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2008-03-26 「その歌は私が作ったのです」 [長年日記]
歌詞の一部は製作側の事情によって変更されている。歌ってみればわかるだろう。その前後で移入すべき感情がちぐはぐであることに。その人はその歌を書いたとき、多感な年頃であったのだが、このようにして自分の歌うべき歌を一部失ってしまったらしい。
それ以来声が出ないのだ。それに、その歌を歌おうとする人はきまってその歌詞が覚えられないのだ。
ロックンロール・ピープルは幸せだ。彼らの歌を制限する何物もこの世界にはない。制限の中で歌う歌はロックではないからだ。
この十年来、音痴の歌姫が海辺の岩の上で歌い続けている。彼女の声は想像を絶する美しさだ。なのに人の理解できるような旋律を奏でることはない。あのプチト・クロワの物語を僕はいつかなおざりにしてしまった。引っぱり出して読んでみようか。