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2016-05-12 [長年日記]
_ [映画] 「海猫」森田芳光監督、2004.
主演:伊東美咲。なんだか印象に残らないうちに終わる。舞台函館と言うより南茅部町。12年ほど前の映画と言うことになるが、興業的に成功したとは思えない。蒼井優とかミムラとかも出てる。
先日の訪札のとき札幌市街地に海猫が巣食っていて、一方で母校の卒業生の中に原作者の谷村志穂(農学部にいたらしい。ドンピシャで同世代だった)がいたことなんかがちょっとしたシンクロニシティを思わせて原作とともに買い求めた。結果的には特段この作品との出会いに思い入れはなかった。原作読むかどうかわからない。内容としては、片田舎には似つかわしくない美貌のヒロインが二人の男に愛されて云々ということで、劇中に起こる事件は割と良くあるラブアフェア以外には特段無いといっていい。受けたのかなあ、発表当時?ヒロインがロシア人とのハーフであったという部分にはちょっと興味を惹かれたのだが、ここには映画のストーリーは深入りしない。北海道は近世よりも以前からウラジオストクのある沿海州などといわゆる山丹交易をおこなっており、物の行き来がある以上は人の交流も当然あった土地と思われるのだが、どういうわけかこの交流に関する情報が私たち道産子3世には多く伝わっているわけではない。アイヌの人々のこともそれと同様に、多く伝わってはいない。そこには情報の統制と言うよりも幾分陰湿な回避行動もあったのではないかという気がする。数多くの情報を入手できる現代にあってこそ、このような正史的な歴史から取り残されつつある記録が復権すべきなのではないだろうか。ちょっと面白いと思うので、日本海を囲む領域をひっくり返した地図を貼っておく。この地図を見るとどういうわけか、日本が孤立した島国ではなく日本海と言う大きな湖に接して大陸と一体であるように見えるのだ。
私は原作は読みました。ドロドロな感じがいやだったかな。映画見たんですね。