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2007-11-09 ちょっと遅い帰り。 [長年日記]
_ 下期に入ってばたばたしてる。
会社の野暮用も結構いっぱいあったりして。
昼休みに、学生時代ワンゲルをやっていた同僚と話す。私の道迷いにいろいろアドバイスをくれる、頼れるヤツなんである。ツェルトのことやGPSの使い方を教えてくれたのも彼だし、読図の練習を始めたと言ったら、ああいいですねえ、なんて言ってくれる訳で。
先日たずねた矢倉岳の話の後、わたしが「次は三浦半島の最高峰を目指そうと思う」というと、「おっ、大楠山ですか。それはお目が高い!」などと言うんである。標高241mのこの山のどこがお目が高いのかと聞くと、彼はなんとこの山で遭難しかかったのだそうだ。西側からバイクで山頂を訪れ、そのあと東側にそのままバイクで下りていこうとしたものの、ちょっとした谷の下り道、幅は狭く右手は樹林左手はゴルフ場に接したフェンスで、道の両側から文字通り挟まれる格好になり先に進めなくなった。そこで、わずかに道が広くなったところでUターンして力ずくでもと来た道をバイクを押して登り進んだのだが、ちょっと進むと体力を大量に消費して体はヒートアップするため、スーツを脱いで体を冷やすともわっ、と湯気が立ち上る。そんなことを何度も繰り返して500mに満たない細い道を登っていった。季節は冬、前日に雨が降ったか道はぬかるみ勝ち。体力を使い果たして遭難する寸前だったと言うことだった。
舗装されていない道をバイクで走ることもどうかとは思うんだが、まあ、こんな一見危険などなさそうな場所であっても遭難の危険はあるのだという、ちょっと面白い事例。
_ で、彼の話を思い出しつつ、大楠山のある浦賀の地形図を眺めてみるわけです。読図の練習もかねて。すると、ゴルフ場に接して東に下る点線の徒歩道があり、東に向かえば確かに右は山の傾斜に接していて、反対側はゴルフ場、300mほどの水平距離の間に10m刻みの等高線が5本ほど横切るその場所が、まさにそこにいるかのように良くわかる。山肌の起伏もいい感じにくねくねとしているわけで。ああ、これをバイクを押して登るのは確かに相当大変なことなんだろうな、なんて、彼のピンチがその場にいるように想像できてしまう。
_ 読図をマスターするっていうのは、旅をする前からルートを予想できると言うバーチャルトリップの技術でもあったのだと思い知る。