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2013-08-10 [長年日記]
_ 今日も最高に暑いようなので外に出たくない。ネットストアでもためしてみっかな。
_ またしてもスカパーの受信ができなくなった。これは…と思ってベランダに出るとやはり、お庭のムクロジがこの陽気でさらに生い茂ってアンテナを隠してたのだった。この木、ほっとくと横浜市の名木になってしまうかもしれんな。受信回復。キャプテンハーロック始まった。「命を捨てて俺は生きる」この歌詞のおかしさはどんなにこじつけてもどうしようもない。まてよ「あなた命を捨てて。俺は生きるから」かも。今月から仮面ライダーBLACK RXがはじまるので見逃したくない。
_ [漫画] 水木しげる漫画大全集054,069
「貸本版河童の三平 下」タイトルページが見開きで、地味なお囃子だったり橋を渡るタコの行列だったり猿回しだったり。なぜこのようなモチーフが選ばれたのかが不思議だ。河童の三平と死神の対決シーン。「イヨオーッ」「ヤッホーッ」という掛け声をかけあう二人を見ている狸が「かけ声からして普通じゃない。三船敏郎と仲代達矢以上の迫力だ」と、椿三十郎の決闘シーンを思わせるセリフを吐く。最後にはなんと主人公である三平が死んでしまい、以後64ページの間ずっと点線で描かれている。この漫画の変さ加減は池澤春菜の解説に全部書かれてる。
「世界怪奇シリーズ全 サラリーマン死神全」世界怪奇シリーズより「虹の国アガルタ」。ハーンの「茶碗の中」を思い出したのだが、「茶碗の中」が怪談だか何だかわからない話なので比較すべきものでもないだろう。サラリーマン死神より「蒸発」。隠れ里への案内人の顔がものすごく細かい点描でリアルに描かれてて、見てて気持ちいい。
_ 「風立ちぬ」のインタビューを本仮屋ユイカから受けてる宮崎駿。その風貌がすっかりハイジのおじいさんみたいになってる。まるでそうなろうとしていたかのように。あ、ヒロインの声が美織ちゃん…いやそれどころか主人公の声が庵野監督か!シンプルなのが良かった。変えたかった、ということがその理由。小津安二郎並みだ。庵野さんは演技なんかさせてくれなかったんじゃないのだろうかと思う。宮崎監督は、今回もまたいつまでもできるもんじゃないと思った方がいいと言っている。でも10年以上前にも、もう絵が描けなくなってきているからそろそろできなくなると言ってたのだ。すでにそうなっているのだろう。当時と同じ画力で勝負するような作品はできなくなっているのではないかと思うんだが、ハウルのあと真面目にみてないからなんとも言えない。ユイカ美しいなあ。
_ [映画] 善悪の彼岸
そういえばそんな映画も休み中に見てた。ルー・サロメ、パウル・レー、そしてフリードリヒ・ニーチェの3人の共同生活。ニーチェにまつわる奇行の数々はこの映画を見ると一揃え出てくるという感じ。彼らの知的活動の価値に関する描写は映画の中にはほとんど見られない。そういう劇作は可能なのである。こういうやり方であれば、ソクラテスを主人公にした映画だって作ることが可能なわけである(事実ある)。ドミニク・サンダ、好きだなあ。
_ ドミニク・サンダの顔に見覚えがあると思ったら、日本ではパルコのCMで起用されていたのだった。
_ ガンダム記録全集、ぱらぱら見てると、安彦良和さんが同時期のアニメ映画、銀河鉄道999と火の鳥2772のことを書いてる文章がちょっと興味を惹いた。絵的な部分の記録資料としてはもしかすると映像文化華やかなる現代においてその価値は往時より少し下がったかもしれないが、このような証言をいくつも所蔵しているという点に記録全集の価値がある。
_ 暑い中ファミマに行ったら俺の大好きなラ・フランスのジェラートが出てたので6つ買ってきた。解けかけてるのを食べると増粘剤がたくさん入ってるのが良くわかる。本物のラ・フランスも食べたいな。「ラ・フランス」を「おフランス」とわざと間違えて言ってみるのはおそ松くんのイヤミの影響である。おそ松くんをお粗末くんって書くとかわいそうで泣けてくるね。
_ ETV特集の録画のつづき。カネミ油症問題。接種後50年たっても体内のダイオキシン濃度が高濃度にとどまっているという脅威。ダイオキシンは枯葉剤の成分の一つだということだ。症状が膿疱など見苦しいものであったことと、発症当時の知識の低さゆえに、差別の対象となったことが保障制度を遅らせることともなったのだという。
_ [アニメ] 「西遊記」(1960)
俺が生まれるよりも前に東映動画で作られた作品で、原画に森康二や大塚康雄などがスタッフに見える。手塚治虫の「ぼくの孫悟空」を下敷きにしていると東映動画のHPにはある。絵柄には手塚的な要素はほとんど見られないように思われる。構成:手塚治虫、脚本:植草圭之助、演出:藪下桊司・手塚治虫・白川大作、音楽:服部良一、動画監修:山本早苗、考証:邱永漢、声の出演:小宮山清(孫悟空)、新道乃里子(リンリン)、木下秀雄(猪八戒)、篠田節夫(沙悟浄)など。話は牛魔王退治のあとすぐ取経が成就し(インドについたのだからそういうことなんだろう)めでたしで終わる。ホントはこれ見る前に「白蛇伝(1958)」見ようと思ってたんだがDVDが魔窟に飲み込まれているためこっちにした。こういうのを見るとよくわかると思うが、日本のアニメーション技術というのは1950年代からすでに高いレベルにあった。そういえばもっと以前、1940年代にも海軍省の命で松竹動画研究所が作った「桃太郎の海鷲」「桃太郎 海の神兵」というのがある。こっちもそのうちVTRを入手してみておきたいと思っているのだが…と思っていたら、さすがYOUTUBEには動画が載ってた。いずれ機会作って見たいと思うが、戦記には全く疎いからわからないかも…。ちょっと見た感じだと、まだまだ動画を描くのに慣れてないなあという感が否めない。まあこんなところから日本の長編アニメは始まったということなんだろう。落下傘で降下するシーンなんかなかなか見せるものがある。
_ [漫画] 「パロディ漫画大全」長谷邦夫、水声社、2002.
結構前に読み終えていた。以下つまんでメモ。
「ジョージ秋山に捧げる詩」ジョージ秋山のキャラクターを使ってジョージ秋山に捧げる詩をいくつか書いている。「桜三月散歩道」の作詞家がどれほどの詩心を有しているかはある程度この作から想像がついてしまうことだ。ジョージ秋山が当時アシュラや銭ゲバ、ざんこくベビー、あるいは問題の迷作「告白」といったスキャンダラスな作品を描き続けていたことは詩心をくすぐる事件であったことだろう。だがその有様を目前にして絶句以上に相応しい詩などあるはずはない。それでも書きたかったということなのだろう。あーでもパットマンXとガイコツくんが読みたくなっちゃったよ。
「紅い花血」「腹がつっぱる」「オドリャーオドリャー」(←シンデンのマサジじゃなくて谷岡ヤスジのキャラが言ってる。オリジナルのセリフは『わりゃあ?わりゃあ?』。こういうのはとっても好き)
「寄らばやるド」砂川しげひさの漫画ってオリジナル読んだこと無いんですよ。長谷先生のパロディで(ああ、こんな漫画があるんだなー)って思ってたくらいで。気になったセリフ「ヤルならデンキクラゲの渥美マリとヤリたいもんねー」これはしびれくらげだが、良い女じゃないですか、渥美マリ。軟体動物シリーズとか言って「いそぎんちゃく」とかもある。うーん。東映チャンネルでかかるなら見てもいいけどここまでジャンルを広げるわけには遺憾な。
「田変交狂楽」第4楽章:「あの兵士たちは『ディスカバージャパン』が嫌で撃ちまくったんじゃないだろうか…」「赤塚の嫌いな言葉は『ディスカバージャパン』と『ジャルパック』『ヤング』山下洋輔は『ナウ』」
巻末:竹熊健太郎との対談:ねじ式のパロディは長谷氏が最初で、そのあと赤瀬川源平がお座敷を描いてる。しまった!読んでない!「…だから『ねじ式』を読んだ時、つげさんはこれでもう漫画、描けないと思った」この言葉を踏まえた上で、先の「ジョージ秋山に捧げる詩」を考えてみると、この長谷邦夫という人のシンパシーのあらわれ方がわかるような気がするのである。これを描いてしまったらもう何も描けない、描けたとしても無傷では済まない、どうするのだ、ジョージ、つげ。そういう強い共感と、しかしながらその共感は彼らとの力量や命の刻み方の違いのようなものによって無残に跳ね除けられるのである。かくして長谷氏は骨噛峠ニャロメ葛にあるように、マザーマシンを打ち壊す彼らにはついていかないのである。
かかる長谷氏は現在もリハビリ中とのこと。手塚論を物している途中に倒れたとのことだった。そういえばパロディ漫画大全にはキャラとしての手塚治虫はでてくるが、手塚作品のパロディは無い。世代が上になるためだろうか。そう考えると、これらのパロディは、そのような先輩後輩意識を裏に踏まえて描かれてもいるということになる。あるいは、手塚先生の嫉妬深さを用心したのかもしれないし、もしかするとこの時期手塚作品にパロディとすべき傑作がなかったのかもしれない。このころを代表する手塚作品となると「火の鳥」である。火の鳥をパロディとしても、長谷氏の描きたい社会風刺的な描写には確かに結び付きにくいような気はする。エロスなパロディは描きやすそうだ。事実描いてる人いるよね。
ネットストアいいね〜私もためそうかな マジ暑いっす <br>
利用するなら早い方がいいよ。ご飯に間に合わない。俺は結局買い出しに出たけど、お豆腐忘れちゃったの。