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2025-03-10 [長年日記]
_ [読書] 『はじめての短歌』穂村弘、河出書房新社、2016(河出文庫)
戯れ歌と言いながらもせっかく始めた事なのだから少しは学びがあっても良い、と思ってその手のものを読み始めている。何かの時に書いた事なのだが、新しい事を始める時にその手の本を買って読むことは最もリスクが少ない投資なのだ。それに大人なんだから、自分に合わない本は最後まで読まないでどんどん自分に合うものを探しに行けば良い訳です。と言う訳で穂村さんの本を読んでる。この歌人の名は「ラジオ深夜便」で知ったと思う。ラジオだから音だけしかわからないので、「穂村」と書くとは思わず、「炎」と書くのだと勝手に思い込んでカッコいい名前だなあ、と思っていたので今はちょっとガッカリしている。いや勝手な思い込みでガッカリとか言うのでは穂村さんに悪いな。で、この本を読んでいると、ほとんどの作例は無名の人々の手になるものなのだと思うのだが、中に「雨だから迎えに来てって言ったのに 傘も差さず裸足で来やがって」という女性の詠んだ一首に爆笑しております。もう夜中なのに。ここまでで半分以上読んだことになるが、この本に挙げられた作は全て所謂「人事詠」とか「生活詠」いうもので「自然詠」と呼べるものは無い。自然詠を詠むためには自然に触れねばならないのだから現代においてはその数が少なくなってしまうのは已む無いことではある。
追記。「銀杏を食べて鼻血が出ましたか ああ出たねと智恵子さんは言う」。ぎゃははは。穂村さん、何でこんなのばっかり取り上げるの。面白いからか。面白いよな。しまった、この本入門書とかじゃなくて、初心者が詠んだ「はじめての短歌」はこんなにも面白い、というのがテーマの本だったのでは…
訂正。 作例の作者は必ずしも初心者という訳ではなさそうで、歌集を出している人もいるらしかった、参考文献を見ると。
結局全部読んでしまった。