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2014-05-10 [長年日記]
_ 調子良からず。
_ [読書] 「原子力神話からの解放」高木仁三郎、講談社α文庫、」2011.
元は2000年光文社刊。1999年のJCO臨界事故(不適切なウラン加工作業で溶液が臨界を越えレベル4の事故となった)を受けて著した。高木先生はちょうどその年に没。この間の放送大学の面接授業でこの先生の話題もあったので、ついでに読んでみた。
「1954年の…3月2日に、突如として国会に原子力関連の予算案が出されて、それが国会を通ったのです。その中心的な役割を担ったのは…中曽根康弘という青年政治家…」(p78)
「…『ラスムッセン報告』は原子炉事故の確率的な解析方法としては、見るべきものがある報告書です。しかしながら、絶対的な確率を求めることは、とてもこの報告のような手法ではできません。百万年に一回、何百万年に一回というように事故の確率を求めることはできないのです。」(P134)
引用すべき個所は多々あるが、この著作ののちも、少なくとも原子力は安全ではなく、クリーンではなく、そして必ずしも安くは無いということは明白と考えるべきだろう。なのに、夏が近づけば原発再稼働のことは気になってしまう。皆が一斉に冷房を減らせば都会はもう少し涼しくなるだろうか。そういう想像すらできないのだ。