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2007-03-27 発明の基本。 [長年日記]
_ 技術系の研究開発をしている人には業務発明という義務が課せられることが多いと思う。期に何件と言うノルマを課せられたりするわけで、わたしもそれなりに提案をするのだが、この年になって基本の基本が身に入っていなかったことが判明した。
それは、発明は自然法則を利用してなされねばならないが、自然法則そのものは(たとえそれが新たに発見されたものであっても)発明とは認められない、ということだった。
別に大した発見をしたわけじゃないんだけど、普通特許提案をするときに気をつけることと言えば、侵害発見がしやすいかとか、従来に類似した技術が無いか、とかいうことがほとんどで、それが発明として認められる基本的な用件を満たしているか、なんてことには(自然法則に逆らっていないことをチェックするのはもちろんだけど)あんまり気をつけないんだよなー。
でもそんなことを入社したての頃に教育されたような気もする。ニュートンの法則を用いた新しい技術は発明になるけど、ニュートンの法則を仮に新たに発見してもそれそのものは特許にはならない、とか、芸術などの精神的活動は発明にならない、とか、単なる発見は発明にならない、とか、永久機関は発明にならない、とか。
ようするにそんな類のものを特許だと思って提案してしまって、特許事務所の方達と「どうしようか、これ」って悩んでしまった訳で。
_ ついでに思い出したけど、従来技術調査をしていたときに、ドクター中松さんの「頭の良くなるふりかけ」の特許明細書と思われるものを発見したことがある。たしか、従来技術の抱える問題は、「頭の良くなる成分を食品に入れることと、その食品が美味しいということとが両立しない」ということで、それを解決する新たな技術として発明されたとか書いてあったような。