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2005-11-25 [長年日記]
_ [読書] 『武蔵野』
4週間図書館から借り続けている『北海道交通史』(ちゃんと延長手続きしてます。この頃は横浜図書館ではインターネットで手続きできるから楽ちんだ)をそろそろ読み終えるのだが、次に読むべき、と思っている本は目白押し。なのにまた新たな一冊を買ってしまった。それが国木田独歩の『武蔵野』(新潮文庫)。この中に収録されている、『忘れえぬ人々』の舞台は、一応矢倉沢往還の溝口宿になっているということを最近知ったゆえ。この作品は余り長いものではなく、博多や阿蘇を旅した頃に風景と溶け合って忘れ去ることのできない心像を主人公に残した人々を称して「忘れえぬ人々」と言っているもののようだ。北海道歌志内のことも僅かに現われる。
私の故郷は空知川という川のほとりであって、そこに国木田独歩がおとづれたらしく、文学碑が建っている。何が刻んであったのか、記憶に無い。いずれそれをたづねに行くことがあるだろう。そのときは故郷を懐かしむという想いでなく、一人の旅人として新鮮な目で驚きをもって、懐かしいはずの風景を眺めることになると思うのだ。