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2013-09-22 [長年日記]
_ [特撮] 「仮面ライダーウィザード」
異世界編。アクセルモードの555とクロックアップしたカブトがワームと戦うシーンの背後でカバちゃんがゆっくり動いてる。まだ使われてた!昭和初期の"演技に依存する特殊効果"すなわちSEDA(Special Effects Depending on Actors)、である。SFXの歴史をウィキペディアで見てもこの言葉は出てこない。たった今俺が造語したから。田口トモロオがアマダム(これはクウガの変身能力の原因とされる霊石と同じ名である)というこの異世界の主として怪演を披露している。ロケに使われている古民家や石橋のある土地はどこだろう。だいぶ都会から離れた土地のようだ。良くあるAnother Storyと切り捨ててしまうことができないことが一つだけあった。この世界で空を見上げると、地球で真昼の月を見るよりもずっと大きな地球を見ることができる。この世界に生まれた人間は、当たり前のように地球に行きたいと思うことだろう。それは作中の男女の子供たちの動機に重なることでもある。終盤に鎧武登場。次回、ウィザードの最終回。実質的には既に終わってる。
_ [夢] 先生と呼ばれる人。
昨日の朝方見た夢だったと思う。おそらく古い街道沿いの道だろう。バス停の名前にそのことをうかがわせる名残があった。その幾分細い道をたどっていくと、「先生」と呼ばれる人の家があった。俺はなぜか両親と甥の一人を同行させて「先生」の家を訪ねる。俺の書いたものを見てもらうためだ。落ち着かなく待っていると「先生」はあらわれた。俺よりはだいぶ若い。だが明らかにこの人は人を教え導く何かを持っている。硬い質感の髪を後方に特に手入れもせずに跳ねるにまかせているのは、俺にはエドガー・アラン・ポォの肖像を思わせた。目は大きく切れ長で、口ひげをニートに蓄えている。和服であらわれた先生はたいそう忙しい人のようだった。だから、俺の作品に目を通す時間はごく短いものだったが、ある程度書き溜めて持って行ったものの最初のページを読み、どうやらそこに面白そうな何かを見出したようだった。それが、俺自身の考え方を面白いと感じたのか、作品としての面白さを感じたのかはわからない。稚拙な文章の稚拙さ加減を笑う他なかったのかもしれなかった。だが「先生」の思いを推測することはやめておいた。「先生」がこの駄作を見て、そこに何か面白いと思うものを見出したのは確かだったからだ。しばし文章を読んだ後、1ページ目にある書き損じ部分を墨で塗りつぶした痕を「先生」は指でなぞる。指の先には墨が付いた。そのことも「先生」には面白く思われたらしい。それから「先生」は「何かまた新しいものを書いてきてください」と言った。それは手紙で送ってくるのがいい、と言ったか、手紙ではいけない、と言ったかは聞き取れない。だが、また何か俺の新しく書いた文章を読みたいと言ってくれた。「それを読んでから、会見の時間を設けることにしましょう」ということだったから、手紙で送るように言ったのだろう。そして、今日の会見はこれで終わりだといった。「では最後まで読んではくださらない…?」と俺は哀願を含めて言った。「先生」は、何を当然のことを尋ねるのかと不思議そうな表情で「そうですよ?」と言った。だが俺は、少なくとも「先生」に興味を抱かせたことで十分満足だった。甥が俺を祝福するかのようにビニールの切れ端のようなゴミを俺の髪になすりつけていた。俺は持参した原稿と、先生から渡された茶筅のような小さな筆を受け取り、(やった、やった…)と心で叫びながら、手ぬぐいで何重にも巻いて持ち帰る準備をした。目覚めてすぐ、忘れないようにこの夢をメモ書きした。「先生」の声は若々しく明るい声だった。そこに考えの含まれていない余計な言葉を決して発しようとしない、好ましい寡黙さも相まって、俺はこの「先生」に今も心を奪われている。夢で老賢人に遭うのは何年ぶりなのだろう。俺には未だにユング的な夢を見ることができるのだと思うとうれしかった。老賢人は自分よりも若い姿で現れることもあるのだと思った。この先は特にそういうことになるだろうと思う。