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2015-11-05 [長年日記]
_ [漫画] 俺の描いたトランスジェンダー漫画について。
最近とみに昔のことを思い出すのは、やはり大脳皮質の活動が鈍くなってきた証拠だろうか。小学校低学年の時、壁新聞に漫画を描いたような記憶がある。タイトルは「ドクターカッパくん」といい、ギャグ漫画が好きだったので当然ギャグ漫画になるものと思って描きはじめた。あの頃の俺の漫画の神様は手塚治虫ではあったけれど、赤塚不二夫の方が好きだったし、「ガイコツくん」や「パットマンX」を描いてた頃のジョージ秋山は大好きだった。永井豪の「馬子っ子金太」なんていうのも冒険王か漫画王で読んで好きになった。ギャグ漫画を描く場合最も重要なのは主人公が愉快な奴であることだと思う。それで、とてもありえない存在が医者になっていたらいいのではないかと思って河童の医者を考え出したのであろう。何だか楽しい話になりそうだ。ところが、これが大きな勘違いだったのだが、実は俺自身はセルフイメージと異なり、それほど愉快な人間ではなかったのである。ギャグ漫画のネタになるような爆笑を誘うストーリーが思いつかない。どうしたことだろうか。しかし、やがて俺は一つの物語を思い描く。ドクター・カッパ君のもとを訪ねる患者は、当然水生動物であろう。それはタイだったかコイだったか、まあ魚類を代表する堂々たる偉丈夫である。記憶の片隅に髭のある紳士のようなキャラクターを覚えているから、きっとコイだったのだろう。そのコイの患者は何の病気で訪ねてきたかしれないが、カッパ君は彼に薬を処方する。ところがだ、その薬はこともあろうに男女の性を入れ替える作用のある薬であったのだ。それを飲んだコイ氏は突然女っぽくなり、あれこれと女性が身の回りに置く品々をつぎつぎ所望し始め、彼(女)の物欲のすさまじさに慌しく翻弄されるカッパ君の大ゴマで終劇、というわけであった。
なんでこんなことを思い出したかしれないのだが、これは明らかに単なるギャグ漫画などではない。”TS”じゃん。どうやら俺は幼少のみぎりからすでに童貞をこじらせていたのだ。惜しむらくは、なぜそういう才能(?)をすくすくと育てていかなかったか、ということなのだ。もしそのような創作を続けていたなら、今頃の俺は早見純やダーティ松本や木工用ボンドを凌駕するような変態漫画家になれていたのではないだろうか?いやもしかするとある時にいい具合にそのような嗜好をアウフヘーベンして新堂エルやら「らんま1/2」やらを越えるようなTS作品をものしていたのではないのか?なぜそうならなかったのか。それは、その当時、小学校低学年の自分であってすら、おのれの描いたものがインモラルで発表するには恥ずかしいものであると感じたためなのである。この作品が実際にペン入れされてクラスメートに公表されたかどうかは記憶が定かではない。今の自分はそれを改めて追及する勇気を持たない。ただ、あの時自分は確かに、初めて他人に公表するつもりで漫画を描き、それはTS作品であった。かかる変態嗜好が今の恥知らずな人生にしっかりつながっていることを実感して消え入りたいような気分になる反面、ちょっと誇らしくもあるのである。
_ [数学]スミルノフ第1分冊。
汚れた過去を拭い去りたいような気分にも後押しされつつ、高等数学教程の続きを勉強。今日は極限の概念の導入。大学入りたての時に大変苦労させられたε、あるいはεδの考え方が出てくるが、さすがに直感的な理解はできた。だが、数学的に正しい説明ができるかと言えば自信は無い。ただ、ランジュバン関数のことを知っていることで、定義されていない点においても関数が極限値を持ちうる(x=0において除去しうる特異点を持つ)ことは良く理解できる。まだまだこのレベルは大丈夫だと思うが、どこまで続けられるか。この本に即した問題集なんかあると良いかもと思う。スミルノフの教科書はかなり昔からあるのに今も新刊で入手できるんだなあ。