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けいりう堂日記

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2018-11-23 [長年日記]

_ [熊野街道] というわけで、眠い目をこすりこすり出かけるのです。

高いぞ富士山。 今日はいつもと違って6:00ちょうどのひかり。小田原と静岡で止まるのが久しぶりでちょっと楽しいが、それ以外はダメだな。人が多いし名古屋で待ち時間がある。発車時間も早い。指定席は200~300円程度安いかな。そのくらいならのぞみが良いな。実はのぞみで予約しようとしたのだが、駅員が変えてくれたのだ。結果的には大きなお世話、だったようだ。つづく。

_ [音楽] 「浄夜」アルノルト・シェーンベルク、1899。

つづき。8:27、桑名に停車中。今朝の南紀1号の席は山側の窓側。海側の窓側は酒盛りの男達が占領している。ビールで始まって、ワインの小瓶も二本置かれている。長島くらいまでは行くのだろうか。酔いが回るほどに声高となることを恐れつつ、ノイズキャンセラーのついたヘッドホン(しかし人の声はあまりカットされない)でシェーンベルクの「浄夜」を聞いている。半音階が多いが、無調ではない。この曲はシェーンベルクの作品としては一番有名なのだろうが、無調ではなかったのだ。

_ 浄夜、終了。酒盛りの声はだいぶ大きくなってきた。次のアルバム、行ってみようか。

_ [音楽] 「FIGHT OR FRIGHT」THE MODS、1981。

若い。青い。熱い。懐かしい感じの曲達。「バラードをお前に」(何かのドラマの主題歌だとは知ってたが、『中卒・東大一直線 もう高校はいらない!』という坂上忍の出てたドラマだ。見たことない。)以外は聞いたことなかった。このアルバムの曲はパンクロックなのだろうか。わかりやすい歌詞とクリアな発声とあまりに歌謡番組的な演奏は当時のコマーシャリズムとの相性が良さそうだ。そこに「懐かしさ」を感じたのだろう。もしかすると80年代の"不良の音楽"はこんな感じなのかもしれない。外は天気良い。酒盛りの奴らの声はいよいよ大きくなってきた。そのカーテンを開いて大人しく景色でも眺めていたらどうだ。せっかくのワイドビューなのだから。そうすれば旅になる。点から点への単なる移動ではなく。私の寝不足もそろそろ解消されようとしている。THE MODS終わった。酒盛りの連中は飲み疲れて話題も尽きたと見える。今はおとなしい。紀伊長島で停車中。そろそろ海が見えるからそのカーテンを開いてはどうか。つづく。

_ [音楽] 「No Sun in Venice」Modern Jazz Qualtet、1957。

以前も書いたことがあるかもしれないが、中学の頃はFM放送「夕べのひととき」で盛んにエアチェックをしてた。流石にこの言葉はもうわからないだろう。ラジオ放送の録音のことをそう呼んでいた。和製英語かも知れない。曜日によって違うジャンルを流していたので、今の自分の音楽ジャンルに対する無節操さには大きな影響を与えた番組だったに違いない。とある曜日は映画音楽をかけていて、このMJQの曲は、ある日の"映画音楽におけるジャズ"を、特集していた時聞いて、音の遷移を面白く感じた。バッハのフーガなどに影響を受けているらしいと知ったのは高校か大学の頃のこと。他にもジャンゴ・ラインハルトとステファン・グラッペリのマイナースイング(ルシアンの青春)やマイルス・デイビスの死刑台のエレベーター(いつも死刑台のメロディと間違う。こちらはエンリオ・モリコーネらしい。このテーマ曲も好き)などもかかっていた。その後あまりジャズにはのめり込まなかったが、会社に入った頃は大人の嗜みとして一通りの名盤には触れていた方が良いのではと何か可笑しな義務感で色々聞いた。横浜の老舗ちぐさやダウンビートにもよく行った。けど今になってもジャズは自分には余所余所しいジャンルなのだ。セロニアス・モンクのモンク踊りには親しみを感じるけど。後年になって坂本龍一が、映画音楽って不思議なジャンルだ、と何かのラジオ番組で言っていた。たぶんジャズとかクラシックとかいう音楽ジャンルと同等に置くわけにはいかないがやはり何か映画音楽という音楽的な1ジャンルがあるように思う、というニュアンスのことを言っていたのだと思う。"commmons: schola vol.10 Ryuichi Sakamoto Selections:Film Music commmons schola"にそのことが書いてあるようなのでそのうち読んでみたい。タイトルから見ると英文としか思えないが日本語で書かれているようだ。というわけて、映画音楽の中にも前衛だのロックだのクラシックだのジャズだの歌謡曲だのさまざまな音楽ジャンルが使われているから、映画音楽が好きだともし言うなら、映像の記憶や想像(そう、想像。大運河も死刑台のエレベーターもルシアンの青春も私見てない。)と結びついた音楽という特殊性を愛するばかりではなく、「映画縛り」さえあればあとは何でも良い、という自由奔放さを愛している、ということもあるのだろう。私たちに、聞いてはならない音楽など無い。巧拙もメッセージ性の有無も好き嫌いも含めて。歌ったって良い。作ったって良い。勿論爪弾いたって。ビブラホン弾いてみたくなったな。と書いてる間にMJQも終わった。つづく。尾鷲を過ぎて長いトンネルの中。

_ というわけで新宮についた。ホテルに荷物を預けていきなり東宝茶屋に行ってみたが休み時間らしい。夜また来てみよう。今日はもう適当に新宮散策。ちょっと気楽。風は少し冷たいが良い天気。絶好の散策日和だ!

_ 神倉神社の538段の石段。これから登る。

神倉神社の538段の石段。これから登る。

_ ゴトビキ岩。

ゴトビキ岩

_ 新宮城址から熊野川を望む。

新宮城址から熊野川を望む。 今日は新宮市内を2万歩以上歩いた。もう40分もしたら日没。良い旅!

_ あゆのなれ鮨。

あゆのなれ鮨 やっと念願の東宝茶屋で鮎のなれ鮨と、30年もののなれ鮨を食べることができました。美味い!爽やかな酸味。日本酒に合いますなw ほとんど食べてしまって頭のところだけの画像ですけど。どんなものかとドキドキしながら食べたけど、これは良質な発酵食品です。定期的に食べた方が体にいいのでは無いか?

_ 今宵の新宮はとてつもなく良い月です。皆さんのところはいかがですか。この月を見ていると、この月を見ているのが自分だけなんだと考えることは不合理なことだとわかる。同じ月を見てる誰かがいる。一人では無いんだ。だから、いつでも、いつまでも一人でいることができるんだ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]
_ うじゃ (2018-11-24 01:15)

素敵な連休初日ですね なれ鮨美味しそうです

_ けい (2018-11-24 01:55)

初めての人にはキツイって聞いてたんですけど、爽やかな酸味でした。北海道出身者が食べると「『いずしに似てる』ってよく言われる」とご主人がおっしゃってました。秋刀魚の卵と胃袋の塩辛なんてのも出てきて、これも美味しかったです。ここ二年ばかりは黒潮の蛇行の影響で秋刀魚不足だそうで。なれ鮨はお正月の味覚なので困ると。


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