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2015-05-28 [長年日記]
_ [読書] 「団塊の世代 新版」堺屋太一、文春文庫、2005。
たぶん日経なんか読んでるうちに堺屋太一さんに興味を持ったんだろう。半年以上前から寝床に打ち捨てられていた本だ(先日の『Mの世代』もそんな類の本だった)。ここ最近で『世代』と名のつく本を続けて読んだのはどういう偶然なのだろう。俺にとっては団塊の世代の終わりくらいがちょうど会社では先輩に当たり、俺たちの世代は「新人類」などと呼ばれた世代に近いと思う。この本は1975〜76年に雑誌「現代」に連載された。これに先立つ堺屋さんの予測小説『油断!』は1973年に第一稿を書いた時点で、予測どころか実際のオイルショックが起きたために出版を見送ったとのこと。本書(新版)冒頭に、マルコフプロセスの理論とコンピューターの技術を使って予測したと書いてあるので、いわゆるシミュレーションの技法を使った推定を行なっているということだ。『油断!』の中に生かされているであろうその予測の有様自体は『油断!』そのものを読んでかつ実際の統計と比べてみないことにはわからないが、そういう手法が70年代に利用できると言うのはずいぶん贅沢なことだったろうと思われる。