トップ «前の日記(2006-07-09) 最新 次の日記(2006-07-11)» 編集

けいりう堂日記

   RSSフィード:http://alpha-ralpha.com/diary/index.rdf


2006-07-10 [長年日記]

_ 汗かきまくる。

今日は夜になってから無駄な動きが多かった。汗だく。

『うつうつひでお日記』と『鉄腕バーディ』新刊買う。

_ そう言えば今朝方悪い夢を見た。

同じ形の家が隣り合わせになっていて、わたしの家は向って左側にあった。右側の家には母方の親戚が泊まりに来ていたのだが、何故か外から玄関が開かなくなったと言う。二つの家は中で通じている。わたしはわたしの家に入って中で左側の家に入り込んで内側から様子を見る。

左側の家の玄関は縦長で60cmくらいの幅の三つの部分に分かれており、そのうち右側の二箇所は石で閉ざされ、左側の一箇所には未開の種族のあがめる木製の神像らしきものがすっぽりと収まっている。近づこうとすると「そこに行っては駄目」と後ろから警告するものがあった。それはわたしの母だった。この左側の家は、どうやら未開の人の悪霊に祟られているらしい。玄関は異界との出入り口だが、神像は外からの侵入者を防ぐと言うよりも、この家の中にあるものを外に出さないための仕掛けであるようだった。この家から出るルートは、さらに左の奥に向って一度二階に抜け、そこから二つの家の中間にある縦横1mほどの何も無い間隙をシュートのように降りて外に抜けることだった。わたしは母を連れて左の家の二階に出ると、そこには生前の未開の人がいて、若い頃に蟷螂の研究をしていたこと、そしてその成果を文明人の同僚に盗まれて自殺し、文明人に祟るようになったのだということをわたしに告げた。悪霊はまがまがしい存在なのだが、そのことを告げたときの未開の人は悲しげだがとても落ち着いて見え、深い同情を感じた。わたしと母は家の中間のシュートを滑り降りる。おぞましい肉塊の中を通って無事に外へ出た。

-------------------------

思い返すと幼少の頃に、二軒がついになった家に住んでいたことがある。若い父が単身赴任していて母と二人暮しをしていた頃、あるいはその少し後のことで、両親の始めての子供であったわたしは、無意識の中に父とはなれて暮らす母のいろいろなコンプレクスを間接的に体験していたのかもしれない。昔の家だから屋根裏があってネズミも住んでいたらしく、これがあるとき知らぬ間に屋根裏で死んで、死体に湧いた蛆が映画サスペリアの如く屋根裏から落ちてきたことがあったそうだ。離乳したばかりのわたしがあちこちに散らかしたご飯粒がその蛆虫を想起させてかなり精神的に参ったのだ、と後日母から聞いた。

ユングのイニシャルドリームは地下の大王、一つ目の人食いのファリックシンボルだったという。わたしのイニシャルドリームが何だったかはわからないが、かなり古い時代の夢として覚えているのは、二部形式の夢だ。第一部はぬいぐるみのようなゾウさんやキリンさんやライオンさんに囲まれて、みんなで協力して1mに満たない小さな宇宙ステーションを作る夢だった。宇宙ステーションというのだから保育園には行っていた頃だろうと思う。この絵本のようなとてつもなく楽しい世界は急に終わってしまい、一人で塀に沿った土の道を歩いている第二部に変わる。一本道なのだが、行く先の道端に、乞食とも幼児ともつかないブヨブヨした感じの一人の人が坐っている。わたしはその人の前を通ることが恐ろしい。何事もなく通り過ぎられたら、と祈るようにその人の前を通ると、恐れていた通りにその人が声を発する。意味を成さない言葉だ。今思えばそれは妖怪が発するとされる「うわん」とか「ももんがあ」とかいった声と同じものだったのだろう。その声を聞いてしまった絶望で、わたしも叫び声をあげる。成人した頃に漱石の「夢十夜」と秋山さと子の本を呼んで、どうやら道端の人はわたしのシャドウであったのだろうと納得した。シャドウとのつきあいは古い。この人でなしはあきらかにわたしの分身だ。深く関わることはとてつもなく恐ろしいが、それなのにどうにも懐かしい人なので、どこかの道端に投げ捨てることはできないし、無視して通り過ぎてしまうこともできない。


トップ «前の日記(2006-07-09) 最新 次の日記(2006-07-11)» 編集

Categories | Python | 8801 | あんちゃんの自作ゲーム発見した | お絵描き | かながわのハイキングコースベスト50から | かながわの景勝50選 | アニメ | カムバック!マイ中二時代 | コンピュータ | ゴミレポ | テレビ | テレビ・ラジオ | トレーニング | ドラマ | パズル | プログラミング | ヨガ | ラジオ | 映画 | 英会話 | 奥州街道 | 音楽 | 下田街道 | 科学 | | 街道 | 関東ふれあいの道 | 紀行 | 京街道 | 郷土史 | 金沢道 | 熊野街道 | 栗山千明 | 経済学 | 現代湯治考 | 古新聞を読んで | 語学 | 交通史 | 口グセ | 甲州街道 | 綱島街道 | 香り | 殺害された言葉 | 自転車に乗って | 七十二候 | 食べ物・飲み物 | 食事 | 食品物理学 | 新聞を読んで | 森高千里 | 身延道 | 数学 | 生きもの | 千国街道 | 川越街道 | 銭湯 | 善光寺西街道 | 中原街道 | 超歩行者キュウカイダー | 怒りの日記 | 東海道 | 統計学 | 特撮 | 読書 | 二十四節気・七十二候 | 日光街道 | 猫の額 | | 博物館 | 姫街道 | 物理学 | 文具 | 米沢街道 | 抱腹絶倒オヤジギャグ | 放送大学 | 豊後街道 | 漫画 | 漫画・アニメ | | 夜へ急ぐ人 | 矢倉沢往還 | 愉快なジム仲間 | 料理 | 歴史 |