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2014-02-07 [長年日記]
_ 日付変わった。風呂入って寝て明日も寝不足気味だな…と思ってどんよりしてたのだが、PCをOnしたら、素晴らしいニュースが舞い込んできた:「走れメロス」は走っていなかった!? 中学生が「メロスの全力を検証」した結果が見事に徒歩。ちなみにこれがレポート全体のpdfである。プリンターを持ってる人はリンクが切れないうちに打ち出して読んだ方がいい。俺が最も感銘を受けた部分を抜書きする:
「『走れメロス』の文章の最後のほうには、『沈んでゆく太陽の十倍も速く走った』や『メロスは疾風のごとく』など今回調べたこととあまり合っていないことが書かれていて、こういうところもおもしろいなと思いました。」ブラボー、おお…ブラボー!レポートを書いた村田君はリアルな中学二年生なのだが、どう考えても太宰先生の方がよっぽど中二だwww 俺の目指している研究の理想の姿がここにあった。
_ Regclean Proが勝手にインストールされやがった。ムカつくぜバーロー。
_ リアル中二の素晴らしい研究が好評を持って迎えられている。彼のアプローチは交通史研究のスタンダードな方法論と位置付けられるものであるゆえに価値がある。
一方で、村田君の考証に関しては批判的な見方も多い。10時間走り続けるのと短距離を全力で走るのは違うとか、スタート時刻と到着時刻があいまいだから駄目だとかいうのが目についた批判だが、前者は、10時間39kmを連続で「歩けるか」どうかということについて考証していない。時速4キロを保ち続けて39kmを進むことは、歩き旅に慣れている近世以前の成年男子にとっては必ずしも驚異的な健脚とは言えない。また、往路においては発着時刻に1時間ずつの誤差があったとしても、全体のスピードには最大2割程度の違いしか生じない。3.9km/hが4.7km/hになったとて、これを走っているとは言えないし、速くは無いという村田君の結論は揺らがないだろう。復路は確かにトライアスロンに似た疲労をメロスに与えたであろうが、倒れたのちの16km程度の距離を5.3km/h以上の速さで進んだのだから、この間だけが「走る」というにふさわしい移動速度で進んだ可能性がある。村田君の見積もりが渡河と格闘と倒れた時間を少なく見積もっていたとするなら、逆に真面目に走ったのは高々3時間以下に過ぎないということになる。計算の前提には不確かさがあるので詳細にはいくつかシナリオにもとづいて最速の場合と最低速の場合について見積もりを比較するべきなのだろう。だが、暗い道を進むのが大変であろうが、疲労困憊していようが、「ほとんど走っていない」という結論を揺らがせるに足る批判は見当たらない。いずれにせよ批判している人たちの多くは村田君と同じ土俵で検証するということを行なっていないという点で村田君の説の論駁としては弱いと言わざるを得ない。ただ、俺が問題にしていることが一つある。時速がどうであろうと、歩くと走るには質的な違いがある。競歩のルールに従うなら、片足のどちらかが地についていないとロスト・オブ・コンタクトという反則となる。これを厳密な歩行と走行の区別だとするなら、いかに遅い移動であってもメロスは走っていたのだということはできる。その場合、「もっとまじめに走れメロス」という題がより適当と言うことになるだろう。
_ 明日は雪になりそうなので英会話教室は休講なのだと。Britain BC見よう。
『走れよメロス』www
すごいな村田君 発想力と優秀な頭脳。うらやましいな。 <br>でも、メロスは気持ち頑張ったのだ
いや、でもたかが早足くらいで死にそうなゴールを決めて挙句は「セリヌンティウス、私を殴れ!」なんか言っても説得力ねえしw