RSSフィード:http://alpha-ralpha.com/diary/index.rdf
2017-12-04 [長年日記]
_ 夜ヨガは急きょ代行の先生だった。以前何度か担当してもらっている。穏やかな時間となった。
帰宅すると、沼昭三さんの「懺悔録 我は如何にしてマゾヒストとなりし乎」が届いていた。もちろん、先日三条友美さんのREBOOTを読んで改めて沼昭三と言う人に興味が湧いたということだ。この人の(性)体験は、おそらくは私如きが到達することのできないとある境地まで行き着いているはずである。ヒマラヤ踏破や北極圏横断にも等しい驚異の旅行記を読むようなものであろうとワクワクしている。そう思ったのだが、ぱらぱらりとこの本をめくってみると、なんと巻末に著者の肖像写真と思しき画像があるではないか!この本は2009年刊、前年に沼さんはお亡くなりになっている。このときにはもう沼昭三は覆面作家ではなくなっていたのだな。思えばこの作家を知ったのは、中学か高校の頃に実家でとっていた毎日新聞の日曜版に連載していた石川喬司の「IFの世界」(記憶では『SFの世界』だと思っていた)で取り上げた記事による。沼さんの小説を角川文庫で読んだのは大学の何年の頃だろう。しばらくは頭を離れなかった。セッチンやメンス・ミゼットたちのことが。博識に圧倒されつつも、よくぞここまで想像の力で書ききれるものだと、打ち負かされたのだったと思う。それは、その後あまり時をおかずに巡り合ってしまった早見純の漫画にも感じたことだった。打ち負かされたのだ、完膚なきまで。大切な経験だと思う。