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2011-09-25 [長年日記]
_ [特撮] 「悪魔くん(実写版)」#20
「未来ゾーン」。パトカーに追われる強盗団(トリオ・レ・ポンコツだってw)の車がトンネルに入る。追うパトカー。しかし、トンネルの出口から出てきたのはパトカーだけだったのである!単なる別撮りをつないだだけなのだが、これだってトンネルの中で強盗団の車が消えたと言い切ってしまえばもう立派な特撮である。が、今回はもっとすごい特撮が出てくるから期待していい。さて、強盗団の車はトンネルの中で宙に浮かんでいる。強盗の皆さんもなぜか固まっている。そこに現れたのは奇抜な格好をした少年少女。「これは20世紀の自動車かも」みたいなこと言ってる。この子たちこそが25世紀の未来人である。強盗のアジトに同行することになった兄妹。「俺たちゃギャングトリオのギャングかばんの中には札束だらけ」なんて歌い出す強盗。未来少年少女はどんなに監禁してもあっさり抜け出てくる。妹の名はピッチとかいうみたい。閉じ込めても抜け出すシーンのは二重写しである。未来少年たちが仕えることに気付いた強盗たち。一方井戸の中の洞窟。メフィスト登場。と、悪魔くんは片足で立ったまま固まっている。ストップモーションではなくてよく見るとぴくぴく震えている。魔力・目覚ましでその状態から解放された悪魔くんは時が止まっていることに気づく。彼ら二人が時の流れ(未来少年によって止められた時の流れ)と独立に存在していられる理由はうまく説明できない。運動する物体にはそれぞれ固有時間があるとか適当な言い訳もできなくはないが、ニュートリノの観測で特殊相対性理論が破綻しかけているのでそういう理屈も通りにくくなってしまった。「これは時間を盗む妖怪の仕業かもしれないぞ」と主張する悪魔くん。そういえばちょっと前に「年盗み」という妖怪が出てたからな。メフィストはそんな妖怪聞いたことないと言って使役に従おうとしない。原因を調べに飛び立つ二人。飛んでいる最中に、さすがは一万年に一人の天才たる悪魔くんはわれわれと同じ疑問を抱き、メフィストに問いただす:
「どうして僕たちだけ動いているんだろう」
「へへ、そりゃ俺様が悪魔だからよ」
「ふーん」
もっとちゃんと答えろよ。真悟も納得してるんじゃない。地上はすべてが止まっている(実はこれみんな役者の一生懸命な演技でありみんなときどきふらふらしたりぴくぴくしたりしている。そういうエキストラがたくさんいるのだから人件費はかかる特撮になっていることだろう。今ならば画像処理で実現するのだから技術の進歩は確かにコストを下げるのである)。そこになぜか一台だけ動く車を発見。例の強盗団であった。あわや戦いとなる寸前、騒ぎ散らす強盗団の口に「STOP」とか「ストップ」とか書かれたテープをメフィストがぺたん。どうやって時間を止めたかと詰問するメフィストのところに未来少年が来る。このホクロがキュートな未来少年はどうやら妹ピッチを人質にされているので強盗団に従っているようである。タイマーをひねって悪魔くんたちの時間を二倍にするという結構ひどいことをするんである。メフィストと悪魔くんはそういう特殊な状態にあることをこれまた一生懸命演技力で表現する。ゆっくりした動き、「まーてー」という低く延ばしたセリフ。そう、この回は、つねづね問題としてきた「特撮技術力の低さを俳優の演技力でカバーする」というこの時代の特撮の特徴を大変良く残している作なのである。ちょっとこの特徴に仮の名称をつけないと後が大変なので、とりあえずこういう特撮を以下では「反・特撮」と呼ぶ。
再び強盗団のアジト。今気付いたが兄と妹は同じところにホクロがあるんだな。そこに悪魔くんたちがやってくる。どうやって見つけたかって?メフィストが嗅覚を使ったのだ。ケルベロス並みだな。さあいよいよメフィストの魔力炸裂である。というか「反・特撮」の炸裂である。まずは強盗団の撃ったピストルの弾を空中でつかみ取るしぐさ+別撮りで手のひらに握った銃弾の映像=飛ぶ弾丸を素手で取る悪魔メフィスト。さらにそれを飲み込む演技+むしゃむしゃ食べるSE。次いで、魔力・首つり。唱えると天井からロープが人数分降りてきて、強盗団に絡みつく…というか、自ら絡まっていく演技。しかし調子に乗っていると、強盗団の一人が未来少年を捕まえて魔力を無効化させる。ここ、どういうメカニズムかわからない。時間をコントロールするだけが未来人のスキルではないようだ。魔力・金縛りが無効化され、ブチ切れるメフィスト。「魔力がだめなら腕力で行くぞ!」そして魔力なしでもかなり強いメフィスト。すると普段の魔力の乱発とは腕力を節約することと同義だったのだ!すきを見てタイマーをひねる未来少年。おお、強盗団の時間が止まった!この機に乗じて反撃に出るメフィスト。魔力が復活したのでここぞとばかりに構えるメフィストに強盗団が口々に
「あっ、魔力! Σ( ̄д ̄)」
「魔力 (^^;)」
「魔力 (;д;)」
などと叫びビビりまくっている。これにメフィストはまず「魔力・逆立ち」を唱える。すると画面が180度回転して逆さ写しになった強盗団たちがもろ手を挙げて「あーさかささかさー!」「助けてー」などと阿鼻叫喚となる。もちろん映像が逆さになっただけなのにそれをさらに怖がっている演技で表現した反・特撮である。続いて、「魔力・玉突き」によって、強盗団メンバーはこれがほんとの玉突き衝突を起こす。調子の出てきたメフィストはさらに「魔力・火の雨」(どうやらホントに火花を振りかけているようだ)「魔力・タイヤ転がし」(自らタイヤの穴に体を挿入するだけ)そして、ああとうとうこの時が。
「魔力・阿波踊り!」のひとことで全員「えらいこちゃえらいこちゃヨイヨイヨイヨイ」と踊り出す。ちょっと画像ひずませる効果なども加えてやや本来の特撮っぽいが、やはり反・特撮の有名なシーンと位置付けるべき名場面である。そして「魔力・手榴弾」が爆発。そして「魔力・投網」で一網打尽として、さらに逃げようとする強盗団に「魔力・引き戻し」をかける。25世紀に帰っていく少年たち。止まっていた巷の時間も流れだし、ジ・エンド。次回悪魔くん、化石人にご期待ください。あー眠くなった!
<今回の魔力>魔力・目覚まし(空中に無数の目覚まし時計を召喚する技である)/まーりょーくー…(←時間を二倍にされたメフィストが唱えかけて力尽きた魔力)/魔力・首つり/魔力・金縛り(無効化されたので不発)/魔力・逆立ち/魔力・玉突き/魔力・火の雨(メフィストさんたちは火系の魔法が得意だ)/魔力・タイヤ転がし/魔力・阿波踊り/魔力・手榴弾/魔力・投網/魔力・引き戻し
今回メフィスト弟は調子に乗っている。
伏見の思い出で最も強く残っているのは「みのぶの道の記」の著者・元政上人の竹三本の墓である。80歳になる老母を連れ、京から日蓮宗の本山である山梨の身延に行く紀行は、私の身延道行脚の参考書となった。質素を望んだ上人は墓には好きな竹三本だけを備えるように言い残して亡くなる。竹であるから、もちろん江戸時代初期のものはとうに失われたことだろうが、私が訪れたその寒い日にも、土饅頭の上には竹が三本植わっていたのだった。
_ Webカメラで監視。
Webカメラが安いということは以前書いた。これをLiveCaptureというソフトで使うと、画像の中のモーションを検知してフォルダに画像を保存したり、メールを送信したりできるらしい…のだが、メール送信が旨く行っていない。よくわからず。とりあえずカメラが動作して被写体が動いただけでもアラームが鳴るので、呼び鈴を補助する使い方ができると思う。一番問題にしているのは、お風呂に入ってるときに宅配の人が来ても気づかずに持ち帰られてしまうことがよくあること。チャイムの発声部をお風呂に持ち込むというのも手かもしれないけど…_ [特撮] 「悪魔くん(実写版)」#21
「化石人」。日本アルプスが異常気象で雪崩が頻発している。山小屋に来ている悪魔くんは、遭難した人が何者かに首を絞められていることに気付く。その山小屋に足を負傷した学者が現れる。子供たちが東京に帰ると知り、自分の発見した「氷の化石」(←ここなんかおかしい)を託す。
学者「考古学者の藤波博士は知っているかね」
悪魔くん「ええ、名前だけは」
ここで問題にすべきなのは、悪魔くんが藤波博士のことを知っていたことではなく、なぜこの学者は悪魔くんが一回の考古学者に過ぎない藤波博士のことを知っていると思ったのか、であろう。そういうわけで氷の化石を取り返そうと化石人が現れるが、なんとその見かけはアマゾンの半魚人である。雪深い山にこんな種族が適応できたとは到底思えないのだが。。。
東京に向かう列車。なぜか悪魔くんたちの乗った客室はスチームが入らない。これが氷の化石のせいと気づいた悪魔くんは荷を解いて、一瞬体表が凍る。と同時に化石から電波の如きが発生して化石人に情報が伝達される。
東京・藤波博士宅についた悪魔くん一行は博士とともに研究室へ。それを追う化石人の被害で多くの人が凍らされる。凍った人を表現するのに、サランラップのような透明な樹脂を人にかぶせるという苦肉の策を用いたこの特撮は、しかし現在の戦隊物などでもときどき使われることがある。このような手法を用いたのは技術力の問題ではなくてコストの問題であったかもしれない。ともあれあちこちを凍らせて大暴れの化石人である。メフィストの助けが必要と井戸の洞窟に行く悪魔くんだが、召喚呪文を唱えているところに化石人があらわれ、キン太と情報屋はたちまち凍らされる。「こら真悟、今の呪文の唱え方は何だ」とか小言を言いつつメフィスト登場。この作品にはメフィストのテーマというべき音楽があるのだが、それは「いい湯だな」と植木等の「ホレ信じなさい」(←曲名は『学生節』。このフレーズは当時流行していたようだ。初期の回でもメフィストが使ってた)を足して二で割ったようなとぼけた音楽である。何だか寒いと魔力で寒暖計を出してびっくりするメフィスト。そこに化石人の攻撃で悪魔くんは凍りつき、メフィストも足元を凍らされるが、魔力・ガラスカーテンで冷気を遮断する(←ガンと言う効果音がするのと、冷気がメフィストに届いていない映像に切り替わる程度の軽い反・特撮である)。ついで魔力・熱線銃で反撃するメフィスト。倒れる直前にテレパシーで遠くの仲間に通信を送る化石人。メフィストは魔力・氷解けで悪魔くんを救い、二人は藤波博士のもとへ。
氷の化石を調べる博士。博士の娘クミ子は化石人を怖がっているが、メフィストがなだめる。「お嬢ちゃん、このメフィストさまがいる限りは大丈夫よ。」「やさしい悪魔さんね」「へいへい、僕、怖い顔しているけどホントは優しいのよ」メフィストのフェミニズムに対象年齢制限は無い。
ついに博士の家に現れた化石人たち。油断したメフィストは凍らされるが、悪魔くんがスチームで追い払いスチームの熱でメフィストを救う。「真悟、おまえなかなかやるじゃないか。いい子ちゃんだぞ」と言って悪魔くんの頭ナゼナゼするメフィストさんである。一方氷の化石からも化石人が蘇生。ここで化石人がジュラタンという種族であるとわかる。クミ子がどこに連れ去られたかわからず悩む真悟だが、ここでメフィストが言う:
「お前不勉強だぞ。魔法大全集の444ページの4行目を忘れたのか?」
「そうか、『悪魔は魔法の玉で妖怪の居場所を知ることができる』」小さい視聴者はここで、悪魔くんがやはり一万年に一人の天才であることと、魔法大全集に記載されていればなんでもありであることを知るのである。日本アルプスにいることを知る二人は敵地に乗り込む。ここでどういうわけか魔力でステッキをでっかくするメフィストなのだが、いまいちそれで何をしようとしたかわかんないのである。そうこうするうちまたも凍らされるメフィストは今度は自分に魔力をかけて助かる。小さい視聴者は、実はメフィストは悪魔くんの助けなど借りなくとも一人で何でもやっていける存在であり、いつも悪魔くんに助けられているのはフリであり、悪魔くんと一緒にいたいための口実なのではないかという疑問を持つことであろう。凍ったクミ子ちゃんを救うメフィストは冷たい手をほっぺたに充てたり、化石人に魔力を放つときにも「見ててね」とか愛想を振りまくこと振りまくこと。やはり危険な嗜好の持ち主なのである。調子に乗り始めたメフィストは「魔力・導火線!」「魔力・ダブル導火線!」と続け、最後にはあろうことか「魔力・活火山!」である。日本アルプスが活火山となった…。
悪魔くんとクミ子ちゃんを抱えて飛行で帰還するメフィストに、さすがの天才どS少年悪魔くんも「これはちょっとオーバーじゃないかなあ」とつぶやく。「これはちょっと魔力が効きすぎたかな」と笑いあう三人であった…って、おいお前ら。
はたして日本に未来はあるのか?次回悪魔くん「呪いの森の魔女」にご期待ください。この物語の中の日本に未来があれば、だが。
<今回の魔力>魔力・ガラスカーテン/魔力・熱線銃/魔力・熱分解/魔力・ダブル氷解け(キン太と情報屋を救う)/魔力・錠前破り/魔力・ビッグステッキ/魔力・復元/魔力・火攻め/魔力・火矢/魔力。導火線/魔力・ダブル導火線/魔力・活火山