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2005-10-08 矢倉沢往還(大山道)赤坂見附〜渋谷を歩く。 [長年日記]
_ [矢倉沢往還][博物館] (大山道)赤坂見附〜渋谷を歩く。
まずはサントリー美術館(休館中)のあたりから本日の”小さな旅”は始まった。赤坂豊川稲荷にお参りしてから表参道駅の辺りへ。昼少し前に蕎麦をいただき、以前良く来た大坊珈琲店でくつろぐ。向こう側に傾いているカウンター、入口の脇の珈琲を飲む女性の絵画、ジャズ、マメの質量と淹れる湯の体積で幾つかの種類に分けたブレンド、カウンター上のヤニまみれの池波正太郎や司馬遼太郎の文庫本。15年前に初めておとづれた時と全く変わらない。珈琲は旨いという以上に勿体無い感じで、茶室で茶を飲む感覚に近い。700円と値もそれなり。日頃飲むのには神田伯剌西爾ぐらいの値と味がいい。伯剌西爾の方がまずいわけではないのだが。
ここより246号を南に逸れて、本日のエクスカージョンが始まった。まずは根津美術館。ここは放送大学の学生証が威力を発揮して一般1000円のところを700円で入る。光琳のかきつばたの屏風が展示されていたが、やはりどうにも価値が知れない。金の地にべたべたといった感じで青と緑が彩色された屏風絵よりも、さび絵と称する焼き物に描かれた寒山・拾得なんかのほうが面白く思われた。さらにそれらよりも、レット・バトラー風のガンダーラの弥勒菩薩や、中国商時代の青銅器の酒を温める器などが面白い。青銅器のブックレットは品切れで残念。そのあと庭園を廻ると、「歴史の道調査報告書」に出てきそうな石仏や道標石などがいくつもあって、金に物言わせてるなあという感が否めず。
さらに南下して渋谷区郷土資料館(100円)、そのすぐそばの国学院大学考古資料館(無料)、少し東へ行って、盲学者塙保己一ゆかりの温故学会(200円)。
国学院では10基ほどの緑泥岩の板碑や滑石製の石枕、無数の土器・埴輪などに圧倒される。図鑑代わりに今後もときどき訪れたいな、と思った。
温故会館は休日は閉館らしかったが、入口前をうろうろしていると関係の方が出てきてくれて、中を見せてくれた。塙保己一の第一の偉業は、各地に散逸していた書物を集めて「群書類従」全666冊分の版木を作成したこと。200年以上経た今でも、希望に応じて刷ってくれるのだそうだ。
金王八幡に参ってまた表参道に戻る。日も暮れ、なじみ深い渋谷宮益坂に至る。本日も20000歩余り歩いた。雨が思ったほどでなくて良かった。