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第4回(98/06/20)

箱根湯本―三島 〜箱根越、愛は不死鳥〜

 

<introduction−天気は上々−>

今週も続きを進むゾ!と息巻いていたもののT急K名駅出発がAM11:00である。なに、箱根湯本までそんなに時間が掛かるもんじゃない。運賃1100円だって安いもんだ。
 今日は良い天気だが、足には昨日買ったライケルの完全防水登山靴。足慣らしにこれを履いていこうというのだった。今日は関所越えがあるけど通行手形なんて持って無いぞ、どうしよう!なんてワザと心配してみたりして。昼も近いから大船で鯵の押し寿司を買って東海道の車内で食べるんだ。ヤボ天丸出しでいいなあハハハ。
 これが
抜け参りの四回目。

<98/06/20 13:30>

箱根湯本について、珈琲を一杯。出発点につくと気分が変わる。今日は神奈川を抜けて静岡に入るため、愛用の「ウォーキングマップル神奈川」がもう使えなくなる。大丈夫、二万五千分の一の地図を持ってきたンだから。この先これを何枚分歩くことになるのだろう。
 早川にほぼ沿って峠を登って行く。石畳の道を行くのだ。以前芦ノ湖から戻ってくる時は足をガクガクさせながら半ば走りながら降りていったが、今回は登り。しかし登りの方が足腰への負担が少ない。とは言え…登りだ、よいしょ…登山靴を履いたからといって、うんしょ…普段のスタミナの無さが、ふうふう…カバーされる、ひいひい…というもんじゃ無い。畑宿の辺りでバテた。ヒトはこう言うときに禁煙を決意するのであろうが、ワタシはそんな無駄な努力はしない。
 畑宿でウーロン茶を飲んでクールダウン。少し休むと気力充実である。次の目標は甘酒茶屋。


昼なお暗い石畳

<16:00>
甘酒茶屋で一服。休憩所でお茶をもらって休みつつ、それにしても晴れてて良かった、雨だと石畳は危険だからな、と考えていた。先週のマメだって完全に直っているわけじゃないし。しかし一度潰れてしまえばマメなんて万瘡膏を貼っときゃ全然OK。問題は、これからの夏の盛りに向かってどのように暑さ対策を施すかだ。なにしろ横浜に住むようになってから毎年夏バテしてるんだから。

<17:00頃>
芦ノ湖が木々の間から見えるところまで来た。そろそろ日暮れの予感である。芦ノ湖が見えると、先週の箱根観光のときに早雲山ロープウェイが大風のために大涌谷辺りで揺れに揺れて、乗り合わせていた女性客が騒いでいたのを思い出した。以下ワタシの回想…
 ロープウエイとは綱一本で釣られているキケン極まりない乗り物なのだが、乗るまではその事に全く思い至らなかった。しきりと揺れる中40代半ば辺りの女性が「
ほらほら、下を見なさい」と連れの60代後半位の女性に言うんである。言われた年上の女性は「イヤだョ、コワイから…」とカワイらしく下を見ないようにしてるのだが、「いいから見なさいってば、めったに見られるもんじゃないんだから。」なんて自分もコワイ癖して余計なコトを言うんである。と、ここで風が吹いてかなり横揺れした。すると、この女性「うわ!コレ(すぐそばに見える支持塔)にぶつかりそう!」やめなさいってば!アア、乗らなきゃ良かった…
 関所も無事通過。ひところと違って役人が優しくなっている(虚偽)。杉並木を歩いていると写真を取ってくださいというお姉さんがいて、ちょっとうれしかった。そのあまり向坂の石畳への入り口を見逃した…


芦ノ湖畔付近の街道の表示

<18:00>
箱根峠もそろそろ下りに差しかかる。まだあたりは明るい。道の駅を過ぎて、ここらで夕食を食べておかねば必ず食いはぐれるであろうと思い至る。県境を一人ガッツポーズで通り過ぎると、トラック野郎の溜まり場、ドライブインが見える。よし、ここだ。
 ビールは後の楽しみにするとして焼肉定食を注文すると、客がまた一人入ってきてワタシの背中側のテーブルに座った。缶チューハイを飲んでいるらしい。と、店員がなにか背中の客と話している。「…スミマセンねえ、お休み中に…」などと言っているのが小耳にはさまる。話の感じからどうやら著名な人のようだ。焼肉定食を食べているうちにその客は出ていき、外のトイレに向かう。小柄な人物だな…と思って窓から見ていると、店員が「ふせサン」だと教えてくれた。そうか!布施○さんだったのか!色紙書いてたんだな、さっきは。勘定をするときにその色紙を見せてもらうと、

の帰り

と書いてあった。「ゴルフの帰り」と読むのである。この辺、ゴルフ場が多いんである。ワタシが「愛は不死鳥」をくちづさみながら峠を下りて行ったことは言うまでも無い。夕日の色を背景に富士山が聳えている。三島は富士の高嶺に降る雪の解けて流れる地である。三島女郎衆の化粧水、美人が多いとは真か?
 
山中城跡を過ぎると辺りは暗い。国道沿いといえども街頭の間隔が広いのである。国道1号線は歩行者のための道ではない。しかし!こう言うときのためにダブルヘッダーのライトを持っているのだ、ワタシは。それにしても次第にさむしい気分になってくる。思えばこんな気持ちも、旅の心なのだなあ…きっと旅人とはこんな気持ちをもこよなく愛する人なのだろう。

<21:00>
三島(第十一宿)は初音台という辺りに着いて、宿はこれから探すのだが、ひとまず珈琲ショップで休憩である。ホテルガイドを見てα-1というところに決定。三島駅に向かっていくと、名にし負う三島大社の前を通る。明日は観光だな。街の中には到るところに富士の融雪が流れる綺麗な川があり、家の軒先を流れている。古風な宿屋も数件見えるが、泊りはビジネスホテルである。食料とビールを買い込んで、チェックインしたのは21:50であった。新たなマメは出来ていない。良い感じだ。翌日は楽寿園に行って、三島大社に行って、その後ついでに伊豆箱根鉄道に乗って修善寺で温泉だけ入ってきたのだが、ちょっと遊び過ぎだろうか?

<お土産>

三島郷土館で購入した三島ゆかりの絵葉書。


三島大社ではヒトの
結婚式を覗き見したり
した。画像は会社にお
土産で買っていったゑ
びす昆布の袋。

 

<脚注>

1.先週のマメ…第3回参照。<戻る

2.大涌谷辺りで揺れに揺れて…結局この日、ロープウエイは風のために運転を中止した。<戻る

3.ダブルヘッダーのライト…東海道は国道沿いであるからといってバカにしてはならない。其処には様々なキケンが待ち受けているのだ。「ゴマの蝿」とか(そんなわきゃないか)。ダブルヘッダーとは前方と足元が同時に照らせる懐中電灯なのである。<戻る

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