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けいりう堂日記

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2008-03-04 「経済物理学の発見」高安秀樹 [長年日記]

_ [読書] 「経済物理学の発見」高安秀樹

スキューネスリスク、という言葉がある。ガウス分布(ちなみにガウス分布に初めて言及したのはフォン・ミーゼスという人だそうな)に従うと仮定することでいろいろと美しい演繹ができるわけだが、現実にひずんだ分布が生じていると、いろいろとリスクが生じる。そのことが少なくとも僕の仕事には深刻な影響を与えている。

この本の著者は学生時代にフラクタルに触れたときになじみ深いのだが、この本の中に市場の失敗などに関することがらがたくさん書かれている。

そろそろ来年度の計画を立てるべき時期。成果主義の昨今、こういうことを目標に掲げると達成できなかったときの責めが厳しいから隠れてこそこそ調べるのが中吉というところなんだろう。

こないだの学会のまとめ、まだ終わってない。原稿をリファインして提出しなくてはいけないわけで。スキューネスリスクという言葉を書くために、マンデルブロのペーパーバックを注文した。リファレンスに挙げるときは、必ずそれに目を通すのが誠意というもんだろう、なんて。


2008-03-05 横浜中央図書館に。 [長年日記]

_ 会社帰りに突然使命感に目覚めて、中央図書館に行った。数理科学系の本を漁って、五冊ほど借りてくる。最近読み始めた経済物理学に関連して、ついにわたしは意図的に避けていたカオス理論を紐解こうとしている。あとは最適配置の参考書。これは応答曲面法とともに発達した分野のようで、今までよく使っていた実験計画法と少しおもむきが違う。

春なのだな、と思う。もうすぐ春分だし。

最近連絡が取れなくなった人がいて気になっている。いろいろと不幸なことを想像してしまったりする。このブログのことを知っているはずで、たまに見ていてくれたらいいのだけど、などと思ったり。


2008-03-06 県立図書館・経済物理学 [長年日記]

_ 出張の事後処理がいろいろあって仕事の本分に肉薄できない。イベントが終わっても終わらなくてもアタラクシアを失っている私。



しかし昨日同様、或る使命感を抱いて県立図書館に行き、2冊の本を借りる。 経済物理学の良い教科書はどうやら、モンテーニャとスタンリーの書いたもののようだ。これは県立はもちろん大学の図書館にもあまり置かれていない。ペーパーバックで9000円くらい。うーん、買うとしたら旅費の精算が終わってからだな。スタンリーという名前は私には懐かしいものだ。学校にいたときにはこの人の書いた臨界現象の本をずいぶん参照した。臨界点近傍のゆらぎの増大とか見る尺度を変えても見えるものが変わらないとかくりこみとか。 和訳が出版されたのは大学を出た後だったと思うが、これももしかしたら今は絶版になっているのではないだろうか。

先日の高安秀樹先生の本には、ミクロとマクロをつなぐ方法=くりこみ変換 と書いてある。昔大学にいたときにもたぶん認識していたのだけど、問題が経済学になると、いかにもなるほど、と唸ってしまう。他にも高安先生の本にはいろいろ驚かされる記述が多い。

今気にしているのは、品質を制御する方法に対してこういったアプローチがありうるのではないか、ということ。検査の確からしさと関連させていろいろ考えてみたいと思っているのだった。たぶんそれは私には必要な知見なのだ、と思う。しかしそう思った瞬間に、たぶん同じことを世界で5人は考えている。

2008-03-07 深残の日。 [長年日記]

_ ちょっと遅くまで会社にいてしまう。出張中に溜めたもろもろの整理。

QQプロットという正規分布からの外れ方を表現するグラフの描き方で同僚ともめる。

帰宅後に確かめてみると、正規確率紙プロットと、そうじゃないのとある。結構初歩的な知識不足のようだけど、統計ソフトにRをつかってるかエクセルを使ってるかの違いというのも如実に表れていた模様。やっぱなんにもわかってねえよ、おれ。


2008-03-08 またしても昼から蕎麦屋で。 [長年日記]

_ 昼から蕎麦屋で飲む会。昨年末から3回目。今回は女性ゲストが参加。

同じ面子で飲み続けるというのも3度目くらいからすでにマンネリになりつつあり、店のメニューもあらかた食いつくした。これからどうなるのか。酒から離れたがっている自分、というのもここにいる。


2008-03-09 寝て曜日。 [長年日記]

_ 寝て曜日。懐かしいフレーズですが。

昨日の酒も残ってるみたいで昼間も夜も随分と寝てしまう。

やることはそれなりにあるんだけどね。

枕もとにある「ヨブへの答え」もいま一つ読み進まず。12章〜13章。ヨハネの黙示録、そういえばちゃんと読んでないような気がする。


2008-03-11 カスタム計画 [長年日記]

_ 家でも会社でもトライアル版の統計ソフトをインストールして、カスタム計画と呼ばれるものをやり始めようとしている。でもインストールしただけで今日は終了。

「統計学を拓いた異才たち」読み続けている。フローレンス・ナイチンゲールはパイチャートの発明者だったらしい。


2008-03-12 梅咲いた。アネモネも。バラもそのうち。 [長年日記]

梅の花 庭の梅が咲いてます。
アネモネ アネモネのつぼみも。明日は開いてるかな?
薔薇が咲く…のかな バラも復活。
庭はほったらかし。実は見るに見かねたお隣の奥さんが暇を見て何かと世話してくれてるんだった。良くお礼しとかなくちゃ。。。特にバラは枯死寸前のにマルチングとか馬糞をあげてくれたりとかいろいろしてくれてた。

丸裸の山椒も芽吹きだした。ニシンの山椒漬けでも漬けたらおすそ分けしようか。 しかし私の如き者の手作りの食物なんて、胡散臭がられやしないだろうか。。。


2008-03-13 TeXとの格闘続く。 [長年日記]

_ 先日投稿した論文の手直し。絵がマージンをはみ出していた。電子投稿のシステムはこまごまと手直しができるのでいいな。

論文書くときはもう5年くらいTeXを使っている。

仕事がらみでやっている文献調査をまとめるのにbibTeXを使おうとしているが、印刷フォーマットをどうやってカスタマイズしたらいいのかいまいちよくわからない。文献リストから1ページに2件ずつ、枠組みの中にはめ込めるようにしたい。古式豊かなカードシステムを意識してるわけですね。

今でもカードシステムは多少使っている。さすがに馬齢を重ねて、こんなこと昔やったっけ、という記憶も結構忘れてしまっていることが多くなった。


2008-03-15 鼻と眼が。 [長年日記]

去年はほとんど気にならなかった花粉症が今年はキツイ。ウォーキングを正月以来してないせいもあるんだろうか。 持ち帰り仕事に手をつける気はまったくしない。寝たり起きたり何年もやりかけのままのファイナルファンタジー8をちょっと進めてみたり。 夢の中で知人たちに警鐘を鳴らされて、少しだけ向き合ってみようという気になったり。

お風呂に入ってちょっと楽になった。

2008-03-16 TeXとの格闘は今も続いている。これからも、たぶん。 [長年日記]

_ 文献調査の結果をまとめようとして、bibTeXをハックしようとしたが、とても手を入れることができない。結局手入力してしまうことに。

bibTeXのデータベースから、A6のカードにぺろっと印刷できるような仕組みを作ってみたいなと思っていたのだったが。データの一元管理なんて、永遠の夢みたいなもんだな。しかもエクセルとかアクセスとか使いたくないわけで。Visual Cは使い方ほとんど忘れたし。文字列処理が必要だからperlがいいかなとか。。。

文献データはどこかのサーバーに入れておいて、cgiを使ってカードに整形して出力、というのがまあいいのかも知れないな。きっとbibTeXのハックも、文献のアブストラクトをTeXに出力しないようにするくらいはできるだろう。


2008-03-17 こないだの学会の報告、の準備その他。 [長年日記]

_

こないだの学会の報告会があるので準備してる。

ぜんぶで160件くらいあって、何がどうだったか覚えてないのが多い。

でも、まとめをしてるうちに次第に思い出してきた。

どうしても思い出せないのもあるし、居眠りしてしまってたのもあるけど。

メモに「しまったいねむりしちまったよ」としっかり書いてあるのもあるし。

ヨーロッパのとある工場のとあるシステムに良く出来てるなあと思うものがあった。そういうものを作るのに必要な情熱とか理解とかリソースとかが想像できていない自分に気づく。これを如何せん。


2008-03-18 報告会とフォロー会とパーソナルデータベース。 [長年日記]

_ 報告会はちょっと話しすぎてしまったかもしれない。が、扱う件数が多かったからやむなしかな。

午後はフォロー会。今期はめぼしい成果がない。しかたなし。あと二週ないけど報告書くらい書くかな。

文献調査の結果のまとめ、久しぶりにperlを使ってみようかなと思い始めた。 入力フォームを作ってブログの記事入力みたいにテキスト入力したら、サーバーサイドでTeXかbibTeXのフォーマットに整形して、その後pdfにしたり、ホームページからの指定で必要な文献情報を取り出したり。 こんな感じで自分の文献データベースを作れば、それは今までに失敗しつづけたカードシステムをしのぐ知的生産のためのパーソナルシステムになるのではないか?

カードシステムの欠点は続かないところにあるわけだが、ブログはこれまでに1300件を数えるくらい入力し続けてる。まあ読んでくれる人の反応というゆるやかな強制力のせいもあるのだろうけど。それと、自分とのコラボレーションのために作ったいくつかのWiki。こちらの方はブログほどの更新はできてないけど、やはりゆるやかにノウハウが蓄積されつつある。

どちらも、PCがネットにつながっていさえすれば比較的簡単に更新と参照ができるのが継続できる理由なのだろう。カードシステムは、システムとしては実は脆弱な部分も多い。カードがばらばらになればデータが散逸するし、紙の並べ方とかタグをつけるとか穴をあけるとかいう物理的な検索や分類は時間がかかってしまうし間違いを起こす。何よりも、データ形式が統一的にならない危険がある。書いてるうちにカードのフォーマットが気に入らないとか項目を変えたいとか。鉛筆で書いてあったりペンで書いてあったりという表現の不統一も、参照する側にとっては不都合だ(そう思って、カードに記入するときはつねにロットリングを使う、みたいなことも昔の自分はやっていたような気がする)。

仕様考えてちびちび作り出そうかな。明日休みにしたし。

2008-03-19 パーソナルデータベースへの道。 [長年日記]

昨日思いついたパーソナルデータベースシステムなんだが、そのままの姿で今借りてるレンタルサーバーに実装するのは無理だと気付いた。

TeXが使えるレンタルサーバーなんて、あるわけない!

すると策は二つ。 1)自作サーバーをつかう。  しかしこれだと作業は自宅に制限されてしまう。サーバーをネットにつなぐという手はある。光常時接続をしている現在は不可能な選択ではない。けど、セキュリティ関連のスキルはないに等しいから管理上は大問題。それに、僕が使ってるOSはLaser5 Linaxなのだが、新しいディストリビューションは無くなって久しいようだ。うむむ。

2)TeX・BibTeX文書まではサーバーサイドで扱えるから、このレベルでとどめる。htmlとCGIを使って検索・編集等をやる程度にとどめる。  本当はHPからのリクエストに応じてpdfを出力するようにしたかった。サーバーでTeXが使えるなら、その方法は奥村先生が公開しているというのに。とほほのほん。

まあしばらくは2)で行くことにしよう。これだってデータベースの根幹部分に違いない。必要な文献情報を抜き取ってそのTeXファイルをサーバーサイドで生成して、そのファイルがダウンロードできれば、そのあとは自分のPC上のTeXシステムを使ってdvipdfmすればいいという。。。

でももう少しましな方法はないのかな? 続くかも。

2008-03-20 namazuをインストール。 [長年日記]

_ パーソナルデータベースシステムを作るべくいろいろ模索してるが、ずっとやってみたかったのは、レンタルサーバーに全文検索システム"namazu"をインストールすること。で、今日やった。UNIXの知識とかほとんどなくてもWebの助けでどうにかなるというのが今のいいとこですね。パスの指定の仕方とかに戸惑ったけど、一応自分のHPの全文検索が可能になった。

しかし、僕のHPはフレームを山ほど使っているので、検索されるページはフレームの切れっぱしが多かったりする。このへん、どうしようかなとも思うけどどうもしないかも知れない。

それよりも次のステップは、これを使ってpdfファイルを検索するようにすること。こうなってくると、サーバーの容量がもっとたくさん欲しくなってくる。


2008-03-21 乱数が無い! [長年日記]

_ モンテカルロシミュレーションをしようとしたら、乱数を発生する関数が無いことに気づいた。

一様乱数から任意の分布に従う乱数を生成する方法というのはそれなりに注意して作らなくてはならないんだった。Rの持っているたくさんの確率分布関数には必ず、そして質の良い乱数関数が付属していたので、自作することに思い至らなかった。

会社の女性がケーキをおもってくれた。ラーメンケーキ。これはモンブランのこと。子供の時そう呼んでいた。これが今は一番好き。

2008-03-26 「その歌は私が作ったのです」 [長年日記]

その歌はあるテレビ番組の主題歌だった。その人は声の資質に加えて(しかし多分その声の資質ほどには評価されていなかったであろう)作詞の才を買われ-正に買われたのだ-、そして或る契約がなされたのだった。

歌詞の一部は製作側の事情によって変更されている。歌ってみればわかるだろう。その前後で移入すべき感情がちぐはぐであることに。その人はその歌を書いたとき、多感な年頃であったのだが、このようにして自分の歌うべき歌を一部失ってしまったらしい。

それ以来声が出ないのだ。それに、その歌を歌おうとする人はきまってその歌詞が覚えられないのだ。

ロックンロール・ピープルは幸せだ。彼らの歌を制限する何物もこの世界にはない。制限の中で歌う歌はロックではないからだ。

この十年来、音痴の歌姫が海辺の岩の上で歌い続けている。彼女の声は想像を絶する美しさだ。なのに人の理解できるような旋律を奏でることはない。あのプチト・クロワの物語を僕はいつかなおざりにしてしまった。引っぱり出して読んでみようか。

2008-03-30 漫画の日(夕方から) [長年日記]

HDDレコーダーの録画を整理してたら、ちょっと前に東映チャンネルでやってた「最終兵器彼女」を見たりしてしまう。舞台が小樽と思しい場所で、故意に使われている北海道弁にもなんとなく惹かれて、夕方原作の漫画を買いに行く。 小樽の地獄坂の上から見る海辺の風情。ちせとシュージのラブシーンの場所は旭展望台だろうか。彼女と行ったわけではないが、私にとっても懐かしい場所なのだ。この場所は切ない思いを抱く人を招く場所なのかも知れない。坂の下に海が広がる風景はどこで見ても素晴らしいものだ。まして故郷の地にあるなら、なおさら。

「ノエイン」は函館が舞台だった。街の中を当たり前みたいにロープウェイが行き来して。湯の川のあたりの寂しげな風情。市場の道路にはイカ踊りを指南するタイル。

小樽の女性は、毎日急坂を上り下りするためたくましい足を持っている。 真冬の坂道で転んだら、そのまま海まで転げ落ちていく。 蔵を利用した建築の数々。 三角市場で買い求めて腐らせてしまったカジカの類。 古代文字。手宮の鉄道。運河。埠頭のカモメ。

また行きたいんだ。きっと、その時もまた誰にも告げずに。

2008-03-31 箇条書き:今日の出来事。 [長年日記]

_ ・「最終兵器彼女」7巻まで入手して読了。世界が終る。

・マンデルの回帰計算のエクセルシート作る。VBA久しぶりにいじった。クールじゃないよ、ね…。共分散の定義、Rと違ってた。

・スキューノーマル分布を一般化した分布関数の乱数をどうやって作ろうかと思案。どうやら棄却法ですっきり作れるみたいだった。

・桜木町駅のそば屋でそば二杯食べる。この店大盛りを出さないから最近はお稲荷さんとかおにぎりとかを取らずに二杯食べることが多い。麺はともかく汁がうまい。鶏肉そばが一番好き。

・冬に戻ったように寒い。雨があがってますます寒いみたい。


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