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2008-08-23 矢倉沢往還落ち穂拾い、そして(1) [長年日記]
_ 小田急渋沢駅から、峠の集落を通って松田に向かうルートをたどった。以前渋沢から松田へは千村を通って行こうとして小田急線に阻まれ大きく北に迂回したのだった。
今回のウォーキングには雨中の野営というもう一つの目的があった。が、いったいどこで? 蓑上誠一「サラリーマン野宿旅」見ても、万人に認められるような晴れがましい野宿なんてどこにもないらしい。 地図をにらめっこしつつ以前歩いた時撮影した画像を眺めて、足柄大橋の辺りの酒匂川の河原と一応決めていく。こっそりとテントを広げるのだから出発は少々遅め。 峠には峠隧道というのがあり、ここを抜けさらにしばし歩くと富士見塚というのがあった。巻狩りの時に頼朝公がここからの眺めを讃えたといい、矢倉沢往還の一里塚でもあるという。時刻16時ころ。地元のNPOにより整備された休憩所があり、この天気では誰ももうおとづれることはないだろうと思われた。トイレもある。ならば、ということでここに野営を決め込んだ。
すぐ脇に農道がありときどき車が通り、私の野営を睨むようにしていく。エスビットストーブで米を炊いているうちに暗くなる。雨である。まだまだ気温は高い。テントの入口を釣り上げておいたら、そこに雨水がたまって、ちょっとした手水のようになった。米は固め。 失敗だったのは、エスビットの燃料があまりなかったということで、明日の朝食分で完全に使い切りそうだった。コーヒーを入れる余裕がない。米を炊くのにも足りないかもしれない。
そこで、ドリップコーヒーの中身と無洗米をそれぞれチャック付きバッグに入れて水を適量加えて一夜放り出して置くことにする。コーヒーはダッチコーヒーにしてお米はお粥で行くことにしたのだった。明日の準備をして、テントに潜り込む。
なかなかに眠れないので太宰「津軽」を、ヘッドランプをつけて読む。ウィスキーのポケット瓶を持っていったが、180mlの酒はあっという間になくなり、ラジオを聞いたり津軽を読んだりしながら夜が更けていく。一度地元の人が車でやってきてここに降り立った。松田の方から花火らしい音が聞こえるが、ガスが出ていて全く見えない。音しか聞こえない花火は最低だ。地元民は咎めることもなく去って行った。
せめて星が出ていればなあなどと思う。つづく。