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2020-01-21 [長年日記]
_ 年が明けても何だかやる気が起きずに、ずっと積読を読み崩していく生活に浸っている。こういうのも良い、と思ったのは、魔窟からサルベージして読む本読む本面白いということだ。まるで読む前からすでにその本が面白いことを知っていたかのようだ。で、今読んでるのはデズモンド・モリスの『裸のサル』というもので、1967年に書かれて世界的に読まれたもの。人間を類人猿の一種と見ると、いかに奇妙で後天的に取得した性質と古い類人猿の性質がせめぎ合っているかということに気づかせてくれる。で、実は同じ作者はこの書の30年ほど後に『舞い上がったサル』という本を書いているらしい。1967年に書かれた内容が現在も正しいということなどあり得ない。新しい学説によって何が確かめられたのかを比較しながら読めるということは幸運なことだろう。本は必ずしもそれが出たばかりの時や売れた時期に慌てて読むべきものとは限らないのだ。今やあらゆる古い書籍は様々な方法でそれらが出版された頃よりも接しやすくなっているのだ。それにしても、私達が何故『裸のサル』となったかを説明する一説である水生類人猿説には怪しい魅力がある。