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2012-06-02 [長年日記]
_ 面接授業一日目。題目は「寺田寅彦を読む」。シラバスを見ると、事前に2冊の文庫本を読むようにとの指示があるのに気づいたのが昨日の夜帰宅してから。1冊は「柿の種」で、これはだいぶ以前買って積読になっていたものをうまく発掘したが、もう一冊(角川ソフィア文庫『天災と日本人』)が無い。これは随筆集なのだが、幸いなことにうちには、第一巻のほんのさわりしか読んだことのない、岩波の寺田寅彦全集が全巻あるのだった!
見よ諸君、かくして積読は悪徳ではないのである。だが、『天災と日本人』に収録されている中の2編が全集には収録されていないようだったので、結局遅ればせながら購入することにして、夜中にとりあえず全集に収録されている分をほぼ読み、あとは『柿の種』を柿の種をポリポリ食べるように読み、そのうち寝てしまったのが深夜のことだった。
講師の先生は榑沼(くれぬま)先生と言って、建築論や哲学をなさる方である。これはつまり、現代思想家ということなんだろう。なぜ寺田寅彦なのか、ぬるいこと言ったら必殺理系攻撃でも浴びせてやるか的なことを少し考えつつ初日の講義に参加。すると大変に面白く、先生は俺なんかと違ってなんというかフェアで大人な物言いをする方だったので、理系攻撃は温存することにしたのだった。時間の関係で手短にではあるが、私の好きなフラクタルの話など出てきた。翌日は各人がこの講義や寺田寅彦にまつわる話題を話す時間があるということだったので、昔やったようなべき乗を利用した計算を用意することにした。つづく。