RSSフィード:http://alpha-ralpha.com/diary/index.rdf
2009-04-17 [長年日記]
_ [読書] 『ポール・ランジュバン伝』水曜社。
「日本の古本屋」で買った。あ、まだ代金払ってない。今日届いた。最近思うところあってランジュバン方程式をいじくることにしたのです。
線形応答の理論のかなり基礎的な話の中で、ばねとダッシュポット(わかりやすい例で言うと、ドアのちょうつがいのとことかカセットデッキの蓋についている、急に開閉しないための抵抗をモデル化したもの)につないだ質点の運動方程式を使ったりしますが、ランジュバン方程式はそれにさらに質点をランダムに小刻みに揺さぶる力を追加したようなもんだと思います。一体何が起こるのでしょう、この系には?
もうひとつ、ランジュバンの名前の付いた関数があります。その名もランジュバン関数。ストレートですね。式に名前が残るのっていいですね。この関数は、ゴムの弾性とか双極性の流体の配向を表現する式なんです。こちらは物性物理を学んできた私にとっては思い出深いものです。1/xを含むのに本質的にx=0でも特異性を持たない関数と言うことでも記憶に残っています。でももっとマニアックなのは「逆ランジュバン関数」という、この関数の逆関数です。これのマクローリン展開した形を求めろ、なんてのはちょっと良い問題かもしれません。そんなわけで、40歳をはるかに過ぎて再会したランジュバンという人がどんな人だったのか知りたくなって、この本を買ったのです。なんか激しい人みたいな印象がありますが、読み進むうちに正体がわかってくるのでしょう。