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2005-11-09 [長年日記]
_ [郷土史][交通史] 「伯母様」というバス停。
仕事の関係で数理経済学にヒントを得るべく図書館に出かけた。が、目指すものがそこにあるかどうか、良くわからない。やはり経済学は基礎からやろう。そのために放送大学で履修しているのだから。
『近・現代交通史調査ハンドブック』に、『全国乗合自動車総覧』(鉄道公論社刊、1934)という、出版当時営業していた全国のバスに関する資料の事が出ていたので、OPACで検索してみると、所蔵されていた。枕にするにもちょっと厚すぎるくらいの本。ぱらぱらとめくってみる。車種はシボレーが多いとか、2台くらいのバスで10km程度の運行を行っている個人事業などが多く見られる。旅客のほかに物品輸送を業としているものも多く見られる。バスの交通史は中央集権的でないから資料を見つけるのはむずかしいようで、この本が見られると言うのは貴重なことなのだそうだ。
私としては、バス停の名称に古来の地名が残存しているのを各地で良く見受けることに興味を持っている。これまでに見たうち最も印象に残るバス停の名前は「伯母様」。以前大山に登ってから鶴巻温泉に向って下っていったときに見つけた。近くを犬を連れて散歩していた男性に、「なぜ伯母様?」と尋ねたが、わかるはずもないのだった。後日「VOW!」にネタとして載って全国に紹介されていたのを見た。私は「おばさま」←「うばさま」←「姥様」と、奪衣婆を祀る堂がその辺りにあったのではないか、などと想像している。その後も気になって、ある日『かながわのバスマップ』という県内のバス路線を地図に示した冊子があるのを知って購入したもので、2000年3月発行,1800円。「伯母様」は神奈川中央交通・伊16系統の停留所である、などということがこの冊子でわかってしまうわけですね。こういう本が各都道府県にあって欲しいと思うのです。
と、ここまで書いていて、「伯母様」に関しては伊勢原市の市史を参照すればもっと詳しいことがわかるのではないのかと気づいた。それに現在ゆるゆると進行中の矢倉沢往還のウォーキングでいずれ近くを通るではないか。246号から北に2kmくらいあるけど。なんだか楽しみだ。伯母様、元気かなあ。
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追記:書いてからインターネットで調べてみたら、どうやらその辺りを所領としていた後北条氏の家臣の伯母様が住んでいたところ、というのが当地に伝わる伝承のようですね。