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2017-10-11 [長年日記]
_ [読書] 「売笑三千年史」中山太郎、ちくま書房(ちくま文庫)、2000./「ユリイカ 総特集みうらじゅん」、青土社、2016.
売笑三千年史は柳田国男が認めた大著といって良いような真面目な民俗学の本。猿田彦はもともとサダヒコであって案内者という意味であると書いてあってハッとさせられる。私にはその説を肯定することも否定することもできるほどの知見がない。深い知識あってこそ論じることがはじめて可能になる。そういうことは多い。その一瞬だけ聞き手を納得させてお仕舞い、という浅薄で刹那的な論ではなく、普遍的なことを論じていられたら良い。みうらじゅんのユリイカは多くのみうらじゅんを知る人たちの証言というかインタビューを含んでおり、みうらじゅんという現象が民俗学の1つの流儀となる(かもしれない)50年ほど先の未来において真価が生まれるものとなるかも知れない。10月というのに暑い日も多い昨今、枕元の2冊の本が眠りを妨げるのだけは秋らしさと言えようか。
追記。はやとちった。中山太郎は確かに柳田国男の門下ではあったが、後に疎遠となったということだった…。