トップ 最新 追記

けいりう堂日記

   RSSフィード:http://alpha-ralpha.com/diary/index.rdf


2015-11-01 [長年日記]

_ また父母の人々を訪ねるので、新たな和菓子作りにオトコチャレンジだ。

_ うぐいす餅。

IMG_4902

例によって皮を捨てないこし餡?から作ったが結構焦がして香りがついてしまった。小豆の焦げは米と違って刺激臭がある。うう、許してくれ。。。
今回初めて求肥も作った。餅粉水に溶き熱して固めるのだが、水飴混ぜることで柔らかさが保たれるのか、なるほど。レシピ通りに作ったら少なくなった。青きな粉に抹茶混ぜて手粉にして延ばして餡くるみ、先をつまんで形を整える。。。ってそんなにかんたんにできねえわ!最後にきな粉振るいかけてアラを隠してできあがり。

_ 処女作。

IMG_4903

ほら、難しいんだよ。。。


2015-11-02 [長年日記]

_ 札幌資料館の裏。

IMG_4924


_ 飯など喰いつつ父母と昔語りする。母の弟が子供の頃、友達の家に行って豆ごはんの豆を全部食べてしまって、生の豆を代わりに入れておいてその家の母親が怒ったという話。母はこれを俺の弟のエピソードだと勘違いしていたようだった。当時の子供は−今の子供もちょっと質の違う飢餓感にさいなまれているのかもしれないが−いつも空腹で、里山は遊び場でありおやつを提供する場でもあった。コクワ、ヤマブドウ、クルミ、それからたまにマタタビなど。俺も良く近くの山に遊びに行って時に口にしたものだった。ゴードーの焼酎を使ってそれらで果実酒を作っていた家庭も多かったようだ。イチゴ水とワインを間違えて友達を酔わせてしまった赤毛のアンのエピソードは、だから俺にとっても身近なエピソードに感じたものだ。父の子供の頃の印象的なイメージ。雪の積もった中で黄色い皮から顔を覗かせていた真っ赤なツルウメモドキの実を下から見上げていた。空は澄み切った青空。きっと俺もそんな風景を見たことはあるのだろうと思う。こういう話題を共有できるのは家族以外にはなかなか無いものだろう。
 ところで、札幌の東急ハンズで買い物をしたとき、ふと調理器具のコーナーでコーヒーを淹れるパーコレーターを見つけた。それで思い出したが、俺が物心ついてから高校くらいまで、電気で加熱するパーコレーターが実家にあった。俺はこれでコーヒーを淹れたことはあまりなく、もっぱら湯沸しとして使っていて重宝した。おそらく、父母の新婚の食卓を彩る器具だったのだろう。その記憶が懐かしくてアマゾンでコンロで加熱するタイプのパーコレーターを注文した。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

_ うにゃ [紅葉してるね。]


2015-11-03 [長年日記]

_ あっと言う間にもう横浜に帰る日。今回は宿で自炊生活だったので何か楽しかった。だがこの宿次もその次も予約取れないのでちょっと悲しみのベラドンナ。昨日の朝玄米1合炊いて半分食べ、今朝は卵入れておじや。あちこちのコンビニ渡り歩いて卵とトマトと野菜ジュースとサバの缶詰醤油味噌汁ヨーグルトなど。ほぼ日常の食事を保てた。よかった。コッヘルセットと米持ってくの忘れて現地調達したが。コーヒーも札幌の旨い炭焼きを楽しんだ。数年前に培った野宿スキルがこんな時に役立つのだ。


_ パーコレーターが届いたので使ってみようとしたが、5分くらい加熱してすっかりお湯は沸騰しているのに、コーヒーが抽出されてこなくて今日はあきらめた。そんなに難しいものなのか?


_ ちなみに餡の焦げたうぐいす餅は父には好評、母はやはり少し焦げ臭い、と言った。この餡がじつはまだ冷蔵庫に残っていて一体どうしようかと悩んでいる。和菓子作りはもっと練習したい。NHK朝ドラの「あすか」とか見たら勉強になるんではないだろうか。とりあえず焦げた鍋を重曹で磨いているが、相当手ごわい。


_ パーコレーターの件。ユーザーのHPをいくつか見て多少使い方がわかった。まず沸騰させておいてから粉をセットするのだ。あと、色は薄く出るようだ。それに少し沸かすことになってしまうから、焙煎の深いコーヒーを味わい深く抽出するのには向かないように思う。とりあえずそれなりの色で抽出することはできた。でももう寝るから明日温めなおしたのを飲むことになる。どうせマズいに決まってる。


_ ジャネット八田というタレントの事が気になっていたので、アマゾンで激安で売ってた「破れ傘刀舟悪人狩り」第一巻を入手した。DVD一枚に二話ずつしか入ってないのでコンプリートは大変そうだ。とりあえずオープニングだけ見た。「むっつりお竜」という役。いい女w なんか生きてくのが少し楽しくなった。


_ そのうち書くと思うが、人間には孤独を好む性向が遺伝子に刻まれてる種類が存在するらしい。それ俺だよきっと。寂しさに馴れたものとばかり思ってたが、そうじゃない。これはヒトという種全体に仕組まれた仕掛けの一つだ。そして平時においては劣性の遺伝子に違いない。


_ 知ってびっくり。能町みね子って元男性だったのね…。ただの歯切れのいいおばちゃんだと思ってた。まあ過去はともかく現在はそういう人になってしまってるので今やどうでもいいが、女性になる前のOL時代の事にはちょっと興味がある。


_ 今日NHKラジオで聞いた話。女性の涙の香りは男性を性的な意味で冷めさせるのだそうだ。確かに目の前で泣かれてビンビンになるか玉ヒュンになるかと言われれば確実に後者だと思う。女の涙は男を萎えさせる。諸君、今日は良いこと覚えたな。もし万が一、「この男にどうしても抱かれたい」と思ったときに泣いてすがるのは逆効果だということだ。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

_ うにゃ [おかえりなさい!]


2015-11-04 シアー・ハート・アタック [長年日記]

_ いよいよ冬本番とわきまえてまたホホバオイルを購入。今度はミツロウじゃなくてシアーバターを使ってみる予定。ミツロウ使う方が割安になるようだが、バターの容器がそのままクリーム容器に使えそうなのでいいかもしれぬ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ うにゃ [ジョジョ第四部アニメ化決定しましたね〜 ]

_ けい [何だと…俺の髪型がサザエさんみたいだとー!?]


2015-11-05 [長年日記]

_ [漫画] 俺の描いたトランスジェンダー漫画について。

最近とみに昔のことを思い出すのは、やはり大脳皮質の活動が鈍くなってきた証拠だろうか。小学校低学年の時、壁新聞に漫画を描いたような記憶がある。タイトルは「ドクターカッパくん」といい、ギャグ漫画が好きだったので当然ギャグ漫画になるものと思って描きはじめた。あの頃の俺の漫画の神様は手塚治虫ではあったけれど、赤塚不二夫の方が好きだったし、「ガイコツくん」や「パットマンX」を描いてた頃のジョージ秋山は大好きだった。永井豪の「馬子っ子金太」なんていうのも冒険王か漫画王で読んで好きになった。ギャグ漫画を描く場合最も重要なのは主人公が愉快な奴であることだと思う。それで、とてもありえない存在が医者になっていたらいいのではないかと思って河童の医者を考え出したのであろう。何だか楽しい話になりそうだ。ところが、これが大きな勘違いだったのだが、実は俺自身はセルフイメージと異なり、それほど愉快な人間ではなかったのである。ギャグ漫画のネタになるような爆笑を誘うストーリーが思いつかない。どうしたことだろうか。しかし、やがて俺は一つの物語を思い描く。ドクター・カッパ君のもとを訪ねる患者は、当然水生動物であろう。それはタイだったかコイだったか、まあ魚類を代表する堂々たる偉丈夫である。記憶の片隅に髭のある紳士のようなキャラクターを覚えているから、きっとコイだったのだろう。そのコイの患者は何の病気で訪ねてきたかしれないが、カッパ君は彼に薬を処方する。ところがだ、その薬はこともあろうに男女の性を入れ替える作用のある薬であったのだ。それを飲んだコイ氏は突然女っぽくなり、あれこれと女性が身の回りに置く品々をつぎつぎ所望し始め、彼(女)の物欲のすさまじさに慌しく翻弄されるカッパ君の大ゴマで終劇、というわけであった。
 なんでこんなことを思い出したかしれないのだが、これは明らかに単なるギャグ漫画などではない。”TS”じゃん。どうやら俺は幼少のみぎりからすでに童貞をこじらせていたのだ。惜しむらくは、なぜそういう才能(?)をすくすくと育てていかなかったか、ということなのだ。もしそのような創作を続けていたなら、今頃の俺は早見純やダーティ松本や木工用ボンドを凌駕するような変態漫画家になれていたのではないだろうか?いやもしかするとある時にいい具合にそのような嗜好をアウフヘーベンして新堂エルやら「らんま1/2」やらを越えるようなTS作品をものしていたのではないのか?なぜそうならなかったのか。それは、その当時、小学校低学年の自分であってすら、おのれの描いたものがインモラルで発表するには恥ずかしいものであると感じたためなのである。この作品が実際にペン入れされてクラスメートに公表されたかどうかは記憶が定かではない。今の自分はそれを改めて追及する勇気を持たない。ただ、あの時自分は確かに、初めて他人に公表するつもりで漫画を描き、それはTS作品であった。かかる変態嗜好が今の恥知らずな人生にしっかりつながっていることを実感して消え入りたいような気分になる反面、ちょっと誇らしくもあるのである。


_ [数学]スミルノフ第1分冊。

汚れた過去を拭い去りたいような気分にも後押しされつつ、高等数学教程の続きを勉強。今日は極限の概念の導入。大学入りたての時に大変苦労させられたε、あるいはεδの考え方が出てくるが、さすがに直感的な理解はできた。だが、数学的に正しい説明ができるかと言えば自信は無い。ただ、ランジュバン関数のことを知っていることで、定義されていない点においても関数が極限値を持ちうる(x=0において除去しうる特異点を持つ)ことは良く理解できる。まだまだこのレベルは大丈夫だと思うが、どこまで続けられるか。この本に即した問題集なんかあると良いかもと思う。スミルノフの教科書はかなり昔からあるのに今も新刊で入手できるんだなあ。


2015-11-06 [長年日記]

_ 会社の事務所移転。敷地は変わらず。

本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

_ うにゃ [新たな出会いもあるのかな]


2015-11-07 [長年日記]

_ 英会話。今日も数分のプレゼン資料を作ってみた。最近日経ビジネスで昆虫食のことを読んだので、そこから思い出したいくつかのことをネタにした。1800年代の後半にイギリスのHoltと言う人が昆虫食を勧めるパンフレットを出版したのだが、彼はそれを健康のために、と勧めていたらしい。現代においては、未来の食糧危機に備えて昆虫食を、という論調に変わってきている。ところでもっと昔のアイルランドにおいてはガリバー旅行記の作者であるジョナサン・スゥィフトが、「控えめな提案」をしていた。新生児を、繁殖のためのものと食用のものとに分けて、後者は1歳になるまで手厚く育てたのち、フリカッセやソテーに供する。もう少し穏やかな提案は1970年代のMGMフィルム「ソイレント・グリーン」によって与えられたものである。soilent=soy(大豆)+lentil(レンズマメ)からの造語だが、これは死亡した人間が材料である。だがもちろん、生き残るためには昆虫食を選ぶ方法もある。やはり70年代の映画「パピヨン」のスティーブ・マックイーンのように。コンクルーディング・クエスチョン。さあどちらを選ぶ?
 ところが、プレゼン相手のテリー先生(仮名)はボーイスカウトでサバイバル授業を担当したことのある上級者であって、チョウやガの幼虫は毒を持っているものが多いから注意とか具体的な知識を有していたのである。必要に迫られたら、きっとスカベンジングも昆虫食もしていかなくてはならないのだろうと思う。この話は、自らが飢餓的状況にない場合にのみ(悪い)ジョークとして成立するものだ。物を食べるという行為はそのコミカルな見かけほどにのんきなことではないのだ。


2015-11-08 [長年日記]

_ [放送大学] ドイツ語。

今日と来週の日曜は放送大学でドイツ語。先回会話編で習ったのと同じ先生。今回は文化編と言うことだが、バッハやワグナーや亀の甲文字のような内容が出てくるわけではなかった。気づいたこと。女性名詞には末尾がinになるものが多い。キクリンとかまめりんとかは女性っぽい愛称という訳だ。ドイツの人は職業を聞かれて「会社員(Angestellter)」と答えることは無い。仮に昔俺の母が先生で今は引退していたとしても、"Meine Mutter war Lehrerin."とは言わない。今も生きていて、かつて先生だったのなら、彼女は依然として"Sie ist Lehrerin."と現在形で言うべき、なのだそうだ。彼らは組織の中で人材を育てるという発送発想を持たない。営業で入社して経理を経験して人事に移ってするうちに出世している、といったコースはありえない。大学で文学を専攻しておいて銀行員になるようなことは無い。名詞には聖別性別があるから定冠詞もそれに応じて変えなくてはならないが、万一性がわからなくても、定冠詞をつけないよりはdasでもderでもdieでも適当に付けておいた方がましである。ドイツの南端は北海道の北端くらいの緯度にあるが地中海の影響でちょっと温かい。最近はビールもジャガイモもソーセージも人気が無くなってきているらしい。格が四つあって名詞に性があって変化形が複雑だが、逆にヒアリングやら長文読解には都合がいい。文法の規則なんて所詮限りがあるから存分に覚えておけば後が楽だ。そういう発想は無かったなあ。じゃあ語学なんてなんでもそうじゃないか。来週も楽しみ。
 その帰りに横浜市中央図書館に寄って借りてた本を返そうと思ったが、センターのある弘明寺にも南図書館があることが分かったのでそちらに行ってみた。弘明寺公園の中にあるのだが、坂の下の方から行ったら公園一周のウォーキングになってしまった。展望台があって、バカップルがいちゃいちゃしてるんじゃないかと思いながら登っていったらやっぱりいた。

本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

_ きだ [英語も満足に使えない身としては、独語も学ばれるなんて驚嘆です。 かつて越南系米国人技術者に「Language is..]

_ けい [クラスにはドイツに住んでた人やら統一間もなく国内ほぼすべて訪問した人とかいて、道のり遠いなあと。なんか他にもドイツ語..]

_ きだ [実は第二外国語は独語だったのですが、第九を丸暗記して書けば単位くれる先生でした。w 単語や文法はまったく身につきま..]

_ けい [そういう先生って今も存在してるんだろうか。俺の大学時代の統計学の先生は応援団の顧問で、寮歌の歌詞書けば通してくれたよ..]


2015-11-09 [長年日記]

_ 父の人のタブレットPCがONしなくなったので代理でサポートに電話。事前にネットで電話の時間を予約できる。症状を告げると、一応の確認でBiosの起動を確かめる(電源ボタンとプラスボタンを同時に長押しするんだそうだ)。引取り修理となった。窓口違うので今日はここまで。


2015-11-10 [長年日記]

_ 父の人のタブレット(本当は母にプレゼントしたつもりだったのだが結局父が使っていた)の引取り診断の申し込み。とりあえず基板が怪しいらし(ちなみに電源ボタン+マイナスボタンって言われたぞ、今日は。そっちもやったけど改善はしなかった)く、それを交換することになるなら買うのとそう変わらない金額掛かるらしいという良くある話。診断してもらって決めることにしたがデータがもどってくるかどうかが実に微妙な感じ。


_ [漫画] 「ウルトラマンネクサス」椎名高志、2015.

「絶対可憐チルドレン」の他にもなんか描いてないのかな、最近。そう思ってアマゾンで検索したらこの本が出てきた。椎名さんがウルトラマンと言うのもちょっと違和感あるが、それもネクサスと言うウルトラシリーズ中最大の異端作をコミカライズするとは。単行本観光までに10年かかってる。かなり頑張ってダイジェストしてる。ネクサス自体が放送回数短縮になったのに伴って本作の「てれびくん」連載もまた予定より早く終わってしまい、単行本化はうっちゃられていたようだ。このタイミングで刊行された理由は良くわからないが、俺はネクサスはファミリー劇場(当時はウルトラシリーズをさかんに放映していた『ウルトラファイト』もほぼこれで見た)で毎週日曜に放映してたのを楽しみにしてて、夕食食べながら見てた。作品はダークでグロいときもあったっけ。そんな風に懐かしい作品。

_ 鉛筆はここまで使えます。

IMG_4939

削れる部分の理論限界に限りなく近いところまで削る。鉛筆にはこれが供養。物欲の行きつく先がすべてこうであるなら、俺に所有されるモノたちは皆幸せであるに違いないのだが。
 …と、補助軸外したらどのくらい短いのかを撮影しようと思ったら、ころころ転がって物陰に入って行方不明になってしまった。


_ ところで、先日札幌に行った時の事。行けば父母の人たちのご機嫌伺いの合間にジンギスカン食したりするわけで。先日はそれで赤レンガ近くのまつじんに行ってみた。なかなかすすきのの有名店「だるま」に行けないのだがまあまつじんは昔住んでたところがまさに本店のあるところだったわけなので申し分ないチョイスではある。なんとか予約なしでも席が取れて、とりあえず三種一皿ずつ頼むのだがそれぞれに野菜が付くとさすがに多すぎるでしょうとの店員の女の子のアドバイスを受け入れて野菜付きはふた皿。1人で焼き肉食べるのは全然平気で、焼いて食べての合間は途切れることが無い。昔はさらに文庫本なんか読みながら焼肉ぱくついてたがいまは落ち着かないので食べるに専念することにしている。そうやって羊たちとの戦いは俺の圧勝に初めから決しており、彼らはクラリス・スターリングのカタルシスのときででもあるかのように完全に沈黙していた。そしてBGMはジャズ…おっとなんか変なのがかかり始めたぞ。これは…セロニアス・モンクではないかw モンクのピアノは焼肉には全然合わないなあ。嚥下した肉が消化器官とは違うどこかに引っかかっておりてこなくなりそうだ。そういえばみうらじゅんは、ボブ・ディランの曲がセックスのBGMにはぜんぜん合わないって「アイデン&ティティ」に描いてたっけ。無論俺がモンクを愛好しており、それ以上にみうらさんがディランを愛してることは言うまでもないことだ。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]

_ うにゃ [まつじんいってみよっと。今度ご一緒してくれませんか]

_ けい [調べたら銀座と赤坂にもあるみたい。料金は札幌より2割くらい高いようです。]

_ うにゃ [先日千歳空港にもありました。時間なくていけなかったけど。空港にはラーメンもたくさんあるし便利だね。]


2015-11-11 [長年日記]

_ 今日は独身の日だったり、+-+-で電池の日だったり、なんかいろいろ。1111から麺の日、ポッキー&プリッツの日、きりたんぽの日、もやしの日、たくさんのワンがあるからたくわんの日、美しいまつ毛の日、靴下の日、下駄の日、チンアナゴの日…ちなみにチンアナゴは顔つきが犬の狆に似てるからそういう名になったというんだが、どう考えても違うでしょ。チンチ○アナゴでしょ。


_ 鈴木亮平くんは二枚目すぎなくて使いやすい俳優、という評判だけを聞いていたのだが、最近のTarzanに出てる記事見て知った。こいつw変態仮面だったんじゃんw この役やるためにすごく体を追い込んだらしい。これは…見なくてはならん。


2015-11-12 [長年日記]

_ 生まれてはじめてザクロ買って食べた。食べ方わからなかったのでとりあえず縦に切ってみたら、Oh, my Godness!まるで殺戮現場だ。血潮滴るだ。アメリカの歌だ。食べてみた。酸っぱくてうまい。種を取り巻くように果汁の詰まった袋(種衣と言う)があり、トウモロコシの実のように果皮の内側にくっついてるのをはがして種ごと食べる。プシュっと種皮が破れて真っ赤な酸っぱい果汁がブシュウと流れ出てしとど味蕾を犯していると同時に種がコリッコリッと歯触り良く砕け(←ちょっと小泉武夫先生の文章を意識してみました)、独特な初めての食感は何かいけないものを味わっているような背徳感を引き起こす。この罪の味を古代ギリシアの人々は、地母神デメテルの娘ペルセポネが冥界で味わったものと同じと考えた。ペルセポネは冥王ハデスにそそのかされて冥界でザクロの実の中にあった12の種のうちいくつかを食べた。日本の神話と同様に(このことはいつも俺を驚かせる)、冥界での食事、すなわちヨモツヘグイを行えば現世に還ることは叶わない。しかしすべてを食したわけではないしそもそもハデスの奸計である(ペルセポネが冥界に来たのももとはと言えばハデスのキッドナップが原因である)、ということで特例が認められ、ペルセポネは一年のうちある期間だけ冥界でハデスの妻として過ごすこととなる。その間地上は母のデメテルの悲嘆に満たされて恵みをなさないようになった。それが冬である。冬の成因がザクロであること、ザクロが血潮を想起させること、ペルセポネが冥界の花嫁であること。これらは無関係ではないだろう。


2015-11-14 [長年日記]

_ アメリカがISのジハーディ・ジョン(ISにはイギリス出身のBeatles−Beetles?と呼ばれる4人がいるとのこと。つまりこのジハーディ・ジョンのほかにリンゴとかポールとかジョージがいるということだろう)をドローンを使って空爆したという。同時にパリでテロが起こった話と頭がごっちゃになってたのに後で気づいたが、そんな話題で今日の英会話は始まった。ドローンが個人を攻撃したと聞いて驚いた、操縦テクニックも必要だが、おそらく画像認識の技術なども使われていることだろう。アマゾンは近い将来ドローンでデリバーすることを考えているらしい。ドローンの攻撃からどう身を守れば良いだろう?
 テリー先生は「You can’t.(防げないよ)」という。撃退用にMongolian eagleを飼ってはどうか(調べたらイヌワシのメスを使うらしい。体長75cm以上ある)、テグスを張り巡らせておけばプロペラが絡まるだろうとか思いつきをあれこれ話し、ジャミングを検討すべきではという結論。アキハバラで妖しい店を探してみては、と勧められた。そのあとは先回話題になった収斂進化の件をパワポまじえてディスカス。実は最近これがはまっていて、テリー先生はテキストの進捗が悪いのをちょっと気にし始めた模様。次週は手ぶらで行くかな。でも小さなパワポファイルが貯まっていくのは少し気分良くはある。

_ 帰宅。デスクの前でちょっと寝てしまう。寒いなあと思いつつでもうとうとしてた。魔窟はPCもレコーダーも24H稼働中なのであちこちで発熱してるのだが、それでもTシャツだと寒さを感じる季節になった。手先足先が冷えると活動が著しく鈍るのは問題だ。日テレで千国街道を歩く番組をやってて懐かしく思いながら見てるとこ。安曇野が映ってる。自転車レンタルしてぐるっと周ったのを思い出す。GWの頃だがまだ肌寒かった。大王わさび園の美しい水の流れ、路傍の優しげな双体道祖神、そうした思い出も消える。涙のように、雨のように…今雨降ってる。ネオファースト生命(なんか手塚治虫の絶筆みたいな名前だ)のCMが流れる。二階堂ふみが鬼太郎の母という設定で出てる。この人宮崎あおいちゃんと似てるなあ。でも、鬼太郎の母親ってこんなのだよ。


_ 追記。ジャミングは無免許でやると日本の電波法に引っかかるようなので合法的にやるなら総務大臣の許可がいるようだ。テグス張り巡らすと鳥獣保護法に引っかかるのではないかと言う気もする。イヌワシは日本では天然記念物で保護対象だから飼育はできないだろう。撃退用のドローンを用意するしかない。


_ もう一つ書こうと思ってたことがあった。英会話で収斂進化の話をしてたとき、話題に関連したので以前読んだヴェルコールの『人獣裁判』の話をしてみた。そして、この物語はアメリカで映画化されている。見たいのだが見つからない。ちなみにトロピ族の雌と子をなす役はバート・レイノルズだ、と言ったら、そのバート・レイノルズでテリー先生は手を叩いて大いに喜色を表わした。やはりバート・レイノルズはちょっと香ばしいシンボルとして広く受け入れられているようである。映画を探してみるといってくれたので大いに期待している。70年代の映画。アマゾン・アメリカ店(?)でもポスターくらいしか売ってない逸品。英語版wikipediaにポスターが載ってる。


2015-11-15 [長年日記]

_ [放送大学] ドイツ語。

先週に続きドイツ語。今日の驚き。「わたしには●●がある」という言い方をhabenを使って”Ich habe....”というが、Vater(父の人)・Mutter(母の人)にはこういう言い方は決してしない。なぜなら、父も母もなしに生まれ出人はいないから。授業の時にはなるほどと思ったが、じゃあ父も母も健在ですというのはどういえばいいのか。そういう質問をしまった思いつかなかった。


2015-11-16 [長年日記]

_ [新聞を読んで] 読書欄

日経の読書欄は特に楽しみな記事だ。で、読みたくなる本が必ず2−3冊は出て来て、俺のアマゾンの欲しい物リストがどんどん増える。「あとで買う」が上限600個を時々越えたり「欲しい物」も450は越えている。そんなに本が読みたいんなら日経新聞なんて読まなければいいのだがなあ。


2015-11-17 [長年日記]

_ 大相撲で久しぶりに猫だましが火を噴いたそうだな。しかも横綱がwまあどうでもいいんだけど、遠藤が日曜のニンニンジャーのときのCMで「だっこだっこだっこだっこだっこちゃーん」って歌ってるのもお笑い草だし。

_ [読書] 「鼻ほじり論序説」ローランダ・フリケット著、難波訳、バシリコ、2006.

だってしょうがねえじゃんかよー。見つけちゃったんだからよー。買うだろうよー。ちなみにここで見つけた。こうなるとウィキペディアなんだかアンサイクロペディアなんだかわからないって。ちなみにローランド・フリケットという著者名も、Roll(丸める) and Frick(弾き飛ばす) itからつけたそうな。

_ [語学] エンジョイ・シンプルイングリッシュ。

このNHKラジオ番組では簡単な英語の音声を流している。残念ながらCD売ってないみたいだがNHKのサイトで登録すれば

ストリーミングで聞ける。水曜日はツバサとエマが東海道を歩くという番組。全部聞きたいな!今、箱根越えて吉原の左富士(江戸から歩いていくと、ここともう一か所藤沢のあたりでだけ、行く手に向かって左に富士山が見える箇所)の話してる。


2015-11-18 [長年日記]

_ [漫画] 「パンダのパ」河あきら、ジュールコミックス、2015.

著者がくも膜下出血で入院・リハビリを体験したことがモチーフとなっているようだ。最終話の主人公はまさに作者自身をモデルとしているのだろう。「パンダのパ」は食事の前に嚥下を好適に行えるようにする発声である。病気を克服して漫画が描けるようになったことはファンとして嬉しい。病み上がりを示しているかのように、河さんの作品の味わいどころであるキャラクター同士の絶妙な掛け合いがあまり見られなかったのは少しさびしかった。


_ [物理学] 慣性の法則(ランダウの力学)

空間が等方的で均一であるならば、ラグランジュの方程式に並進対称性を仮定することによって、ラグランジアンの速度ベクトル(の各成分)による偏微分は時間に依存しないことになる。ラグランジアン自体が等方性の仮定によって、質点がどこに向かっているかには関係なく、ただその速さ、つまり速度ベクトルの絶対値だけに依存することになる。速度ベクトルの絶対値を速度ベクトルの各成分で偏微分するとそれは必ず各成分に依存する形になる。\[\frac{\partial |\boldsymbol{v}|}{\partial v_x} = \frac{v_x}{|\boldsymbol{v}|}\]などとなり、速度ベクトルの大きさ$|\boldsymbol{v}|$を変数に含む関数を各速度成分で偏微分した結果は、必ず成分$v_x$に依存するのである。ラグランジアンの速度ベクトルによる偏微分もまたそうであり、それが時間に依存しないためには、各速度成分自身が時間に依存しないことが必要である。つまり、止まっていたものは止まり続け、動いていたものは等速度で動き続ける。これが慣性の法則である。つまり慣性の法則は、ラグランジアンが等方的であり並進対称であるような世界で起こることである。こことかこことか見ながら計算して、ようやくこんな感じの事だということを納得し始めている。だが、この時点でランダウの教科書は、ラグランジアンがどのように構成されるかと言うことをまだ示していない。それが示されるのが次のセクションと言うことになる。来週それを学ぶことができたら、一度ここに帰ってこようと思う。おそらくこの議論が、ネーターの定理につながっていくのだろう。これも有用そうだ。


2015-11-19 [長年日記]

_ そういうわけで、今日は脳の勉強でもしようかと思う。気が滅入ってるとやられる、それで落ち込んだらもっとやられる恐ろしい仕組みでも真実らしい。脳!脳!脳!脳!


2015-11-20 [長年日記]

_ ヨガ行ってきた。筋トレずっとサボってる。また体重が微増傾向で暗くなる。びっくりぽん、です。


2015-11-21 [長年日記]

_ ついおととい。ダメもとでYoutubeを探してたら、ヴェルコールの「人獣裁判」を原作としたアメリカ映画"Skullduggery"のトレイラーを見つけた。見た限り、そして俺の拙いリスニングによるなら、ヴェルコールの原作の佳境と言うべき裁判のくだりまでがかなり効率的にダイジェストされているように見えた。見たいなあ、本編。すごく見たいなあ。ちなみにskullduggeryとは卑劣な行為のことを言うらしく、skullともduggerとも関係ない単語。さて、英会話教室にて。テリー先生(仮名)にそのトレーラーをiPadを使って見せてあげた。監督のゴードン・ダグラスの名前を先生は覚えてはいなかったようだが、「放射能X」(アメリカでのタイトルは"Them!")のことはご存じでいらしたのであった。それで、Skullduggeryの主演のバート・レイノルズにどんなイメージを抱いているかと来てみたら、「キャノンボール」の主役、タフガイ、ということだ。どちらかというと真面目な人と言う印象があったので、apeとセックスして子供を産む(そうだ、今書いてて説明し忘れたことを思いだしたが、確か原作でも”人工授精で”子を為した、と書いてあったはずだった。しまった、誤解させてしまった…)ということとのギャップに笑ったのだ、とおっしゃる。つまり俺が感じていたような香ばしさゆえに笑ったわけではなかったのである。ちなみに、俺が「(バート・レイノルズは)Sexy guy?」というとその通り、口ひげがセクシーだとおっしゃる。俺は、メル・ブルックスの「サイレント・ムービー」に出てきたバート・レイノルズの話をして、鏡の中の自分にウィンクしてたというと案の定受けた。これでテリー先生もバート・レイノルズを香ばしいキャラクターであると認識くれた筈である。前にも日記に書いたが、そういうよしなしごと、マニアックな会話を英語でできるようになるということこそが、俺にとっての英会話教室に通うためのモーティベーションなのであった。つくづく思ったことだ。
 帰りがけに寄った古本屋で中島史雄の「さくらんぼ前線」を400円、「メス化する自然」と「チョムスキーと現代哲学」をそれぞれ100円で購入。合わせて買ったら値引してくれて合計420円と言う極めてお得な買い物になった。


2015-11-22 [長年日記]

_ ヨガ行った。筋トレも。久しぶり。ヨガの後、2時間強、これも久しぶりのウォーキング。夜の7時ころからスマホのらじるらじるでNHKニュースを聞きながら歩きだす。その後は西田敏行と竹下景子の「新・日曜名作座」、そのあとはオリラジの出る番組を避けてNHK第2にダイヤルを変えて、カルチャーラジオ。そして文化講演会と続く。俺の好きな夜の過ごし方だ。カルチャーラジオは今は赤沢威「最後の隣人・ネアンデルタール人を求めて」というのをやっている。ネアンデルタール人の食生活を炭素・窒素の安定同位体比率から調べると、イヌイットと近いのだそうで、肉食が主体であったようだ。優れたハンターであったようだが、遺物としては手槍くらいしか出てこないので、ハンターと言うよりもファイターと言うべきかもしれない。骨折の状況を見ると、ロデオで起こる骨折と良く似ているのだそうだ。必要カロリーは現代人の2倍ぐらいであったとのこと。彼らの特徴的な形質は寒冷地に適応したものであるらしい。その後の文化講演会では上野誠奈良大教授による「三輪山 巨大な神座」。奈良は高校の修学旅行で行ったっきりだ。日本の古代への興味は40歳を超えてから沸き起こってきた。行きたい。たたなずく青垣を眺めて大和の麗しさを体感したい。


2015-11-23 [長年日記]

_ 永青文庫に来ました。

IMG_4956

_ 地下鉄江戸川橋駅から坂を登って、ここに見に来たのは春画展。細川の殿様は思春期にこういう良質なエロを堪能していたのだろうと思うと羨ましい。分厚い図版4000円と手ぬぐい一枚買った。あとで機会あれば感想書く。


_ とりあえず帰宅して図録をパラパラめくった。展示されていない資料も載っていて、あっけらかんと”無修正”。これがどうしてわいせつ物頒布等の罪に問われないのかよくわからないのだが、そんなにおおっぴらに見せてたわけではないにせよ、日本人の性愛観というものは本来大らかだったのであって、今もって性器そのものの表現が解禁になっていないことは本当に不思議なことなのだ。1991年に篠山紀信と樋口可南子が共に謀って日本にヘア解禁をもたらした以上のポルノグラフィカルなイノベーションは起こっていないのである。今こそ告げよ、江戸に還るのだ、と。


2015-11-24 [長年日記]

_ 昨日帰宅したらマイナンバーの通知が来ていた。再配達は翌翌日以降になるらしいので、区の郵便局に来た。ざっと10数人待ち。配送が遅いことにかこつけた詐欺も横行しているとのことで、ここは素直に列に並んで早々に手続き済ませたいところ。


2015-11-25 [長年日記]

_ 何故か俺の右手の親指の爪だけが黒く汚れている。風呂に入っても落ちない。一体どうしてなのか、何日も不思議に思っていたのだが、やっとわかった。トマトのヘタの色が染みたのだ。この頃俺は家では毎日トマトを3-4個食べている。食べやすいように切ることなぞ思いもよらない。ただ食用に適さないヘタだけを取り去って丸ごと食べる。おかげで部屋着(←というと聞こえはいいが、家ではほとんどブラとパンティしか着けていないことが多い)のあちこちがリコピンだらけのまだら模様になる。で、このヘタを取るときは、何も考えずに右手の親指をひっかけて向こう側に押してもぎ取っていたので、その色素が爪に染みついたという訳だ。こんな汚い爪をしていてはジゴロの名折れだ。という訳で気づいてからはずっとティッシュを押し当てて行なうようにしている。こらそこの中二、「ティッシュを押し当てて行なう」のところに反応するんじゃあない。


_ 原節子さん、逝く。

ティッシュの事とかくだらないこと書いてる場合じゃねえよ。ついさっき入ったニュース。

9月に亡くなっていたのだそうだ。95歳。追悼しなくては。そういえば3年前にシルビア・クリステル姉さんが亡くなったときにも追悼と称してエマニエル三部作見たっけ。女優の死亡は俺にとっては経済活動のきっかけでもあり、またその人についての見分を広げるきっかけでもある。でもセッちゃんは本当に好きな人なんだ。今も。在りし日の姿を偲び心よりご冥福をお祈りします。


2015-11-26 [長年日記]

_ [映画] 節ちゃんを偲んで。

 そういうわけで、週末から喪に服すようなつもりで、節ちゃんの出た映画をとりあえず5本くらい見ておこうかと思う。「東京物語」は本来絶対にはずせないはずのものではあるが、何度も見ているのでとりあえずちゃんと見たことのない、そして主に小津安二郎監督作品以外からセレクトした:
  • 「河内山宗俊」山中貞夫、1936年。
  • 「わが青春に悔いなし」黒澤明、1946年。
  • 「お嬢さん乾杯」木下恵介、1949年。
  • 「山の音」成瀬巳喜男、1954年。
  • 「小早川家の秋」小津安二郎、1961年。 最後一つだけ小津作品が入った。この5作のうち「わが青春に悔いなし」を除いて、全て俺んちの魔窟ライブラリにすでに存在している。本当はデビュー作で芸名のもとになった節子役で出る「ためらふ勿れ若人よ」も見たかったがアマゾンでも見つけられない。古い順にみていくつもりなのだが今日は見られないような気がする。

  • _ 先日の「春画展」感想続き。

    当日(11/23)、人気だというので混むと思い、午前中から出かけて10時過ぎに永青文庫に。やはり混んでいた。思いついていく途中の池袋駅のチケットショップで券を買っておいたので会場で待たずに済んだ。順路に沿っていくといきなり「稚児之草紙」。というわけでのっけからBLというのが良い感じ。
     客は男女同数位と見えた。俺より少々年上の男性3人、仲間で来ており、おしゃべりをしながら進まない行列を耐えている風情。「おーおー、でっけえなあ」とか「負けた」とか「三所攻め」とか「結構女が来てる」など、即物的に過ぎる感想を吐いている。そういうものばかり描かれたものがこのあとどんどん出てくるのだから飽きてしまうのでは…などと余計な心配をしつつ、手帳にメモを取り始めたら係りの人が鉛筆を渡してくれた。そうだった、博物館や美術館ではメモは鉛筆に限定されるのをすっかり忘れていた。しばらく来なかったから、こういうところに。
     さて作品は続く。「袋法師絵図」女のたくさんいるところに忍び入った坊さんが、人目をはばかるとて袋をかぶせられて局部だけ出してことに及ぶ。その袋に入ったままで女を抱く姿がオバQを思わせる。オバQに抱かれる女…。長谷川等仙「花園春画絵巻」。口唇愛撫の様が克明に描かれ、実におおらか。
     先へ行って、鳥文斎栄之「四季競艶図」着物だの床の間の品物だの「四季」と銘打つ故となる花木だのの精緻な描き込みと鮮やかな色彩。こうなると作者が本当に描きたかったものはどう考えても画面中央にあけすけも無く描かれた男女の結合部分「ではない」のじゃないかと思われる。実際その部分や男女の脚部などはどうでもいいようにシンプルな描線で描かれている。一応これ春画だから描いとくけど、みたいな感じに思えてしまう。だが笑えるほどに一見無表情な男女を見ているうち、伏し目がちの女の表情が次第に恥じらいと期待とそれらを打ち消そうと努める冷静さの間を揺れ動いているかのように見え始める。そこに付け入ろうとする男のスニーカー行為。たとえば江戸の頃の遊郭での一戦はこんな感じだったのだろうか…高度に様式的に装った遊女のそこだけ生身であるような吐息が微かに香るような気がする。
     ここに集められた春画は武家の中でも上流の家に伝えられたものが多い。古い中国の皇室では後宮を12人控えさせる習慣があったらしく、そんなゴージャスな閨事を想起させるのか、12枚で一組となっている物が多いとのこと。続く、気が向けば。


    _ 誰でもそうなんだろうが、俺は季節で大きく体調が変わる。それぞれの季節の俺はまるで別の体を持っているかのようにさえ思える。体細胞がすべて入れ替わるのに2年かかるとするなら、季節ごとに1/8くらいずつ違う体になっている計算だ。今、その体は冬向きに変わろうとしている。空気の乾燥に馴れ、寒さからくる血管の収縮に馴れ、鼻腔には鼻汁が増え…。腸内フローラの事はまだよく知らないのだが、それが体調を大きく左右していると聞く。だとするなら、腸内フローラにもその「四季」と言うべきものがあるのではないか。つい先日まで紅葉が見ごろだったのではないか。なんてね、ちょっと思ってみただけ。


    _ で、春画に続いて、なんて言っていいのかな。今、「一遍上人聖絵」の全巻全段(12巻48段)が公開中なのである。遊行寺宝物館、神奈川県立歴史博物館、金沢文庫の3会場に分けて展示中。一日に2か所以上梯子するのはちょっと辛い気がするのだが、12/13か14で展示が終わってしまう。うん、どうしようか。

    本日のツッコミ(全4件) [ツッコミを入れる]

    _ きだ [今日13時半からNHK BSで「東京物語」やるそうで、やはりこれが代表作なのですね。 往年の美人な女優さん、という..]

    _ けい [話は退屈かもしらんですが、いろいろツッコミながら見ると楽しいかもです。最後の方で節ちゃんが笠智衆と「あたし、ずるいん..]

    _ きだ [見ました。人が亡くなる話だったとは。(;_;) 泣き崩れる紀子さん、ええ人だと私も思います。ずるくないです。 出..]

    _ けい [あんたもええ人じゃの。本当じゃよー。byリュウ(智衆)]


    2015-11-27 [長年日記]

    _ [漫画]「激マン!」1−6巻、永井豪、ニチブンコミックス2010-2012.

    節ちゃんの追悼やるとか言っておきながら息もつかせずに6巻ぶっ続けで読んだ。デビルマンを描いていたころの自伝的漫画。デビルマンは軍事力を持った日本の暗喩であるというようなことを書いているが、連載当時にそんな理屈っぽいことをはたして永井豪は考えていたのであろうか?なんて引っかかったところもある。そのデビルマンを引用する際には、過去に描かれたものを採録するのではなく、たぶんすべてが新たに描き直されている。永井豪良いよなあ。「馬子っこきん太」読みたい。


    2015-11-28 [長年日記]

    _ 新しいカップ。

    IMG_4977

    最寄駅前のスーパー店頭にはいろんな出店がくる。合羽橋からセトモノを売りに来るのももう何年も続いていて、来るたびにちょいちょい覗くが、この頃はあまり買わない。いいと思っても、今以上に洗い物が増えるのが嫌だから。でも、猫のマグカップは特別。気に入ってたものもずいぶん割れた。それでも10個以上あり日替わりで使う。飾っているだけなんて愚かなことだ。本当は、安物でも割れたら金継して使うべきなんだろうが、継ぐ金の方が高く付くので…。


    本日のツッコミ(全1件) [ツッコミを入れる]

    _ うにゃ [ペア? ]


    2015-11-29 [長年日記]

    _ [博物館] 一遍聖絵を見に行った。

    一遍聖絵全巻全段展示が開催中。神奈川県立歴史博物館と金沢文庫と藤沢の遊行寺で開催している。スタンプラリーもやってるらしいということだったので、まあどこからでもいいだろうと思い、今日は神奈川県立歴史博物館に行ってみた。最後に行ったのいつだったか。日記見ると2006年の4月に神奈川の神道美術という企画展を見に行っているようだ。たしかミュージアムショップのスタンプカードも作ってる。ついてから持ってくれば良かったと気付いたがafter the festivalだ。せっかく来たからと常設展も一緒の切符を買った。尋ねるとスタンプ台紙は藤沢でしか配布してないそうだ。それに、先に書いた3か所の他に上野の東京国立博物館もポイントになっているらしく、会期最終日の12/13までに全部制覇できる自信は無い。
     ともかく特別展見始める。先週見た春画展の時も思ったが、崩し字をもうちょっと読めた方が楽しいな、こういうとき。絵巻の楽しみ方も放送大学で習ったのにかなり忘れてしまっている。一遍上人はアクティブな坊主で、絵巻の中でも明らかに他の登場人物よりも日焼けしたキャラになっている。遊行上人・一遍は鎌倉時代の人(1239-1289)で踊念仏で名高い時宗の開祖。鎌倉の頃の街道のことはあまりよく知らないのだが、北は平泉くらいまでは行ったらしい。それで、奥州路の白河の関で明神にお参りしたと絵巻に書いてあるのだが、学芸員による解説文を見るとこれはいわゆる白河の関、奥州街道から5kmほど東にある松平定信によって比定された白河の関であるとみているようだった。ただ、もしかするとここでいう関の明神というのは奥州街道(現代の国道4号線)に沿った栃木と福島との境の明神のことであるかもしれない。これを考証するのは自分には興味がある。絵巻には上人の訪れた様々な場所が現れる。静岡の三島神社などは町の通りに面した大鳥居から太鼓橋を渡って総門に至るあたりなど、現在とほとんど変わっていないように思えた。ハクチョウが飛来していたらしいこと以外は。一遍聖絵はこのように、各地の名所絵として鑑賞されてもいたようであり、俺にも一遍上人その人に対してよりも、中世の旅の資料として興味深く思われた。
     一通り見てミュージアムショップで図録2000円、手ぬぐい1000円、それからこんなのが出てるとは思わなかったが岩波文庫の「一遍聖絵」(詞書部分を収録しているようだ)、あとは特別展とは関係ないのだが「2007年特別展ようこそ神奈川へ」図録(昔の駅弁の掛け紙や切符などが載っている)、ウォーキングマップ「ホントに歩くR246」、さらには以前本屋で見てはいたが買うまいと決めていた「ふしぎの国のバード」第一巻(明治期に日本を旅して『日本奥地紀行』を残したイザベラ・バードのことを漫画化したもの。佐々大河・著)まで買ってしまって6000円以上のお買い物になってしまう。まあそうなるかなと覚悟はしてた。買い物終わって安心して、久しぶりに関内・モハンでカレー食うかと歩き出したら、常設展見るの忘れたことに気付き引き返す。ただ、以前見たときと(半分以上忘れてはいたけど)展示はほぼ変わっていなかったので、余計だったと反省。まあ全部見た。多少気づかされたこともあった。そしてモハンに行ってやはりライスもナンもなしでサグ・ラム(ホウレンソウで色付けした緑のラムカレー)とタンドリーチキンとシークカバブ。なんか味が落ちたんじゃないかな?東神奈川のセララの方が旨く感じる。一度帰宅してヨガに行ってやっぱり今日もなんかあわただしかった。


    2015-11-30 [長年日記]

    _ 水木さん。。。

    また一人追悼すべき人が。なんてさむしい年の暮となったことだろう。
     水木さん。俺は小学校に上がる前からあなたのマニアでした。会社づとめに行き詰まりを感じるとき、「なまけものになりなさい」(みずからは怠け者どころか現役最高齢漫画家としてつい最近まで健筆を奮っておられたというのに)というあなたの言葉がどれほど救いとなってくれたかわかりません。あなたが一生涯その謎を追い続けていた世界に、とうとうあなたは行ってしまわれた。さびしいです。でもあなたが素晴らしく多くの作品を残して行ってくださったおかげで、それらを読み解くという大いなる慰めが俺にはまだ残っているのです。ということを感謝しつつ、京極氏の大願と言うべき全集刊行にも大いに期待しつつ。本当に、本当にありがとうございました。


    トップ 最新 追記

    Categories | Python | 8801 | あんちゃんの自作ゲーム発見した | かながわのハイキングコースベスト50から | かながわの景勝50選 | アニメ | カムバック!マイ中二時代 | コンピュータ | ゴミレポ | テレビ | テレビ・ラジオ | トレーニング | ドラマ | パズル | プログラミング | ヨガ | ラジオ | 映画 | 英会話 | 奥州街道 | 音楽 | 下田街道 | 科学 | | 街道 | 関東ふれあいの道 | 紀行 | 京街道 | 郷土史 | 金沢道 | 熊野街道 | 栗山千明 | 経済学 | 現代湯治考 | 古新聞を読んで | 語学 | 交通史 | 口グセ | 甲州街道 | 綱島街道 | 香り | 殺害された言葉 | 自転車に乗って | 七十二候 | 食べ物・飲み物 | 食事 | 食品物理学 | 新聞を読んで | 森高千里 | 身延道 | 数学 | 生きもの | 千国街道 | 川越街道 | 銭湯 | 善光寺西街道 | 中原街道 | 超歩行者キュウカイダー | 怒りの日記 | 東海道 | 統計学 | 特撮 | 読書 | 二十四節気・七十二候 | 日光街道 | 猫の額 | | 博物館 | 姫街道 | 物理学 | 文具 | 米沢街道 | 抱腹絶倒オヤジギャグ | 放送大学 | 豊後街道 | 漫画 | 漫画・アニメ | | 夜へ急ぐ人 | 矢倉沢往還 | 愉快なジム仲間 | 料理 | 歴史 |