RSSフィード:http://alpha-ralpha.com/diary/index.rdf
2012-09-19 [長年日記]
_ そもそもこの日記は"けいりう堂お気楽HP"といういささかふざけたホームページの一部なわけです。これまでに使った1/25000地形図を整理したり秋の夜風に吹かれているうちにまたしてもそぞろ神に取りつかれつつあるのですが、以前作成した「今様旅行用心集」という歩き旅の必携的なものをまとめたページを見ていると我ながらいろいろ興深いものもある。まず改訂した2009年時点では酒もたばこもかなりガンガンやっていた。逆に、どちらもやめてしまってからまだ3年程度しかたっていないということにもちょっと奇妙な感がある。当時はマップメジャーと方位磁針と万歩計は必携と書いてあったが、今は1/25000地図の上に道筋を描いておけばおおよそどのくらいの距離なのか見当がつくようになってしまった。というか、マップメジャーは直線距離しか出ないので、等高線の混み具合を考慮しないとスケジュールを見誤ってしまう。ガーミンのGPSも受信状態は格段に良くなり、さらにスントのベクタにはおのずからコンパスがついているので、方位磁針そのものはエマージェンシーボックスの中に封入してよほどの時にしか使わない、というか最近数年は使ったことがない。携帯電話も今はiPhoneに変わり、歩きと列車を組み合わせたスケジュールに宿の手配、そして道中余裕があればライブでデータのアップなどと旅の全体がこれである程度管理できるようになっている。ラジオも聞けるしね。2000年ごろに街道歩きという非日常的な旅のスタイルをはじめてから、十余年経って少しはそのスタイルにも変化が起こっている。けれども、歩を重ねていくうちにいつかたどり着く知らない土地の知らない道の上には、あの頃と変わらないわくわくする気持ちがいつもある。歩く旅は、出かけるまではおっくうだが、出かけてしまってからは、数々失敗したりしても、なぜか「旅になんて出なけりゃよかった」という後悔に襲われたことがないのが本当に不思議なことだと思う。あの頃も今も、ウォーキング・ピープルには必ず良いことが起こると信じている。涼しくなってきたからどこかで野宿がしたいな、などとも思う。