RSSフィード:http://alpha-ralpha.com/diary/index.rdf
2013-01-13 [長年日記]
_ 今年出した年賀状。
にわかに能「道成寺」のDVDとか「道成寺縁起絵巻」とか見て大晦日に絵を作って夜送った。道成寺縁起では清姫が執着によって蛇身と化し、能の道成寺ではその蛇の精が白拍子に化けて道成寺の鐘を冒した。正月にはあるまじきストーリーと言えなくもないが白蛇は縁起が良いとも云うので。これにしなければ映画「蛇女の脅怖」をモチーフにしてたと思う。この絵の白蛇は能のシテ同様女の仮面をかぶっていて、着物の中では複雑にとぐろを巻いてヒトの所作を模している、ということになっている。あわてて描いてるだけあって白っぽい。地面に影くらい塗っとけばよかったような気もする。絵を見てわからないことを文字で補填するのは幾分卑怯なことだとは思ってますよ。でも今年もよろしくおねがいします。_ ひょんなことから急に快楽亭ブラックのことが気になり始めた。こういう人こそが私の目指す方向に通ずる何かを持っていると感じる。進むも地獄退くも地獄。板子一枚下は地獄。
_ アテルイ伝。第一回見た。蝦夷のことは良く知らないので多少参考になるかと思ったが、それはあまり無さそうで、単に高梨臨が可愛いから見続けようかなと言うほどのことに尽きる。大沢たかおには「イン・トゥー・ザ・サン」のときの悪い印象があるので好感を持てずにいる。まあこの時代の東北の歴史は良く分からないことも多いのだろうから、作りが雑になるのは仕方のないことだろうとは思う。
_ [テレビ] NHKスペシャル
アテルイの録画を見てる間にNHK総合では大変な番組が放映されてた。大王イカ。古くはクラーケンなどと呼ばれて海の男たちを震撼させていた化け物が世界で初めてじかに撮影された、ということなのである。吸盤は五センチ、口はヒトの頭ほどもあるという。おらだんだんワクワクしてきたぞ。潜水艇トリトンはトワイライトゾーン(海面下200−1000m)に。ここにある生物はいずれも生物発光を行なっている。一方クラゲの生物発光を模した水中カメラ・メデューサは30時間の間トワイライトゾーンの映像を黙々と撮影し続けている。また、ニュージーランドから来た学者は打ち上げられた大王イカの肉片をジュースにして、そこに含まれるフェロモンで生きた大王イカをおびき寄せようとしている。引き上げられたメデューサにはなんと!怪獣映画の様に、メデューサに襲いかかる大王イカが何度も撮影されているではないか!あー興奮する!そして、大王イカの宿敵とされているマッコウクジラにもカメラが取り付けられる。長いポールの先に吸盤の付いたカメラを取り付け、マッコウクジラに果敢に挑む。これがフィールドの科学者なのである。興奮する!好奇心の旺盛な若いオスが近づいてきたのを好機として見事取り付けは成功。カメラが、口をあけながら泳ぐ仲間のクジラの映像と彼らの会話をとらえている。獲物を探すときのクリック音を発しながらトワイライトゾーンに向かう若いオス。しかし仲間同士が体当たりをし始めてとうとうカメラは外れてしまう。メデューサの捉えた画像の観察と、過去の解剖学的な知見から、大王イカは斜め下から水面方向に向かって獲物に襲いかかる。そこでその行動パターンにマッチするように餌となるソデイカを泳がせる。熟練した釣り人が行なう囮漁を、潜水艇トリトンを操って行なうのである。さあ、番組終了まであと15分だ、どうする、窪寺博士!つい数日前に「アビス」を放映してたばかりで、深海においてもわれわれは孤独ではないと思えてくる。水深600m。奴が来た!彼らの前にはネモ船長しか見ていないであろう大王イカ。なんかすごく鮮明に写ってて3DCGに見えてしまうのが悲しいぞ!リアルに怪獣が接近するのを目撃できた彼らは全く稀有な経験をしたのである。すごく大きな目をしていて、体の大きさに比べるとひれ(耳)は小さい。体中が金属光沢で輝いている。奴はそのまま深度を深めていく。トリトンは1000mまでしか潜れない。田所教授が乗ってたら怒られそうだ。やがて大王イカは餌のソデイカを離して闇の中に消えていく。こうして小笠原沖の深海には全長7−8m(触椀含む)のクラーケンが生息していた。まさに南海の怒りである。これだからテレビを見ることがやめられない。今日はほとんどそればかりをして過ごしてしまった。