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けいりう堂日記

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2014-03-12 [長年日記]

_ 少々微妙な話題を書き続ける可能性があって、その記事は俺を個人として知る人とそうでない人とで受け止め方が非常に異なることを懸念している。懸念と言う以外に他意は無いのだが、念のために現在ツッコミできない設定になっている。どーしても突っ込みたくて仕方のない人にはやむをえぬ、俺の菊座を差し出す覚悟をしてみる。←まさにLMFAOって感じだな。


_ 早帰りして「ピエール瀧のしょんないTV」見ながら焼きそば食べる。ネットで見つけた動画が頭から離れなくて困ってる。「すいませーん おじさーん」で始まるやつ。どうしよう。。。


_ そういうわけだから、歌は良いなあ。リリンの生み出した文化の極みだよ。 18歳がアカペラ+26種の楽器でスティービー・ワンダーの"Don't you worry 'bout a thing"を演奏しているのを聞いて、確かにすごいと思った。才能を妬ましくも感じた。それにしても、やはりこのメロディラインは只者ではない。スティービー・ワンダーの天才ぶりに改めて畏れを感じている。ディーリアスのメロディを悪魔の作った曲のように美しいと表現したのはコリン・ウィルソンだったっけ。およそ芸術の中で、その成立の歴史上もっとも早い段階で完成形に近づくことのできた分野はひとえに音楽であると俺は信じる。古い映画の映像表現や物語は、その時代の背景の知識が失われると陳腐なものとなり失笑を禁じ得ないものとなってしまうことが多いのに、ひとり音楽だけはそのような背景知識なしに、それが生まれたときから今に至るまで完成形であり続けることが可能だ。良い音楽には生み出された途端に永遠の命が備わり、ヒトの歴史から消え去ることがもはやない。物語の中にもそういうものがあって、世界中に共通する神話に語られる親子や恋人たち、兄弟たちの物語や冥界への旅、大洪水の記憶などは永遠の生命を得たものであり、人の生涯の単位で数限りなく繰り返されるものだ。だが視覚的芸術は、あるがままの世界のビジョンとそれを比べたときにどれほどの命を永らえるものなのかはちょっと疑問だ。ならば人の手になる音楽よりも、波の音やせせらぎの音(この音をiPodに入れていつも聴けるようにしておくことを俺は勧めたい。これがあれば、耳障りな子供の鳴き声や空虚な会話、酒や酒以外に酔っている人の戯言から我が身を守ることができるからだ)の方が芸術として完成されたものとみることはできるのかと言えば、俺にはせせらぎの音を芸術ととらえることはできない。美しい渓流の景色はある種の芸術であると思いなすことができるのに、だ。美術を鑑賞することができない俺にあっても、自然が美しいことは理解できる。それがありさえするなら、その作品の成立にかかわる情報を得るため以外に美術館に足を運ぶ特段の理由を感じられない。だが音楽は、ヒトの手になるものであってもいつも求め続けるに値するものなのだ。だから渚カヲルは歌をリリンの芸術の極みとよんだのだろう、と思う。


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