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2020-07-09 [長年日記]
_ [映画] 『レディ・ドラゴン』/『メル・ブルックスの命がけ!イス取り大合戦』
もくよーび。今日は休暇を取ったのでした。ほんとに単なる休養日。この日記の過去の記事読むとわかるのだけど、この時期は湿邪にやられて結構調子が悪くなる。そうなる前に自分を甘やかそうなんて思ったわけで。何してたかというと、海外映画を見てました。先日の「ロリータ」に引き続いて、ノラ・ミャオ主演の『レディ・ブレード』と、メル・ブルックス監督の”Twelve Chairs”。
『レディ・ブレード』は1971年の香港映画で、デビューしたてのノラ・ミャオ−この人はブルース・リー映画によく出ていて、『ドラゴン危機一発』ではかき氷の屋台の女の子、『ドラゴン怒りの鉄拳』ではずばりリー扮するチェンの恋人、『ドラゴンへの道』ではリー扮する田舎者のタン・ロンを最初見下してるローマのチャイニーズレストランの女主人などを演じているーが主演。まなざしがキツめの東洋美人。このツンツンさがたまるか。視てて感じたのは、『ドラゴン危機一発』のストーリー展開はまさに本作のような香港映画のテンプレートにしっかりはまっているということ。女性主人公のアクション作品というのは一定のニーズがあったに違いなく、日本映画でそのような役割を求められたのが藤(富司)純子のお竜さんだったり梶芽衣子さんだったり志穂美悦子さんだったりしたんだろうな、などということ。美空ひばり作品の一部もここに入るかもしれない。あまり見てないけど。ノラちゃんの剣舞、なかなか堂に入っていて感心する。フィルムの逆回しやワイヤーアクションは物理法則無視しすぎてて特撮好きには結構楽しめる。
”Twelve Chairs”の邦題は『メル・ブルックスの命がけ!イス取り大合戦』というのだけど、日本からはたぶんメディアが出てないと思う。1970の作。帝政ロシア崩壊直後のソ連が舞台で、その帝政ロシア時代の貴族の女性が財産の宝石を椅子に隠して死没。これを求めて当時のソ連全土を訪ねまわるスラップ・スティックな作。私は2015年にアマゾンで"Mel Brooks Collection"というのを購入しており、5年以上の歳月を経て今日視聴したという訳。しかしながら、日本語吹き替えはおろか日本語字幕も付いてないんである。英語の字幕を読みながらというのはちょっとつらいところはあるけど英語の勉強には多分なるんだろう。冒頭は理解が及ばなくても、ストーリーがわかってくると不思議と頭に入ってくる感じがする。ラスト、なんか物悲しいものがあってメル・ブルックス作品としては異色かもしれない。たぶんこれでもうメル・ブルックス監督作品の映画は全て見てしまったことになると思う。仕事はじめて一人暮らしが寂しいと感じていた頃(今はもうそんなこと全然ないどころか一人でなきゃ暮らせないと思ってるんだけど)日曜の夜に視たりしてかなり慰められた記憶がある。次はテレビ版の『それ行けスマート』が視たいな。これもどうやら日本語字幕はついて無さそうだけど。
_ [漫画] 『めんつゆひとり飯 1−3』瀬戸口みづき、竹書房、2018−2020。
作者さんは『ローカル女子の遠吠え』で「しぞーか」(静岡県民は静岡のことをこう発音するらしいっすよ)愛とちょっと変なところを遺憾無く表現した人なのですけど、「めんつゆ」縛りで3巻も四コマ漫画の単行本出すなんてミラクルすぎる。四コマ漫画としても面白くてすごいなあと思う。ズボラなOL面堂露(愛称『めんつゆ』)のめんつゆを使ったズボラレシピの数々も良いが、彼女を取り巻く多彩なキャラがいちいち珠玉で、丁寧に作ってる作品だなあと思うわけです。お嬢様育ちで極端に口数の少ない女社長(庶民の生活にあこがれていて、ある日の飲み会ではめんつゆにお持ち帰りされてしまったりするw)とか、脂肪と糖質への愛が止まらない保ケ辺さんとか、めんつゆがズボラ料理するたびに「心の十越さん」として脳内に再構築される料理達者な人妻・十越さん。漫画の可能性って無限すぎるなあなんて。