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2013-05-19 [長年日記]
_ [特撮] 仮面ライダー
昨日からの続き。日付変わったところだ。人食い花ドクダリアンの回。素晴らしいデザイン。高橋章という人の手になるらしい。初期の名作にはサラセニアンがある。この人は植物系が特に得意なようですな。ウルトラマンに成田亨がいたように、特撮作品を成功させるためにはまだ誰も見たことのないものを描いて見せる優れて前衛的なデザイナーの存在が欠かせないのだと思う。
誘拐されたお姉さんの妹役の子役に見覚えがあると思ったら、一世を風靡したケンちゃんシリーズのケンちゃんの妹、トコちゃん役の佐久間まゆみであった。よく覚えてたなあ俺。そして今回のマリ=山本リンダは赤いシャツの上に濃紺のデニムジャンパー、黒いパンツ。黒は女をきれいに見せるよね、ねえキキ。
今回、いかにも不健康な昭和の酔っ払いおじさんがあらわれて、車に乗っている戦闘員を見て変な制服着たタクシーの運ちゃんだとか絡むシーンがある。それで気づいたのだが、作品世界においてショッカーという悪の組織はどこまでポピュラーな存在とされているかが回によってばらつきがある。おおむねは秘密結社の名の通り一般には知られていないように描かれている。キノコモルグの時だってキノコモルグが数人の戦闘員を率いて歩いていても何かの宣伝のように一般人にはみなされていた。ショッカーの引き起こす事件はある程度社会の広範囲に影響を与えるものの、ショッカー自身が犯行声明を出したことはこの回までは少なくともなかったように見える。もしもこれが基本的なショッカーの有様であるとするならば、昭和ライダーの戦う敵に対するイメージはもしかすると「人類の敵」には違いないが、その言葉ほどにはオープンな存在ではないということかもしれない。最近の評論においては平成ライダーの戦う相手が閉じた社会の存在であることが昭和ライダーとの大きな差異であるという論調が目につく(まあそんなにたくさんの論述があるわけでもないのだろうが)。そのことは学園の平和を守るフォーゼにおいて顕著だったし、あるいは鏡の中の世界だけで戦いが進む「龍騎」もまたその極地だった。しかし、仮面ライダーはもしかすると、当初から「閉じた世界」の中で戦っていたのだ、ということができるのかもしれない。以降そういう視点でも見ていこうかなと思った。つづく。