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2014-10-22 [長年日記]
_ 雨がしとしとでやんなる。
_ [読書] 『ローマの起源―神話と伝承、そして考古学』アレクサンドル・グランダッジ、北野訳、白水社文庫クセジュ(2006)。
今日届いた本。さっそく50ページほど読んでみた。俺はローマのことを何にも知らない。今紀元前750年あたりの創建者ロムルスからの王政時代のことを読んだ。最近その存在を知ったジョルジュ・デュジメジルの三機能説(上位から主権・戦闘・生産)などにも言及があった。日本のスサノオ神話だと順にアマテラス・スサノオ・クシナダなどとなるようだ。この、直接の文献資料の存在しない初期王政時代においても、ユピテルをはじめとする神に仕える神官とか神祇官とか呼ばれる職がどうやらあったらしい。その教義的なところはここまで読んだ中からはあまり読み解けないが、ユピテルにはいくつかの神格があるようで、その中の一つが落雷に関係するユピテル・エリキウスでありあるいは戦闘に関係するユピテル・スタトル(潰走を防ぎ踏みとどめさせる、とある)であり、あるいは性格不明のユピテル・フェレトリウスだったりするようなことが書いてある。伊勢を回ってみるとすぐにわかるが、日本の神にも和霊・荒霊・幸霊・奇霊(にぎみたま・あらみたま・さきみたま・くすみたま)といった複数の神格があるとされており、一つにしてそれぞれ異なる神であるかのようである。おそらくは、マルクス・アウレリウスの信仰していた神もそのように複数の人格を持つ神であり、その一つは厳しい自然の姿を象徴する畏るべき神であったのではないかと思われた。さっさと読んでレポートまとめないとな。この土日が勝負。本当はそこまでにさらに塩野七海だのギボンだのの関連箇所を読んでおきたいところではある。つづく。