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2016-05-08 [長年日記]
_ 冨田勲さん、ご逝去。ついこないだ「イーハトーブ交響曲」で初音ミクさんとコラボしてたと思ってたがお亡くなりになる直前まで、やはりミクさんとのコラボ作品「ドクター・コッぺリウス」に手を入れていたとのこと。
_ [テレビ] 「海底の君へ」
Eテレでドラマやってるの珍しいなーと思ってちらっと見てると成海璃子と水崎綾女が出てるので、好きだから見続けた。藤竜もだけど皆たっぷりキャリアを積んでるような印象があったので、この手のドラマに出演するのにはちょっと役不足な感じがあったのだが、それぞれに演技力を要求されてのキャスティングとのことらしかった。役者陣の公表されている年齢から行けばちょうど良い年代だったのだが。いじめをテーマとしたドラマだが、いじめの被害を経験した者はこういうストーリーによって大いに心を揺さぶられることだろうが、加害者側にあった者にとってはどうなのだろう?劇中の藤竜の行動がその後の劇中の社会に何か影響を残したようには思われないように、このドラマが何かを残したのかと言うことには懐疑的にならざるを得なかった。つまり、後味は悪い。それはドラマの作り方のせいではなく、ドラマのテーマのせいだったのである。
_ [テレビ] 「モーガン・フリーマン時空を超えて」
テレビばっかり見てるから俺のお尻には尻尾が生えてきてるよ。ここで取り上げられている内容はほぼキワモノと言っていいのかもしれないのだが、今週のテーマは「第6感は存在するか?」というもの。世界中に仕掛けられた乱数発生器の乱数の偏りを30年くらいだったか観測し続けている地球意識プロジェクトというのがあって、(←明治大学石川研究室のサイトに日本語の記述あり)人の思念が、個々の間を遠隔的に作用しあう集合的意識として機能していることを証明しようとしているらしい。わかったように見えててよくわからないグラフが表示されていて、これを見ると一様性からの偏りが起こっていることがわかるらしく、それは乱数発生器とそれを見ている(?実験の条件は詳細に紹介されていないのでどんな実験になっているのか今一つ不明だが)人間の意識とが相互作用すると偏りが統計的に有意になる、ということのようだ。でこの偏りが最も顕在化されたのは2001年9月11日と言うことで、まるで良くできたジョークのようだ。仮に非常に微弱ではあってもそのように精神が物質と相互作用する(ここでは精神と物質を別物のように書いてしまっているがそのこと自体にも問題はたぶんある)ことが正しいとして、それでは個人の思念と物質、あるいは個々の思念の間に相互作用が起こるなら、それはどのようにして起こるのか。番組の中にはそのことに関するヒントとして、地球上に遍在する磁場ではないかということを示唆していたり、あるいはシュレーディンガーの猫を例示してミクロな確率現象をマクロな現象に顕示する思考実験の解釈に関連させてみたりするのだが、どうにも歯切れが悪い。この議論に介入しようとすると自分が愚かであることを自覚させられているような気がして滅入る。だが生理学的には脳の活動と磁場には関連があるようであるし、鳥が磁場を感じながら渡りをおこなうという話もある。磁場を介して精神活動が相互に作用するという考え方は成り立つかもしれないが、それを確認するなら磁気シールドの中に乱数発生器を置いてみれば良い。この分野のガリレイたるべき人が、「それでも乱数は偏る」、と主張するのかどうか。さしあたり私にはノイマン=ウィグナー理論を理解し吟味できるまでの知見を積むくらいしか手は無い。