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けいりう堂日記

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2015-02-04 [長年日記]

_ それで日が変わったのだが、「ピエール瀧のしょんないTV」の録画見てる。ハリウッドザコシショウが出て来てこの2015年にファミコン勝負で番組作るというwwwもう好き。


_ ヤマトの再配達待ってるんだけど来ねえなあ。指定時間20分過ぎてて今日はジム行けるかどうか微妙になってきたよ。


_ [漫画] 「春が来た」小池一夫、小島剛夕、小池書院。

最後のページに1978年3月脱稿・画了とある。俺は16歳。高校入って割とすぐの頃だ。前にも書いた気がするが、高校に入った俺はもう自分はほとんど大人も同様だと思い込んで、さまざまな悪習を試した。成年向けと言えるような漫画の豊富に載っていた漫画アクションを毎週購入していた時期もあったが、これは丁度ルパン三世の連載が再開されたので、アニメーション部に所属していた俺にとっては画業の参考資料と言う言い訳があった。もっともそんな魂胆は親たちには丸わかりで、母の人はこれを”漫画アクション”ならぬ”漫画悪書”と呼んで忌み嫌っていたのである。一方父の人は俺に便乗して愛読していたのではなかったかと思う。そんなころに連載されていた「春が来た」は何と言うか、鬼気迫る小島剛夕の筆致にはずいぶん感じ入ったものの、小池一夫が好きなごろ合わせが鼻について今一つのめり込めない作品だった。アクション買い始めたころは物語のどの辺だったか。主人公は元同心の鯉太郎兵衛と元御庭番の桜二郎兵衛。どちらも仮の名で、ちょうど庭の椿を見て自らを椿三十郎と名乗るのと同じノリである。二人はともに60を超えているが太郎兵衛は精力絶倫、二郎兵衛は出自のせいで物語冒頭は童貞であった。このおじいちゃんたちがノリノリで性交に及ぶシーンも幾度となく現われ、今を盛りの高校生の俺にはそのことに現実味は感じられなかったが、今はもちろん違う。彼らはそれぞれに悲惨な体験をしており、人生の非情さに嫌気がさして、神仏を呪っており、神仏の像を見かける度に小便をひっかけて冒涜する。しまいには閻魔大王にも避けられて極楽どころか地獄にも行けない始末である。
 良く覚えているのは、目元を隠す仮面と女物の着物を付けて武家の女房ばかりを切る「恋武者源吾」の話や、紀州出身の元漁師の賞金稼ぎの四人組の四吉の話。前者は、仕えていた殿に所望されて恋女房を側室として差出した元侍・源吾が、己の行ないを激しく悔いてかような暴挙に出たという話。そうすることによって自らの辛い体験を知らしめんこととさらにこの暴挙の噂を聞いて側室に入った妻が館を抜けて会いに来るだろうという二つの目的が彼にはあった。そしてついに心中と相成った時に源吾は言う:「さむらい…仕えてさぶろう身とは哀しいものでござる」小池一夫の得意なダジャレで終劇なのだが、俺は侍の語源はまさにこれなのだと今でも信じている。四吉の話も、最後に浜辺で陣取りのような根木(ネッキ)打ちという遊びをしながら涙ぐむあたりは胸に迫るものがあった。そうでありながらも、この名コンビの描く情の世界に耽溺することは昔も今もできないのである。この勢いに乗ったコンビは他に「首切り朝」「ケイの凄春(せいしゅん)」そして「子連れ狼」などを物している。「子連れ狼」のラストでは拝一刀を倒した宿敵・柳生烈堂が、父の敵をとろうと槍を持って向かってくる大五郎を受け入れて「我が孫よ」という謎の言葉を吐いて死ぬ。この作品自体が社会現象だったが、このラストは1976年当時大いに話題となったものだ。そういう漫画なのになぜ俺は読んだことが無いのだろうか?間違ってるじゃないか。「鉄風」とか「ドクムシ」とか読み始めてる場合じゃないな。そうこうしてる間にヤマトの諸君が水木しげる全集を届けに来た。30分くらい遅れたというのに一言の謝罪もなかったが今はあまり問題にしている余裕がない。受け取ってソッコーでジム行くことにした。


_ そしてジム帰り。慌しく10分走って整理体操そこそこで帰ってきたが、どうも閉館時間を30分早く勘違いしてたらしい。


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