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2006-02-04 [長年日記]
_ 『マルクス一番乗り』
昨日かって来た500円の『マルクス一番乗り』を見た。マルクス兄弟のことを知ったのは一番初めは筒井康隆をよく読んでいた高校から大学初年度くらいのことだったと思う。筒井康隆がこのマルクス兄弟の映画を好んでいたということを知ったが、その映画を見る機会はしばらくおとづれなかった。
やがて1984年になり、ときどき「ユリイカ」なんて読むようなお年頃に。「ユリイカ」で笑いの特集をしていたときに、四方田犬彦さんがマルクスブラザーズを取り上げていた。そのころ札幌に居た私はいろいろな自主上映会の情報に目を光らせていた。「ある日どこかで」とか「パンダコパンダ」とか「やぶにらみの暴君」や「東京物語」などを見たのもその頃だが、念願かなって始めてマルクスの「我輩はカモである」だった。マルクス兄弟ははじめ4人でスタートしたが、やがて個性の無いゼッポ・マルクスは(四方田さん曰く長男のグルーチョに吸収される如く)消えてしまう。今日見た「マルクス一番乗り」もグルーチョ・チコ・ハーポの三人だった。あきらかに付け髭(なんか紙か布か海苔を貼り付けたような)のグルーチョ、あやしげなテクニックでピアノを弾くチコ、ハープの名手で動物や子供達、下層階級の人々と妙に溶け込んでしまうハーポを、懐かしく見た。500円は大変有意義に使われたことだった。