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けいりう堂日記

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2009-02-28 どよーび。 [長年日記]

_ 体中の痛みはだいぶおさまった模様。

今の気分は、例えるなら二日酔いの朝。一滴も飲んでないのに胃がもたれてる。まあここまでくれば大丈夫だろう。

午前中寝てたら、大学院の頃住んでいた貧乏アパートの夢を見た。当時よりましだったのは二部屋使えていたことくらい。きっかけは忘れてしまったが、夢の中でマイルドセブンを買ってしまい、火をつけて一服してしまって後悔していた。現実の私は現在禁煙してから7か月経っている。中毒症状はもう全然無いはずなのに、それでもこんな夢を見てしまうのだから、喫煙習慣は恐ろしい。禁煙を続けていても、ニコチンレセプターは無くなることはなく、ただ蓋を閉じているだけなのだと聞く。その蓋を開けようとしてときどきニコチンレセプターがこんな夢を見せるのだろうか。寝て起きたらかなり調子が良くなってきていることに気づいた。二日酔いの午後位の体調。

_ [漫画・アニメ] キングゲイナー。

午後ちょっと出かけて、一昨日買い間違えたDVD-Rと、ブチルゴムテープを買ってきた。ブチルゴムテープは洗濯機のホースの補修のため。数年前に補修した部分が、テープの経年変化でまた破れていた。塩ビテープ→ブチルゴムテープ→塩ビテープで三層巻きつけて補修終わり。この休みほとんど唯一の生産的活動だ。あとは養生しつつ数年前に知り合いからいただいた「オーバーマンキングゲイナー」視聴。16話くらいまで。白富野、楽しい。「ブレンパワード」「∀ガンダム」と合わせて白富野三部作とか呼ばれてるんだそうで(∀は"すべて"をあらわす数学記号)。最近ザブングル→ダンバインと放映が続いてるからそのうちかかるんじゃないかと言う期待。

キングゲイナーはエウレカの吉田健一が作画監督。この人のキャラは明るいストーリーには非常に良く合う。オーバーマンはモビルスーツをもっと有機的にした感じで、コクピットも服のジッパーみたいに開閉する。オーバースキルという能力を使うのが"オーバーマン"の所以だが、消える能力とか時を止める能力とか、いわゆる「禁じ手」だ。禁じ手を堂々と導入してそれをいかに攻略するか、というのも毎回の見せ場のようになっている。永久凍土の地から"ヤーパン"へのエクソダスは、イデオンのスペース・ランナウェイ(因果地平への逃走)の、映画でも描かれなかったもう一つのありえた姿、と思う。

_ [漫画・アニメ] 月末に買った漫画数々。

近頃は全く漫画雑誌を読まなくなったから、漫画の最新情報は完全にお気に入りの作家の単行本発行に律速されている。まあそれでいい。今週買った新刊。

  1. 『ヒストリエ』第5巻、岩明均。 第4巻読んだのいつだったけ。ストーリーつながらないのはたぶん記憶が消えたせいだろう。エウメネス故郷に帰るの巻。アレクサンダー大王との関わりはこのあとということだろう。この人の書く人の表情からは心が読めない感じ。『寄生獣』の印象が強すぎるのだろうか?

  2. 『へうげもの』第8巻、山田芳裕。 最初はあまり好きじゃなかったんですけどね。大名物がどうしたとか茶の湯とか全然興味が無いもんで。今はかなり好きな作品になってきてる。細かいクスグリがいっぱいあるところも魅力なんだろう。歴史上の人物の解釈の独自性を強く出している。家康が質実剛健な田舎者であったり、加藤清正が具志堅用高そのまんまで「ちょっちゅね」とか言ってたり、伊達政宗が芝居がかりすぎてたり。こういうキャラ作りは山田さんの漫画には最初からあったように思う。今でも「大正野郎」も好き。

  3. 『ヴィンランド・サガ』第7巻、幸村誠。 クヌート王子は非情なる王の道を歩み始め、アシェラッドの生い立ちのごときが示される。ということで、トルフィンの主人公性がちょっと薄れてる感じ。

  4. 『ヌイグルメン!』第1巻、唐沢なをき。 タイトルとか表紙だけでこの人の本を選んではいけないことがわかった。つまり全て買いなのだと(ということは、『犬ガンダム』とかも読んでおくべきなんだろうか。。。)。実に勉強になる漫画だ。スーツアクターというのはものすごく大変な仕事で、はじめて着て「動いてください」とか言われても手足をバタバタさせるくらいしかできないらしい。仮面ライダーみたいに特異な造形をできるだけ人間型で表現するようなスーツの場合、理想的なのは、外から見て人がもう一人入っているようには見えないような造りのはずだから、そこに入っている人にとってスーツの中と言う環境は劣悪極まりないに違いないのだ。言われてみないと気付かないもんだなあ。

  5. 『カブのイサキ』第1巻、芦奈野ひとし。 『ヨコハマ買い出し紀行』が終わって、そのあと一体どんなのを描くんだろうかなんてちょっと余計な心配をしていたのだけど、この人の中では、言わば「空想未来神奈川漫画」というようなジャンルがすでに確立していたみたいだ。理由はわからないが(そしておそらく今後もストーリーの中でそれが説明されることはないんじゃないかと思うのだが)、地表の大きさも高さも10倍になって、飛行機がちょっと出かけるための足になる(表題の"カブ"もそういう名前の飛行機)という話。というわけなので、三浦半島最高峰の大楠山は2000m級の山になり、大山は大きすぎて頂上が見えない(12000mくらいになっているんだろう)。ケーブル駅のあったところではこの時代でも大山豆腐を売っていたりして。とてつもなく異常な世界を当たり前に受け入れて、さらにその世界への人の想いの方に物語の主眼がある。当り前の「世界への人の想い」だけでも多くのすぐれた物語ができるのだから、そこに世界の在り方の数だけのバリエーションがあれば、単純な組み合わせだけでも元に倍するすぐれた物語が誕生することになる。まして世界と人の気づきの間に相互作用があるのだから、或る有り方の世界でしか気づけないことがらが、やがて発見されるかもしれない。そういう可能性が、空想の物語にはいつも内在している。

  6. 『凌鬼の刻』天竺浪人。 おまちかね(ですか?)、エロ漫画です。この人の単行本、おそらくオレ復刻版以外は全部持ってると思う。当初から倒錯の性がテーマだったのだけど、異常で鬼畜な状況を描けば描くほど現実の事件に類似してしまうという悲しさがあったりして、しかも描けば描くほど作品は"抜けない"ものになってしまうという悲しさもあったりして、ホントに後書きが泣けてしまう。でも頑張ってください。天竺さんの漫画で抜くとか、もうどうでもいいんです、オレは。

  7. 『プルートゥ』第7巻、浦沢直樹×手塚治虫。 「×手塚」とか書いてあるのは、平成仮面ライダーシリーズに原作石ノ森章太郎と書いてあるのと同じようなもんだろう。プルートゥがちゃんと姿をあらわしたのはこの巻が最初かな。実は自分はちゃんとした「アトムの子」じゃなくて、というのは鉄腕アトムを原作でほとんど読んでないからなんだけど、浦沢さんのこれを読むたびに、やはり一度はちゃんと読んどくべきなんじゃないのかと思う。次の巻はついに完結らしい。6月頃発売予定。

  8. 『ファイアキング』第3巻、王欣太。 画力は相変わらずすごいと思うのだけど、やはり自分はストーリーを読むのを好むタイプなのだろうな、と思う。たぶん展開が自由すぎるのが好みに合わないのだろう。

_ そういうわけで、相変わらず漫画には救われている人生だ。しかし、漫画家にならなくて良かった、とも思っている。せめて気に入ったものは買って読むようにして、印税収入に貢献させてもらおうかと。そういうわけで人に貸すのもなるべくやめるようにします。


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