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けいりう堂日記

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2015-12-06 [長年日記]

_ 一遍聖絵、2週目。上野のトーハク行ってから金沢文庫へ。あとは来週藤沢に行けば、おっとそれからこないだの神奈川県歴史博物館でスタンプもらえば、コンプ。図録には別冊があるらしいことが今日わかった。金沢文庫では売り切れだった。手に入るんだろうか?それはともかく、トーハクにはまた行きたい。金沢文庫も、中世を調べる必要ができたときに便利なのでは。


_ [新聞を読んで] リーダーの本棚

日経日曜版の「リーダーの本棚」はおもしろい。リーダーの頭が、やっぱり大したことのないもので満たされていることを認識することには意義がある。


_ そんなわけで今日は電車で行ったり来たりなので、お行儀の悪いクソガキに悩まされることにやっぱりなってしまった。親もちゃんと叱らないから図にのる一方だ。俺が代わりに叱ってやろうか?奴らのアホヅラ眺めてると日本の未来は暗いとしか思えない。滅びていいのでは、とさえ思う、そのときばかりは。安心しろ、お前のクソガキのことではないから。


_ そういうわけでヨガと久しぶりの筋トレが捗った。良かった、風邪も大丈夫っぽい。


_ [特撮] 手裏剣戦隊ニンニンジャー

タカハル良い体してるぜうほ。先週霞姉が牙鬼満月に敗れてからすっかり可愛くなっちゃってるの。その霞姉の、ホンネを言ってしまう発明が満月に奪われ、霞姉はやっとホンネで悔しいと言えるようになってスッキリしたのは良いとして、その発明を使って満月は九衛門の正体を自白させようとする。九衛門は幻月の小姓なんかではなく、「牙鬼…」と自白しかけて逃げちゃう。戦隊モノに似つかわしくない凝ったつくりになっていた。俺は九衛門とゴールドさんは実は兄弟だと思ってたんだけどな。違うみたい。


 ところで、一遍上人の話が映画化されてる。主演:ウド鈴木。えーっ?なんかこれって歴史の教科書の肖像画に落書きしてるようなレベルじゃねえの?確かに一遍の肖像を彷彿させるような風貌だよ、ウドちゃんは。でもなあ。。。と違和感を大いに覚えつつも、仮に一遍上人がウドちゃんみたいな人だったらとか、踊念仏なんていうお調子者っぽい一面もある(一遍の奇行をして彼を「天狗長老一遍房」などとこき下ろす『天狗草子』なんていう書物もある、と今日行った金沢文庫で知った)ように思える。まあ機会あったら見てみる。できればウドちゃんがすごく良かった!きっと本物もあんな感じだったんだろう!って驚きたいところだが。

_ [特撮] 仮面ライダーゴースト

しばらく感じていた違和感がどうやら、主人公タケルの言う「命燃やすぜ」とか「俺は俺を信じる」という言葉が空虚に響くためだと気付いた。いるじゃん、こういう極端な言葉をわりと気楽に使う割には地味な努力して実力を磨こうとしない奴。普通それこそ中学卒業したくらいで「そんな甘いもんじゃない」って思い知るもんなんだが、思い知る機会を得ることなくいい年になってしまう奴って結構いる。そいつらの”人間の幼生”のようなつるんとした表情が主人公タケルに重なってしまうのだ。ヒーローなら必殺技の一つも特訓で身につけろと言いたい。マコト兄ちゃんを見習え。こんなに切ないライダーシリーズは全く初めてだ。藤岡弘、さんに見せたくない作品になりそう。まあ俺は面白かろうが面白くなかろうが見続ける。竹中直人の使い方も雑だしなー。次回、ソフィーの選択。みたいな感じ。


_ スペインって、エネルギーの半分くらいを風力・太陽光なんかの再生可能エネルギーでまかなってるんだって。さすがドン・キホーテを風車で撃退した国だけのことはある。


_ [読書] 『枕の千両』山上たつひこ、フリースタイル、2015.

新刊で小説を買ってしまった。ポリシーに反する。でも山上さんのだから仕方ない。カバーイラスト・江口寿史。パラパラめくったら「ハダカデバネズミ」とか書いてあって、ああ山上さんだ、と安心した。たぶんしばらく読まない。でもカテゴリは「読書」。そのうち必ず読むから。なにしろ、「奇怪!何にも捨てない技術」、だからね、俺は。


_ [新聞を読んで] 日経、日曜に考える。

寝ようと思ったがもう一つ書いといたほうが良い(俺にとって)ことを思い出した。それはさっき書いた日経の「リーダーの本棚」の下の欄にある「本の小径」に書かれてたこと。諸君知っての通り、大学の文学部なぞ不要だという説が流布している昨今、それは違うと文学者の方々が反撃しており、頼もしく思われる。で、『文学はなぜ必要か』という本を古代文学で著名な古橋信孝先生が出されている。で日経の記事によると、古橋先生は『すぐれた文学作品は時代の抱えている問題を浮き彫りにしながら、それを超える普遍的なテーマに触れている』がゆえに「文学は自分を考え、ものを考えるきっかけを与えてくれるものだ」とおっしゃる。この言葉は重く、小説の始まりにも関係することだ。偶然今日のカルチャーラジオで高橋源一郎さんが、極端に言えば小説は人生相談、とおっしゃっていたのも十分うなづけたが、普遍的なテーマ、という言葉に、俺が崇敬する文学の大きな魅力をよくぞ言ってくれたと思う。そうそう、「これからの社会に文学部なんか不要」だなんてとんでもない。もしも社会に不要なセクションがあるとするならば、それはむしろ少し特殊な経験があればだれでも専門家になれる(ようにはたからは見える)、現代においてついに磊落してしまった「社会学」以外にはない。遅くなった。プロテイン飲んで寝る。


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