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けいりう堂日記

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2014-06-17 [長年日記]

_ [読書] 「ヨブ記講義」内村鑑三、岩波文庫、2014/「ヨブへの答え」C.G.ユング、秋山訳、ヨルダン社、1981/「ヨブ記」関根訳、岩波文庫青、1971.

3冊枕元に並べてそれぞれ少しづつ読んでいると、ユングはともかくとしても、この書が苦難にあった人間にとって大いなる慰めとなるための境界条件があるということに気づいた。旧約聖書の世界において、内村は苦難に3種あると説く。1は罪の結果として起こるもので、因果応報ともいうべきものである。2は神の懲らしめのためのそれであって、ゼウスの雷に類するものである。3が難しい。これは、信仰の試しのための苦難である。ヨブを慰めんとしておとづれた三人の友がかえってヨブを苦しめたのは、この第3の苦難のことを知らなかった当時の神学の限界なのである、と内村は解く。それに従うのならば、ヨブの苦難とその贖いの物語によって慰められることのできるのは、ひとえにその信仰を貫く人々だけなのであって、その前提となる信仰を持たぬ俺にとっては、彼の苦難に同情を覚えることはできても同じ慰めや贖いを得ることはできない、ということになる。彼らは言う、信仰の扉はいつも開かれているのだと。だが俺はむしろ意固地になってこう言うだろう、俺には神と言う仮説は必要ないのだ、と(ラプラスがナポレオンにこう述べたということだが、出典がわからない。後世の府会であるかもしれない)。いっそ、どのようなものであれ、苦難ははじめからこの世界に満ちているのだと言われる方が俺にはわかりやすい。この世界は苦渋に満ちており誰もそこから逃れることはできない。信仰篤き者にも篤からぬ者にも等しくそれらはおとづれうる。それは正しさを試されるものではないが、信仰の篤いものならばそれを試として受け入れることだろう。ではそのような試練ということを仮定しない者には苦難に対する慰めを得ることができないのか。俺にはさらにたどるべき道があるように思われる。


_ 思い悩むことの多い日常の中にあってもささやかな慰めは与えられるものと見える。今朝がたの夢の中で俺は見知らぬ土地を旅しており、珍しい土地の食べ物を手に入れたり、絶望的に宿の取れそうもない岩屋の集落の中で思いがけぬ歓待を受けたのだった。この夢の中の旅は、本当の旅と同様に脳内にβエンドルフィンを幾分か分泌させたようだった。目覚めるとともに何も状況は変わっていないことに思い至る他はなかったのだが、そういうこともあるのだと気付いた。


_ 回文思いついた。「茄子ですな」

も一つ思いついた。「夏のツナ」

「鉈は棚」「肩に鷹」「滝に来た」こんなんいくらもできるわ。

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_ うにゃ (2014-06-19 21:23)

是非安全標語にも回文を!

_ けい (2014-06-19 23:36)

幹線雨止め、安全か?(かんせんあめやめあんぜんか) <br>だめだ! <br>こんまけわたしのにきび!つちのこ!たけむらたつや! <br>Log6コンマ2マイナス3Z!


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