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2015-01-25 [長年日記]
_ 日付変ワッと驚くワットさん(プリンプリン物語)。
_ [音楽] ”Love me, please love me”(「愛と青春のトルバドゥール」)、Michel Polnareff.
トルバドゥールとは雑に言えば中世ヨーロッパのシンガーソングライターと言ったところだろうか。これはミシェル・ポルナレフのデビューアルバム。ジャケットに写されたミシェルの顔には、なんとサングラスが無いのである。中学の時ラジオで聞いて以来ずっとファンを自称しているが、ミシェルの声は今もこの時と同じ若々しさではないのだろうか。トランジスタ・ラジオで聞いた"Tibilli"(『僕はロックンローラー』)のファルセットは中学に入りたての頃の俺を完全に打ちのめした。"Kama Sutra"を1990年に聞いたときは時の流れや世界の変化には関わりなくミシェルはミシェルであり、素晴らしいミシェルであったのを再発見して大変驚いた。すでに英語で歌うことへの意識も見えている。この1966年のデビューアルバムは初めて聞いた。そして、このアルバムにおいてミシェルがその後どういうミュージシャンとなっていくのかがかなりの部分語りつくされているように感じた。つまり、最初からバラエティに富んでおり、英語文化への憧れが強く、声が素晴らしく、そしてイケナイ人、ということだ。このアルバムに無いのは、コンセルバトワール(パリ音楽院)で研鑽したであろう作曲法の発揮されるインストルメンタル作品が無いことくらいだろう。後年いくつかの映画音楽を担当する際にこの才能は如何無く発揮されることとなる。
_ [漫画] 「紫電改のタカ」ちばてつや、1963−1965.
このマンガを初めて読んだのは小学校の頃で、まだ貸本屋が存在しているような時代だった。その貸本落ちしたカバーも無い途中の巻だけが1冊あって、導入も最後も知らないままでざっと40年くらい経っていた。今も文庫版で読めるというのが名作の証拠と言えるだろう。そんなわけで今回改めて読んでみた。尻切れトンボといえるようなラストだった。作者ちばてつやの戦争への否定的な見方が作品の終盤に大きく押し出され。主人公・滝は日本の敗北を確信した時に教育の重要性に気づき、先生になる決意をするがその直後に特攻の命を受けるのである。反戦的な問題意識を醸成するページ数も無いままに主人公・滝に好物のおはぎを持参する母と幼馴染の信ちゃんが列車の中で談笑するシーンで終わる。そういう漫画だった。ちばてつや作品の中にも死ぬまでに読んでおかねばならないものがたくさんある。「あしたのジョー」だって、ほとんど読んでない訳だし。