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けいりう堂日記

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2018-05-02 [長年日記]

_ [読書] 「夜と霧」ヴィクトール・E・フランクル、池田訳、みすず書房、2002。

日付変わった。 フランクル「夜と霧」、読了。人類史上並び無い汚点のその現場を体験した心理学者は、勤めて学究的に、理性的に筆を運んでいく。収容されていたその時に、自らの体験を「収容所の心理学」という稀有なモチーフとして俯瞰することとしたその事自体が、彼自身の収容所生活をやり過ごすための「トリック」であった、と文中にある。苦難の日々を生きることはどこまでも具体的なことであり、最悪の状況はそこで崇高な行為を行うための好機と捉えることもできるという一種皮肉な逆説。生半可に悲劇を期待して読み出した自分には語るべきことは少ない。という訳で明日読む本が無くなった。空港の本屋で小説でも見繕うかな。

_ 札幌駅近街。完全に「ラスプーチン」って読んでどうかしてる。

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同じ地下街には懐かしい回転ずしチェーンの「くるくる寿司」があったので、外から覗いてみた。学生時代に住んでたものすごく古くて寒い住処のすぐそばにあった店も今は無い。一度、何かの用事で父の人が訪ねてきたことがあり、そこで食べさせてもらったことがある。メニューにあった「なめこ」の軍艦巻きが好きだった。大葉の上に単になめこを乗せた軍艦。瑞々しい旨さを感じたが、今の店には無いようだった。帰宅したら自作してみようかな。確かすし酢がまだ残っていてはずだし、どうせまたいなり寿司とめはり寿司を作り置いて冷蔵するつもりだ。すし酢も自作すれば良いや。先日ネットで購入した高菜漬けはかつおダシを使っていたので満足できていない。まあ美味しく戴く他無い。今、私には一つのプランがある。小松菜を大目に買い、茎は炒め物にして葉を塩漬けか糠漬けにしようと思うのだ。そしてその葉の漬物でめはり寿司を作る。茎は刻んで汁の実としても良いだろう。ターメリックで彩色した豆腐のオムレツに混ぜ込んでも綺麗なのでは無いだろうか?

_ 新千歳、壁画。

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札幌市大・山野井さんという方の作品「めざせ!食の王国北海道」な訳だが、キャラが新堂エルさんのそれに似ててちょっとムラっとしたりして。

_ 4冊目の読書。

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「小説でも」と早朝の書き込みに書いたが、どうせなら名作と呼ばれるものを読みたかった。しかしその類は帰宅するとうんざりするほど積まれているのだ。それにさすがにちょっと疲れも出てる。こういうのが良い。父の人宅の近くの書店で購入。もしかしたら自宅にもあったかもしれないが、この版は多分無い。ケストナーの「子供の皆さん」(確かにこの人は自分の作品の愛読者たちにそう呼びかけていた。そして、『大人になっても子供であるような人だけが本当の大人だ』と言っていたはずだ。あるいはその言葉をまともに受け取って今の私はあるのかもしれない)向けの本を実はほぼ読んでいない。創元推理文庫に収められた「一杯の珈琲から」「消え失せた密画」「雪の中の三人男」と、あとは評伝と、そうそう、インモラルな「ファビアン」を読んだだけだった。私は、この人の子供向けの作品群を全て読まずに死ぬわけにはいかなかったはずだった。もちろん今からでも遅くは無い。そして「まだぜんぜんはじまらない」冒頭を読み出して、「ああ、これは確かにケストナーの文章だ(正確には『高橋健二の訳したケストナーの文章だ』、だが)としみじみ感じたのだ。天気は正に下り坂。札幌も肌寒い。横浜は少し蒸し暑いかもしれない。きっと読書には好ましい時候なのだ。挿絵・ヴァルター・トリヤー。

_ [読書] 「エーミールと探偵たち」エーリヒ・ケストナー、高橋訳、岩波書店、1962。

日本で出た年は何と私の生まれた年だった。ケストナー少年文学全集の第1巻。飛行機と電車の中で読了。私は知っていた。泥棒にお金を取られて無一文のエーミールの電車賃を払ってあげた紳士が誰なのかを。それは、作者・ケストナー自身だった。まだあまり多くの作品を読んでいないが、例えば「一杯の珈琲から」でも、主人公の行動に対して良いヒントを与える人物としてケストナー自身が登場していたと思う。ケストナーはきっとそうするのが好きなのだ。そしてそのことを知っていたということは、私は確かにこの作品を読んでいたということだった。再会したのだ。できれば正にケストナーがその作品の対象とした少年の時に読みたかった、という恨みは無きにしも非ずではあった。だが、この作品を読む代わりに、違う作品との出会いもあったことだろう。あまり心がけて読書する少年ではなかった、けれど。第2巻は「エーミールと三人のふたご」…ン?いつか、さほど遠くはない未来の楽しみとなることだ。


_ 帰宅した。ちょっと雨がポツポツ。入浴して”アイヌアニメ”の録画視はじめたところ。今日もうアニメ視て寝るだけにするから。ふふん、連休はこれからが本番だ。ヒンナヒンナ。

つづき。小樽の花園団子でたw これ、テレビ塔の下でも買える。ヒンナだよ。


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