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けいりう堂日記

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2014-01-19 [長年日記]

_ [音楽] ダミアと岡本かの子

日付変わった。ダミアのシャンソンを聞いてる。夜中に。「暗い日曜日」聞いてると気が滅入るw ところで、岡本かの子が「ダミア」という一文を書いていたことがわかった。「うめき出す、といふのがダミアの唄ひ方の本当の感じであらう。そして彼女はうめくべく唄の一句毎の前には必らず鼻と咽喉の間へ「フン」といつた自嘲風な力声を突上げる。 「フン」「セ・モン・ジゴロ…………」である。」
 この曲は"C'est Mon Gigolo"という曲で、これを読むまで聞いたことはなかったように思う(でも俺のiTunesには入ってたのだ。我が家のビッグデータの容量は測り知れない…)かの子はまたこの文の中で「ダミアの唄は嬲殺しと按撫とを一つにしたやうなものなのだ。」などと言う。岡本一家(一平・かの子・太郎)は1929年に渡欧している。ダミアの活動時期と重なっているので、上記の文章は現地での体験を基にしているのだ。そこに書かれているダミア像は、俺がレコードのライナーノートやウィキペディアで読み取ることのできるダミア像とほぼ完全に一致しているのだが、そうでありつつもこの「シャンソンの『悲劇女優』」に相当な個人的な想いを仮託してもいる。まるでダミアがかの子のシャドウ的な存在であるかのように。


_ [特撮] 仮面ライダー鎧武

インベスの正体がわかってきたことで、ストーリーは悲壮感を帯びてきた。また主義の違う鎧武とバロンが共闘する局面と言うのは、戦国時代を仮面ライダーの世界でやってみるという本来メインテーマであったであろう流れに沿うもので、今回は見てて少し安心した。やっと始まったという感じ。


_ [新聞を読んで] 「光秀の定理」

時間があれば読んでみたい本が紹介されていた。ちなみに古新聞を読んだので、情報は最新ではない。垣根涼助という人の書いた「光秀の定理」である。この中に、光秀が4つの進軍ルートのうちどれかを選ぶという話が出てきて、この問題は「モンティ・ホール問題」であるとされているらしい。モンティ・ホール問題は、1)正解を一つ含む3択問題をはじめにランダムに選ぶ場合と、2)そのうちの一つが誤りであることを知ったのちに残りの2択からランダムに選ぶ場合とで、正答率が変わるかどうかという問題。その答えは「変わる」、すなわち1/3から1/2に上がる、と言うことは理解できるが、では、もし1)を行った後に2)を行なうとして、回答者は1)で選んだ選択を2)において変えた方がいいのかどうか、ということになると、それは変えても変えなくても一緒だ、と大抵の人は考えるのではないかと思う。が、それは誤りなのだそうだ。
一方良く似た問題に「三人の囚人の問題」があり、そのことは2012/5/10に書いた。三人のうち1人だけが恩赦となる囚人の問題の場合は、主人公である囚人Aが看守からある情報を聞く(『A以外の二人のうち、処刑されるのはBである』と言う情報)前と聞いた後で、主人公が恩赦となる確率は変わらない。つまり、この似たように見える二つの問題において、前者においては事後の確率が変わり、後者においては変わらない。前者で与えられた情報は有益な情報なのに、後者において看守が与えた情報は主人公にとってはなんら有益な情報ではなかったのである。
 ひとことに、「だからベイズ推定の知識を使ってちゃんと計算しないといけない」と言ってしまうこと自体はたやすいことだと思うが、この二つの問題の違いを明確に述べることができるといろいろ捗るのだとも思う。前者で事後確率が変わる理由はいろいろな説明がなされるが、たとえば、「3つの選択肢のうち少なくとも一つは間違い」と教えられてもそれは単に三択問題であることをまた言われただけだから、有益な情報にはならない。次に、もし最初にAを選んだあとで、「選択枝A、B、CのうちBは間違いです」と言われたなら、再度AかCかと選びなおすことには一見意味がないように見える。では、もし最初にAを選んだあとで「選択枝A,B,CのうちAは間違いです」と言われたなら、そのあと選択枝を選びなおさない者はいないだろう。このケースがありうることを明示していないところに、モンティ・ホール問題を直感で解いた時に人を誤らせるトリックがあるのではないだろうか。ただ、正しい説明になってるかどうかはわからないので丸写しして宿題の答えにすることはお勧めできない。
 以下は数学的な解釈では全くないのだが、行動の科学としては考慮すべきことだと思うのでメモしておくが、直感が失敗する理由はほかにもたくさんある。3人の囚人の場合、処刑される予定のBがAにとって憎い人間だったなら、その情報はAに対して一種の喜びを与えることだろう。そしてそのあと、もし自分がBとともに処刑される対象であったことを知ったなら、その時のAはとても冷静に物事を判断できはしないはずだ。モンティ・ホール問題においても、選択肢を変えずに結果間違ってしまった時と、選択肢を変えたのに結局間違ってしまった場合の、自分の判断に対する後悔の度合いを考えてしまったならば、やはりそれは理性的な判断の妨げとなりうるのである。


_ [読書] 「快楽の奥義」代々木忠、角川、2012

 ディープパープルのCD聞きつつ書いてるとこ。草食系の時代とかサトリ世代とか言われる今へのヨヨチュウの警告の書である。以下気になった部分引用。
  (代々木さんがピンク映画の世界に飛び込んだ頃は)小林悟や若松孝二や向井寛といった個性的な男たちが、ピンク映画でバリバリに活躍していた時代だ。当時から社会性の強い作品が多かった若松孝二の周囲には、後に日本赤軍のメンバーになってレバノンで逮捕される安達正生、『ルパン三世』の脚本家としても活躍した大和屋竺(あつし)などが集まっていた。1960年代〜70年代、日本中が「政治の季節」だった時代である」
  「初期のロマンポルノには、いまも名作と言われる作品が多い。宮下順子、田中真理、神代(くましろ)辰巳、崔洋一、周防正行、滝田洋二郎。そして、若くして亡くなった森田芳光ら、当時を知らない若い人が聞いたら「えー」と驚くようなビッグネームが、ロマンポルノの監督としてかつやくしていた。」
  「監督としてではなく、ただのスケベオヤジとして見たいものを撮ろう。それが、『ザ・オナニー』だった。」←代々木さんの代表作なのだが、いまさらだが、「ザ」じゃなくて「ジ」とすべきではないかと思う。
  「かつてセックスは、女性に教えてもらうものであり、やりながら学んでいくものだった。」
  「「勃たない」ことで自信を失う、という男は多いが、不思議なことに「女がイカない」ことによる自信喪失はあまり指摘されることがない。実際はこちらの自信喪失の方が男にとっては深刻なケースがあるのだ。勃起不全だけならED治療法はいろいろある。最近はバイアグラと言う強い味方もあり、これはAV男優もよく利用する。パートナーの協力でEDが治るケースもある。/しかしパートナーである女性が「イカない」ことは、男にとってかなりのダメージになる。むしろそれが原因でEDになる場合もある。精神状態も悪くなり、仕事に影響が出ることも少なくない。これは「どちらが悪い」と言い出す前に、男性でも女性でも、まず「自分から」相手に向かって心を開くことでしか解決ができないのだ。」
  「つらい過去を抱えた人間と向き合うのは、なまやさしいことではない。多重人格の女の子たちと必死で向き合い、AVを撮る過程で、僕の方が鬱病になってしまったこともある。信じてもらえないかもしれないが、トラウマを抱えた女性には、多重人格者が驚くほど多かったのだ。」
  奥付より、代々木忠プロフィールの一部。「(1974年、)プロデューサーとして、山本晋也監督に痴漢シリーズなどを撮らせ、成功する。」


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