のように黒い犬に噛みつかれているので、仕事をそこそこにして、黒い犬に噛まれながら、川崎の図書館に行って借りてきた。最初の20ページくらい面白かったら原書を買うつもりだ。なぜこれを読もうとしているかというと、そのきっかけは先日のSHERLOCK3最終回だ。シャーロックも利用しているのだが、ヨーロッパの歴史ある記憶術である「記憶の宮殿」に興味が出たからだ。「記憶の宮殿」のことはSHERLOCKより以前、小説版の「ハンニバル」で知った。頭脳の中に、記憶と関連付けられた建築の内部構造を構築することで、記憶をイメージ化して固定化する方法だ。SHERLOCK3最終話には、この「記憶の宮殿」をシャーロック以上に十分に活用することのできる人物が登場する。ハンニバルの場合はこの宮殿に耽溺することによって現実の肉体的苦痛から逃れることさえできる。そういうわけで、図書館で検索に引っかかった「ハンニバル・レクター博士の記憶の宮殿」も一緒に借りてきた。たぶんどっちも全部読まないで返すんだと思う。俺の[読書]カテゴリーの記事は、「読んだ」という記事よりも「買った」とか「借りてきた」とかいう入手の記事の方が圧倒的に多いんじゃないかと思う。昔からテストが迫ったりして不安になると参考書を買いあさって勉強自体には身の入らない性質だが、このような行動はトランキライザーでありまた意欲のバロメーターでもあるのでもうこの年になるとそれで積読の積載量が増えることにはいささかの後悔もない。全部記憶の宮殿に所蔵しておければ俺の部屋はすっきりするんだろう。書斎のでかい本棚がだいぶ歪んできていてちょっと危ない状況。もうこんな棚いらねえ、カラーボックスを組み合わせて使う方がよっぽど有効だ。それでいいんだが、どうやって入れ替えていけばいいのか。入れ替え問題を効率良く解くためにはバッファとなる空間的余裕が十分なくてはいけない。メモリがたくさん使えると速いアルゴリズムをつかうことができるのと同じこと。言ってても仕方ない。この、尻に喰らい付いた黒い犬がちょっとは役に立ってくれれば良いのに。だがそれを期待することはできない。