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けいりう堂日記

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2008-12-08 下田街道・天城越えその2 [長年日記]

_ [下田街道] 今日のひとこと。

「おお、俺は去年ここで寝てたんだ!」

太郎杉 そういう訳で、道の駅天城越えの近くで野営したのです。朝起きると、メスティンに張ってた水が厚さ5mmくらい凍ってて、引いてしまいました。「う、寒いんだ、ここ」 暗いうちから朝食の支度。今回は「岳食」のにゅーめんというのを持ってきてます。インスタント素麺ということなのですが、これは良いですね。ゆで汁を捨てる必要がないし、歯ごたえも普通にそうめんをゆでたのとほとんど変わりません。煮るだけだから水と時間の節約になりますしね。他の岳食も試してみよう。 腹ごしらえ終わってテントを撤収して、目指すのは太郎杉。下田街道から1キロ強のエクスカージョンですが、野営した地点は旧街道と滑沢渓谷沿いの道の分岐点に程近いわけでして、へへ。。。 昨日とは違って曇りがちのこの日。途中でぱらりと雨が降りましたが、大降りにはならなかったのでそのまま進みます。滑沢の美しい水の流れと紅葉を眺めつつ若干のアップダウンを繰り返していくこの道はハイキングコースとしてはなかなか良いように思います。
文学碑にある川端康成のレリーフ さて再び旧下田街道を進み、今回は旧天城トンネルへの道を行くのでした。途中川端康成の「伊豆の踊り子」の文学碑がありました。車道でもあるこの道は、しかしながら平日とあって車も人もあまり通りません。文学碑にもあるようにつづら折りになっている道を歩くと来し方がずいぶんと下の方に見えるのもいとおかし。日本の道100選の一つでもあります。トンネルの手前、江藤延男追慕の碑というのがあって、天城の自然を守ることに尽力した人ということがわかります。そして、 「1989年、6月24日、64才、山が萌えたった季節に、彼はこの峠の尾根をたどり、星に一番近い頂から天に旅立った。 ひとつの 巨きな足跡をのこして。」 とありました。これは滑落したというのでしょうか?それともここをしぬ場所と定めたということなのでしょうか。
トンネル。南側の出口付近。というわけで旧天城トンネルです。トンネルは実は大嫌いなのですよ。車に巻き込まれても逃げ場がないようだから。中山道の寝覚の床あたりのトンネルでそのことに気付かされ、爾来トンネルはなるたけ避けるようにして生きてきましたが、今回はしかたない。トンネルを行って帰ってしてきました。
来し方の道が下に見えます。さて、今回はこの旧天城トンネルをくぐること以外にもいくつか目的を持ってきたのですけど、そのひとつは、古峠の位置を確認する事でした。で、天城稜線歩道というのをずっと西に向かって歩こうと。トンネルの北側の出口のそばにこの登山道の入り口の表示があったので、ここから登って行きました。天城峠で、西側から来たという男性に出会いました。峠からまっすぐ南への道が見えるが、これを下りていけるかどうかと聞かれましたが、その方の地図にも私の地図にもそのルートが載っておらず、峠にある行き先表示もその方向だけ示していないので、この方は私の登ってきた道を下りて行きました。わたしは稜線歩道をずっと西へ。曇りがちなのが残念ですが、それでもなかなかの眺め。空中散歩のような感じがします。富士の見えないのは残念。時々小さな石が斜面を落ちて行ったりして、緊張を強いられる道でもあります。時々鹿の鳴き声も聞こえますが、姿が見えません。 お昼頃、古峠という表示のある場所に出ました。ここから地形図を頼りにゆるい稜線を通って941.6mのピークまで行きましたが、峠の位置はいま一つ明らかではありません。あとで調べてみると、もうちょっと東にあったらしいです。これはまた行かなくてはいけないようです…。
旧下田街道。二本杉峠と七滝を結ぶルートはこんな感じの涸れ沢沿い。 古峠の標示杭のある場所に戻り、簡単な食事を済ませました。水で戻す磯部餅。粉末醤油を振りかけて食べるのです。餅の味と食感はまあまあですが、醤油の粉末は振りかけ方に失敗するとダマになって辛くてたまりません。液体醤油を使うべきですね、これは。山火事にならないように気をつけながらお湯を沸かしてコーヒーで流し込みました。二本杉峠に着くと午後2時。ということは宗太郎林地に着くと午後4時過ぎてしまう。せっかくなので七滝の辺りの紅葉狩りがしたいので急ぎます。 このルートは昨年の秋にも降りたのですが、その時は峠から降り始めたのが4時頃だったために、宗太郎林地に出る前に足元が真っ暗になってしまいました。持っていたヘッドランプでは十分足場が見えなくて、仕方がなくいつも携行しているサバイバルシートを体に巻きつけて、沢よりも一段高い比較的平らなところで夜を明かしました。雨ふりだったのにサバイバルシートにくるまっていると汗が出るくらい暖かかったけど、ガサガサうるさくてあまり眠れなかったのを覚えています。 今回同じ道をたどってみると、昨年降りるのに時間がかかってしまった原因の一つだった倒木は整理されており、いくつか道しるべも新調されていたようで、だいぶ歩きやすくなっていました。道普請に感謝しながら下りていきました。 峠から500mほど降りたところにお地蔵さんがあり、降りる道はここで一度分岐して、林地で合流するらしく、ためしに去年と違う北東側のルートを行ってみましたが、ところどころ沢にかかる道が途切れているようで、引き返してきました。4時近くになって、去年ビバークした場所に着きました。せめてあと30分早く行動していればビバークを避けることはできたでしょうに。でも今回訪れてみると、この沢沿いの道の中では一番平らな場所のようではありましたが、こんなところでするもんじゃないです。やはりちょっとぞっとしてしまう。
初景橋付近。 釜滝に着いたころにはだいぶ辺りが暗くなっていました。踊り子と学生の銅像のある初景滝のあたりはライトアップされており、この時間でも訪れる人がいました。大滝の旅館で日帰り入浴…と思ったら、受付は16:00で終了という事でした。あらら、今回も温泉に入りそびれちゃった。

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